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乃木坂46「16人のプリンシパルtrois」16公演目観劇メモ

 舞台公演「16人のプリンシパルtrois」16公演目の観劇メモです。今回のプリンシパルを既に観た方を想定した内容にしていますので、これから初めて観劇する方はここから先はお控えください。初見ならではの視線と楽しみを持ったまま観に行っていただければと思います。

 本稿はレポートではなくメモとして残しているものです。読み物として考えていませんのであしからず。また公演中の出来事、発言は実際のものと異なる場合があることをご了承ください。特に、発言は適当な言葉で補完しているものが多くなっています。

1幕・オーディション

 各役のオーディションから結果まで簡単に書いていきます。

 ・ポリン姫
 立候補者は伊藤万理華と白石麻衣。まりか「もしポリン姫に選ばれたら、今日は楽しかったって言ってもらえるような演技をします」。まいやん「もしポリン姫に選ばれたら10役達成です。最初はやるつもりなかったんですけど、ここまできたらやるしかないと思って。お昼もいっぱい食べたのでがんばります」。
 コントは「映画のPR」。高山一実のものまねで攻める女優役・まいやんを前に、リポーター役・まりかは手も足も出ず。一昨日の14公演目ではコントの大筋に絡まないながらも、アドリブで演技を付け加えていい感じになってきていただけに残念。このコントではリポーターはアドリブを入れていかないとただの進行役になってしまいます。リポートしてるという状況を考えたらいろいろ引っ張ってこれると思うのですが、なかなか台本から外れるメンバーが現れません。
 どっちにしようか悩んで、まいやんに投票。ものまねが上手いだけでは投票を決定する理由にはしていないので、まりかが少しでも面白ければそちらに投票していました。10役に選ばれたのはまいやん。

 ・ロザリオ役
 立候補者は永島聖羅、秋元真夏、高山一実。らりん「まさか真夏とかずみんとあたるとは思わなくて……。でも楽しみたいです」。真夏「先日、新曲のMVが解禁されましたがみなさんもう観ましたか? 今回ひさしぶりにたくさん映っているのでぜひ観てください」。かずみん「MVにちょっと映っているので観てください」。
 コントは「不動産屋」。彼女役のらりんはぶりっこ。彼氏役の真夏は本人を前にして高山のものまね。オーナー役のかずみんは椅子の上に立つ、よくわからないキャラ。あまりに下手な真夏にかずみんが「それ(私の)マネしてんの?」。かず「私の彼女、(身長が)2mあるんですよ」、椅子から降りたりまた昇ったりでオチにいく前にタイムアップ。らりんが「それ(高山の椅子)突っ込もうと思ったのに~」、かず「あー、最後にかっこよく飛び降りようと思ったのに」。
 かずみんとらりんで悩んで、らりんに投票。10役を獲ったのはかずみん、らりんはアンサンブル4位の侍女2役に。

 ・クリスティーヌ役
 立候補者は齋藤飛鳥、畠中清羅、中田花奈。あしゅ「どうしてもクリスティーヌのピンクのドレスが着たいです」。せいたん「(クリスティーヌは)昨日リベンジして入れなかったので、今日も立候補しました。当たって砕けろ精神でがんばります」。かなりん「アクトMOVIEのトークがあって昔の映像を観ました。私、2年前は可愛かったんですよ。クリスティーヌのドレスを着たらあの頃に戻れると思うんです。これじゃない、本当の私は!」。
 コントは「入ってくんなよ」。友人1をせいたん、2をあしゅ、他人をかなりん。あしゅは一昨日の公演でも受けた稲川淳二さんのものまね。せいたんも乗っかって「稲川淳二です(まったく似せる気がない)」。クオリティの低い2人にかなりんが「似てねーよ!」。にらめっこする2人の間に割って入るところでは、かなりんが白目をむいて高速ベロをしながら「あしゅりんぺろぺろ~」。強烈な変顔に、悲鳴と「きもい!」の声。かなりんはたしか初日もこの役で10役を獲っていました。
 かなりんに投票。これはほかに選択肢が見つからない。かなりんが10役を獲得。

