Nogizaka Journal

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9thシングルアンダーライブから受け取った答え

 近頃、乃木坂46の新たな試みとして話題の「アンダーライブ」。そのパフォーマンスを見た人たちの中から、アンダーという呼び方はもはや適切でないという声が挙がるほど評判らしい。7月12日の昼、六本木ブルーシアターを訪れた私は、前回の失敗を反省し、今回はしっかりレポートを書こうと考えていた訳だが、Overtureが流れた瞬間にそんなことがどうでも良くなってしまう程に楽しい時間だった。そこで、例によって細かいことは省略して、今回のアンダーライブについて感じたことを書いていくことにする。

*まだ追加公演が残っているため、ネタバレが嫌な方はご注意ください。

ライブ序盤から中盤

 途中、ユニット曲を挟んだものの、ライブ開始から中盤まではいわゆる「アンダー楽曲」中心のセットリストであった。

 アンダーと選抜の格差のひとつとして「歌唱曲数の差」がある。これは、単に多くのPVに出演できること、ライブで多くの出番が与えられることなど、より多くの人の目にとまり、人気を獲得していかなければならないアイドルにとって非常に大きなハンデとなっているのは多くの方が感じているところだと思う。しかし、それだけに今回のライブでは「一曲入魂」のごとく、各楽曲を再び作り込んできていたように思う。2期生が加わったこともあってか、8thシングルのメンバーで行ったアンダーライブとは多くの面で一線を画していたのではないだろうか。

ユニット曲

 早くも名物になりつつあるアンダーメンバーによるユニット曲のコーナー。普段はオリジナルメンバー(主に現選抜)が歌っている曲を、アンダーメンバーによる特別編成で見ることができる。今回は特に印象に残った2曲を取り上げたいと思う。

①「他の星から」

 オリジナルの歌唱メンバーの豪華さの割に披露される機会が少なく、その数少ない機会も大きい会場での披露だったということもあり、レア度の高い楽曲であった「他の星から」。派手過ぎず、洗練された衣装と、どこか不思議な魅力を放つ振り付けも相まって、バラエティに富んだ乃木坂46のカップリング曲の中でもひときわ異彩を放っている。PVにダンスシーンがないため、滅多にパフォーマンスを目にすることができない楽曲だ。

 こうした楽曲を近い距離で見ることができるのは、ファンとの一体感を大事にするアンダーライブならではである(集客数にこだわることもできただろう)。追加公演ではファンからのリクエストを募るということで、メンバーとともにライブを作り上げていく感覚をさらに味わうことができるのではないだろうか。物理的な面以外でもファンとの距離の近さを実感できる。アンダーライブの面白さ、今後の発展を期待させる一曲だった。

②「孤独兄弟」

 この楽曲は、今までのアンダーライブにおいては伊藤万理華と伊藤寧々の「伊藤ちゃんず」によって披露されることが多かった。メンバーの関係性を活かしたユニットというのは多くのアイドルファンにとっては非常に嬉しいものである。しかし、今回ユニットを組んだのは、川村真洋と中田花奈であった。乃木坂46きってのパフォーマーである川村とともに、『Top Yell』誌上の企画で「ダンス選抜」に選ばれた中田花奈。パフォーマンスに並々ならぬこだわりを持つふたりだ。互いの方向性は異なるが、時に絶妙に絡み合い、時にぶつかり合うかのような激しいパフォーマンスは「見事」の一言だった。オリジナルとも、「伊藤ちゃんず」とも全く異なる「孤独兄弟」の解釈を見せつけてくれた。

MCの「永さん」

 今回のライブで中心となってMCを引っ張っていたひとりが永島聖羅であった。時に「声がでかい」と言われる永島だが、MCを聞いていて単に「声がでかい」だけではないことを改めて実感した。永島は乃木坂46の中でも非常によく通る声の持ち主である。これはひとりの芸能人として様々な場面で活躍していく上で大変重要な資質であると思う。

 そんな永島も、時折セリフを噛む様子が見受けられたが、「しめた!」と言わんばかりにイジってフォローするメンバー達のイキイキとした姿は、アンダーが全ての面で確実に進化していることを証明していた。

たくましくなる姿を見届け続けよう

 8thシングルのアンダーライブと比較すると、パフォーマンス中のウケを狙った演出はほとんど無かったように思う。メンバーのパフォーマンスとそれに応えるファンという極めてスタンダードなものだ。前回好評だったものをあえて続けず、彼女たちはまっすぐに勝負することを選び、それに成功したということだと思う。

 アンダーライブを見ていると、何が選抜とそうでない者を隔てているのか、時にわからなくなることがある。本来であれば、「アンダー」など存在せず、したがって「アンダーライブ」も開催されない方が良いのではないか。そんな考えがライブ中に頭をよぎった。しかし、彼女たちが身を置く世界は常に競争が続く。そうはいかない。「選抜がいればアンダーも存在する」。これは変えようのない事実だ。それならば、答えはひとつ。人は変われど、ライブごとにたくましくなり、自信を持ってステージに舞い戻る彼女たちの強さと想いを今後も近くで見届け続けるしかない。

筆者プロフィール

助六
音楽が大好きでバンドを組んだりしています。乃木坂は楽曲も大好きです。今のところ「他の星から」が一番です。ファン歴はそこまで長くないですが、皆さんと一緒に楽しめる記事を書けたらと思っています。

COMMENT

  • Comments ( 7 )
  • Trackbacks ( 0 )
  1. レポありがとうございます。色んなところでアンダーライブの評判の良さを聞きます。DVD出してくれないかなあ。ぜひ観てみたい。乃木どこでスタジオ披露とかも嬉しいなあ。

  2. 簡潔で読みやすい文章でした!ありがとう!

  3. 観に行ったけど・・・素晴らしかった!!一体感が凄まじかったよーー!!

  4. レポありがとうございます。
    かなりんとろってぃーの『孤独兄弟』めっちゃ観たくなりました!

  5. アンダーライブはTVカメラで撮影してる様子が見られなかったので
    この先もソフト化することが無さそうなのが残念です。
    箱が小さい分落選された方も多いので、できることなら中継して
    シネコンで観られるようにする等の配慮してほしかったところですね

  6. アンダーライブ 進化の方向

    「大きな会場を一杯にする」との目標は、
    メンバーのモチベーションが保て、ステップアップするこ
    とで成長も実感できて、達成感を味わえますよね。

    もうひとつの方向として、メンバーを絞って、小さな箱で
    のライブや乃木團でみせたような少人数ユニットでのフェ
    ス参加やゲリラライブ的なものがあっても良いのではない
    でしょうか?

    専用シアターはないけど、アウェイでもオーディエンスを
    魅了できる資質ももったアンダーメンバーたくさんいます
    よね。

    アンダーメンバーの開花、進化、成長していく過程を身近
    に感じられていい感じになってきてますよね。

  7. 12日の夜に見に行きましたが、二期生を含むどのメンバーも
    充実感に満ちた笑顔でパフォーマンスしていて、アイドルの
    原点を見た気がして、感動しました。

    二期生からあふれ出す純粋にライブができるという喜びが、
    アンダーメンバーに良い影響を与えていたように感じます。

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