 ・エルザ役
 立候補者は川後陽菜、生駒里奈、寺田蘭世、和田まあやの4人。川後「新曲のMVなんですけど私は出ていないので、2幕に出たいです」。立候補者発表時に『進撃の巨人』の敬礼のポーズをとった生駒、「今日、原宿にお買い物に行ったんですよ。そしたら修学旅行生がいて。うち、すっぴんだったんですね。旅行中の女の子がうちを見て『乃木坂のセンターの人だ』って言って、うち今センターじゃねえし!って。で、気づかれると他の人にも、あれ生駒ちゃんじゃない?って広まるじゃないですか。雨だから傘をさしてたんですけど、男の子が1人のぞきこんできて、『ぜんぜん、ちげーよ!』って。いや、本物だから! みなさんは私のこと知ってますよね?」。寺田「この2人のあとで言いづらいんですが(まわりがうるさくて聞き取れず)」。まあや「エルザ役、エルザ役だっけ?(みんなに確認)は初めて立候補します。アンダーのMVは解禁……(まだだよとツッコまれる)今日も頑張ります」。
 コントは「結婚式」。花嫁役を生駒、友人1を川後、友人2を寺田、友人3をまあや。生駒を送り出す生田。生駒は一昨日やってウケた、「えっえっえっ」と妙な笑い方をする老人(志村けんの真似)に神様という設定を付ける。手をぶらぶらさせる動きが面白かったのか後ろで見ているメンバーも真似る。まあやの「こけしみたい」というアドリブに生駒「神様だから!」。寺田、セリフを間違え(?)「5万円を着服(本当は5000万)」、これは前に北野も5000円と間違って(?)いて、マジなのかボケなのか不明。ツッコミがなければ成立しないボケは相手を見て投げないと生きない。
 このチームは悪い意味で生駒しか選択肢がなかったコント。一昨日の公演を観た分には今日の生駒の出来が特別よかったわけでなく、他の3人がなにも出来なかった印象。生駒は公演初期の生駒と比べてようやく力を出せ始めた程度なので強敵ではなかったはず。演技力がなければ台本通りに演じて負けるのはわかりきっているのだから、コント崩壊を覚悟でどんどんぶっこんでいかないともう後がない。キャラでもセリフでも、アドリブをどう絡めてどうまとめるかを考えればいいのであって、無難にオチまで運んでコントを成立させようとする姿勢は公演を捨てているのと同じ。という結果だったので生駒に投票。生駒が10役に選ばれ、3人はアンサンブルにも入らず。

 ・キャサリン役
 立候補者は能條愛未、中元日芽香、堀未央奈、新内眞衣の4人。立候補者が発表されたときに、能條が「うわー」とリアクション。ひめたんとなにやらあった様子で、席に座っている時に話す。4人用のコントもあるのに、なぜか2人組にわかれて行いました。

 能條「4回目のリベンジです。今日はひめたんとお揃いのツインテールで頑張ります」。ひめたん「中元日芽香です。みんなからはひめた~んって呼ばれてます。(能條に)がんばろうね」。
 コントは「タクシー」。運転手役の能條は老人のような役。客役のひめたんはいつも通りの上手な演技、なんだけど、演技が上手いだけじゃ今年は投票されない。おかしなキャラが必要なわけじゃない。アドリブを仕掛ける姿勢さえ出せれば、それを納得させる演技力は持っているので10役獲得も近づくはず。

 もう一組、堀「リベンジにきました。精一杯がんばります」。新内「今日は水曜日です。ノー残業デーです」。
 コントは「ステーキ屋さん」。客役の堀はお店に入る前から、学校の友達と来たように「B組の担任まじうざくね?」と役の背景をアドリブで加える。店員役の新内はぶりっこというか軽いノリで「お客さんなら20gぐらいですね」とボケるも、堀に「は?もっと食べれるし」と差し返される。一貫して愚痴る堀、オーダーで歌い出す新内に「この店員うぜー」、肉を焼いてもらうスタッフの選択肢を出すくだりでは「猫背の高山さん」というボケにも「興味あるけどパスで」と全部打ち返す。
 息の合ったコントであるだけに最後ちょっとぐだってしまったのが勿体なかった。今日のベストバウト候補。まわりが何の脈絡もない物真似や話の前後を無視して笑いを取りに行く異常者に走る中、堀はしっかりコントが出来ていた。新内もキャラのパターンは多くないものの、自然に演じられるし、コントを壊さず自分流にセリフをアレンジ出来る力がある。正統派(という言い方が正しいかはわからないが)で組み立てられる2人だからこそ出来たコント。クイーンオブコントも含めて堀に投票。堀が10役に選ばれ、堀が圧倒的だったのか他がきれいに割れたのか3人はアンサンブルに入らず。

 ・ベル役
 立候補者は若月佑美、生田絵梨花、松村沙友理。立候補者の発表時、松村は「どうしましょー」といった様子。若月「私にとってプリンシパルは毎日が初日、毎日が千秋楽。みなさんに素敵な笑いを届けたいです」。生田「この2人と当たることになるとは」。松村「相手が10役を達成している若月と、10役リーチのいくちゃんなんですが、この2人に勝って、まっちゅんかっこいいってなるように頑張ります」。
 コントは「ケチーズX」。メンバー1を松村、メンバー2を生田、メンバー3を若月。コントがなかなか始まらず、若月の「いつやるの?」に生田「今でしょ!」。松村は途中から壇蜜のようなお姉さん的演技。生田がCDについて話すセリフに松村「違う違う、7月9日(乃木坂46の新曲発売日)」、生田「上手いね~」。若月はぶりっこのようなナルシストのような演技で、草むしりのところではワッキー(ペナルティ)を真似て「ぶいぃ~ん」と芝刈り機。若月「わっきーって呼ばれることがあった」。松村が「消えた芸人さんのネタや!」と突っ込む。
 悩んだ結果、いくちゃんに投票。10役にいくちゃん、アンサンブル3位の侍女1役に松村。

 ・マキア役
 立候補者は衛藤美彩、大和里菜、井上小百合。衛藤「よく、しっかりしてるねって言われるんですけど、今日はボーっとしている私を見てもらいたいです」。大和「今日も大和里菜です。今日、朝まいまいに会った時に『日村さん、おはよう』って声をかけられました」。食べるのが極端に遅い井上「私の胃腸もボーっとしています」。
 コントは「不動産屋」。役が決まらないまま始まってしまい、衛藤「まだ決まってません」、コンノ(天の声)「早くしろ!」のコンビネーション。彼氏役の井上は鼻をほじりまくる子供のようなキャラ。彼女役の衛藤は「ほじらないの」「来月結婚するのにお嫁にいけない!」と振り回される。オーナー役の大和は「どーん!日村です」と、またバナナマンの真似。ふっ切れたのかコツを掴んだのか、一昨日よりも面白くなっていました。ただ、どんな展開も「どーん!」で乗り切ろうとするだけではまだ足りない。それに乗る井上、「どーん!」、さらに「どーん!」と言いながら2人にかんちょー。見かねた衛藤、井上を捕まえて「ちゃんとして!」と叱り、井上が鼻をほじった指を井上のゼッケンでぬぐって笑いをとる。
 コントをリードしていた井上に投票。井上が10役になり、井上に振り回されながらも好演した衛藤がアンサンブル6位の侍女4役を獲得。

 ・パム役
 立候補者は西野七瀬と橋本奈々未。西野、手でカエルを作って腹話術をしながら「今日この役ができたら次はポリン姫に立候補したい」。橋本、いっこく堂で対抗して「声が、遅れて、聞こえてくるよ(遅れていない)。体の弱さなら負けません」。
 コントは「タクシー」。何らかのキャラを入れている西野、本人の発言で秋元真夏のマネとわかる。対する橋本、体を揺らし、「乃木坂って、どこ?」で今年初めにやったパントマイムのような縦ノリ。西野も少し乗る。西野「冬なんか、こたつに入っちゃうんですよ」、生駒のガヤ「可愛い…」。真夏(西野)にむかって橋本「あなた、いろいろ試行錯誤してますけどすごい普通の人ですよ」、「(かき氷のシロップは)どうせ、いちごなんでしょ」「あなたが赤信号を渡る勇気がないことは知ってます」とアドリブでツッコミ。西野はオチを新橋から変えて「まなったんの家に到着しました」、何も返せず(敢えて?)唖然とする橋本に笑いが起こる。コントが終わったあと、2人で真夏の前に走って行って土下座していました。
 今日のベストバウトはこれかな、という出来。橋本は復帰してからあまり評判がよくなかったのですが、今日のコントは仕掛けたり、ツッコミが冴えていて見応えがありました。セリフにしても勘にしても、動きと一緒に入れていくタイプなんでしょうか。しばらく悩んで橋本に投票。橋本が10役、西野がアンサンブル1位のメグ役。

 ・ルイーダ役
 立候補者は桜井玲香、星野みなみ、川村真洋、米徳京花。桜井「今日のコントはめちゃくちゃ面白いので(プレッシャー)」、星野「学校の休み時間にルイーダ役のセリフをちゃんと覚えてきました。今日はおでこを出しているので、むき卵みたいってたくさん言われます」。川村「(観客の声に応えて)マニです。真洋のルイーダ役は本当に、怖いぞ」。米徳「私のルイーダ役は、本当に、怖いぞ」。
 コントのお題は「結婚式」。花嫁役は川村、友人1は米徳、友人2は桜井、友人3は星野。米徳が「クレヨンしんちゃん」のモノマネでお尻を振ってリードすると、桜井は片手で目隠し線を入れるようにして「ハハッ」(ミッキーの笑い方だが似ていない)。手を丸めて耳を作ろうと試みる。後ろで真似するメンバー。みなみはそのままの演技で、「これ私も真似したほうがいい感じ? あえて、やりません!」。米徳はしんちゃんになりきって川村をみさえ呼ばわり。セリフでもみさえにマッチするものがあって、ここまで考えてやっていたのかと思わせる。桜井もウォルトの名前を出すぎりぎりの勝負で、最後にはディズニーランドの名前を出してしまい「ごめんなさい!」と謝る。
 米徳vs桜井と考えて、コントをリードしていた米徳に投票。米徳が10役に選ばれ、会場は今日一番長く大きな拍手。何回か観た中で、ちはるが強メンを破って10役を獲ったときもすごかったですが、今日は後ろからもう1つ波が来たようにワーッと一段と盛り上がる。米徳は名前が呼ばれた瞬間、顔に両手をあてて泣いていました。アンサンブル5位の侍女3役に桜井。

 ・エステル役
 立候補者は北野日奈子、斉藤優里、深川麻衣、斎藤ちはる。北野「リベンジが15回目になっちゃいました。前に(私が)クリスティーヌ役に立候補したとき川後さんがラッキーガールで選ばれているので、本当についてないなと思いました。でも頑張ります」。ゆったん「楽屋でまいまいと練習してきたのでばっちりです!」。まいまい「ワンピースが好きなので」。ちはる「紙を見てもらえればわかりますが、エステルと私は顔がよく似ています。なので楽しませられると思います」。
 コントは「取り調べ」。犯人役をちはる、刑事1を北野、刑事2をまいまい、刑事3をゆったん。ゆったんが「ママ、なんで捕まっちゃったの~」と子供になるアドリブ、対してちはる「ママじゃねえよ、誰だよ~」。北野が平泉成の声マネで「あいつ、ボビー・オロゴンだ!」と突っ込むも「ボビーじゃねえよ~」「でも聖母は可愛いよ~」。結局、ちはるの正体がわからず、オチにも至らず。最後はぐだぐだになった1期生に北野が指示を出して話を進めようとしていたところで終了。
 1期生が不発だったのでツッコミとまとめ役で貢献した北野に投票。北野が初の10役を獲得し堀も涙。アンサンブル2位のエリザベート役にまいまい。

舞台裏の生中継

 1番手、大和。「どーん! 日村さんじゃなくて、大和里菜です。あまり得意じゃなかったんですけど最近コントが楽しくて。日村さんのおかげです。今日立候補したマキア役はボーっとしているんですけど、セリフのタイミングが難しくてけっこう神経張り巡らせています」。ここで「明日もリベンジします」と口を滑らせ、「あ!どうしよう、言っちゃいました!」と慌てる。「でも誤解しないでください。マキアしか覚えてないんじゃなくて、最初にみなみにルイーダをやってもらいたいんです(大和はパム当選、ルイーダ立候補経験あり)。明日からもはっちゃけて、面白い大和を見せられるように頑張ります」。

 2番手、能條。「コントで志村さんのモノマネをしたんですけど、生駒のほうが似てました。もっとレパートリーを増やしたいです。それと、今日親が来てるの知らなかった。どうしよう。プリンシパルは家族が来ると選ばれないっていうジンクスがある(松村が一度破った)んですけど、そんなの気にしません。私の頑張っている姿を見て、母はきっと安心したと思います」。

 3番手、衛藤。「コントはさゆにゃんがあれだったので、途中で忘れてぜんぜん違うことやっちゃいました。コントになるとすごい緊張しちゃうんですよね。どうしたら緊張しないかな? 2幕は役に入りきれるので。変顔とかも練習してるので(メンバーや客席からやれやれと言われる)今日はやりません。ここではやりません。ただチャンスを狙ってる」。

 4番手、新内。「今日は堀と一緒だったから楽しくできました。それとぜんぜん関係ない話なんですけど、先日、入社して初めて上司にランチに誘われました。連日のプリンシパルでつらそうなのが顔に出てたから誘ってみたらしいです」。

アピールタイム

 まりか「まいやんとあたって怖気づいちゃって、みなさんに自信がないのがばれていたから投票してもらえなかったと思う。強メンにあたっても負けないメンタルをもって出直してきます」。
 川後、ひめたんと一緒に出てきて1人で「いつものやります。ひめたーん、び~む!」。
 飛鳥「ものまねが上手くできなかったので、また動画を見て練習してきます」。
 ゆったん「『さいとう』が初の全滅です!」
 新内「キャサリン役がやりたかったです。キャサリン役がやりたかったです」

 能條「(10役に選ばれなくて)ママ、ごめんね。でも、負けない。明日またがんばる!」
 せいたん「ずっと入らなかった2人が入ってよかったです(北野、米徳をうろ覚え)」
 大和「今日は日村さんの真似が不調でした。動画を見て勉強します」
 若月「最後まで真面目でごめんなさい!」
 寺田「初日に泣いたので泣きません!名前だけでも覚えて帰ってください」

2幕

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6月11日(水)のオーディショントピックスより

 冒頭のヌビア星、アドリブで年齢ネタが使えるシーンで白石ポリン、「もう、じゅ、21歳なの!」。生駒エルザは足をけり出すようにして登場。堀キャサリンが「変態!」と仕掛けて、会場の手拍子に合わせて生駒が「変なおじさん」を踊る。
 5人のしもべが登場するシーン、生田ベルが「頭脳系ナンバワァン!」と流暢に言って笑いをとる。2幕での生田は積極的にアドリブを入れて笑いを取るより、こんな風に台本にあるセリフを最大限に膨らませようという手法が目立つ。深川エリザベートの重い女に会場から「フー!」の声。最後に登場した橋本パムは「1シーズンに3種類のインフルエンザにかかっても1週間でほぼほぼ回復」のセリフを「一度に全身の筋断裂を起こしても1週間の休演でほぼほぼ回復」とアレンジして笑いを誘う。このアドリブに困る白石(本来、「1週間で治るのは普通! しかもほぼほぼって言ってた。完治してないじゃない!」とツッコむ場面)。
 1人で行きたがるポリン、「絶対足手まといじゃない、特にこいつ!」と、左腕で弱弱しく力こぶを作る橋本パムを指さす。
 オープニングの『ロマンスのスタート』は選抜メンバーが揃っているだけあって見応えがありました。

 続いて海王星。初10役の2期生、米徳ルイーダに操られる1期生。米徳が「てざま(手狭)になってきたところだ」と噛んだのを突っ込む侍女たち。セリフの順番(たぶん衛藤侍女の「倍返しだ!」待ち)で少しぐだったもののなんとかクリア。
 こちらのオープニング、『月の大きさ』はセンターが米徳、上手に苦手意識のある松村・永島、下手に定評のある桜井・衛藤とやや偏り。

 ジュピター石油のシーンで北野エステルが堀侍女を従えて登場。念願のエステルだから大事に演じたかったのかアドリブはなし。ポリン一行の褒め台詞は「髪の毛のキューティクルが素敵です!」(白石)、「声が大きくて元気なところが素敵です!」(生田)、「ブログでひなデビルとか頑張っちゃうところが素敵です!」(橋本)、そして白石から「あんまり絡んでないけど、今度ご飯いくぞ!」という誘いに跳んで喜ぶ北野。
 ここでハプニング。堀が自分の番であることを忘れて北野と「そっちだよ」「違うよ」と揉める。見かねた生田、「喧嘩しないで」。

 海王星、門前のシーン。白石ポリンは野次をとばす侍女たちに「ハフーン」で対抗。悪口を言いたがりの高山侍女(メインはロザリオ役)は最後のアドリブを、「なんで新品同様なのに50円なんですか!と言って店員と喧嘩になりー、『ポジピース!』と言ってさらに殴り合いになるー」。

 城内、ミイラを見つけるシーン。このミイラたちはアンサンブルの侍女4人がやっています。最後、4体とも出てきてポリンたちを追いかけるところでは松村ミイラが白石ポリンに抱きつきキスを迫るも、生田ベルが駆けつけて引き離す。
 仙人の修行で『ガールズルール』を踊るシーン。ここで出てくる4人の秋元康もアンサンブルの侍女です。曲中、井上マキアが衛藤やすすに寄っていって、衛藤の鼻(被り物の鼻)をほじったり、自分の鼻くそをとばす(マネ)。
 正義の剣を見つけるシーン。「ちょっと待ったー!」と大声で呼び止める北野警備員。ここはかなり遊びがあるシーンであるものの、やはり初の2幕を大事にしているのか遊びはほとんどなし。出てくる前は地声なのに、出てくると平泉成の声マネという振りがきいていたのが良かった。台座から剣を抜くところでは白石ポリンが「ハフーン」ポーズ。

 ルイーダとの戦いを終え、高山ロザリオと中田クリスティーヌが登場。ここで2公演目の悪夢(?)再び。ロザリオでも緊張してセリフがあやふやだった中田は、妻役に変わった今日もぐだる。その状況を「ママは緊張しているの」「信憑性はないかもしれないけど」と挟む。
 事情を知らない侍女たちが出てくるシーンでは侍女たちが「ハフーン」。白石ポリンも負けじと「ハフーン」。エンディング。

3幕

 21時を過ぎていたので、米徳と寺田の中学生組はライブ不参加。

 MCでは10役を達成した白石と生田のコメント。白石は稽古でポリン姫を練習していなかったらしく、1幕でも言っていたように、ここまできたらやるしかないと思って挑戦したとのこと。生田も最初は10役を考えておらず、公演をやっているうちに色々とやりたくなったそうです。キャストや観客、まわりの人のおかげと感謝していました。時間の都合か、初10役の北野のコメントはなし。

雑感

 1幕のコントは最初より良くなってきました。ただ、コントの流れを考えない物真似が受けると勘違いしてしまったのか、物真似しながら本読みしているだけのメンバーが多かったことは残念(16役に選ばれたメンバーも)。全部の公演を観ているわけではないのであくまで推測に過ぎませんが、他のメンバーが不発だったために物真似をしたメンバーが役を獲ることが何度かあり、それを見て「とりあえず物真似すればいい」と読みを誤った可能性があります。
 アピールタイムのコメントを聞いていても、もっと物真似を頑張るとか、物真似のクオリティにばかり目がいっていて、プリンシパル終盤にも関わらず、悪い方への傾きがきつくなっていくのは避けてもらいたいところ。

 物真似を否定しているのではありません。今回はコントであって、ものまね大会ではないので、なぜそのコントにその物真似が必要であるのか、説得力のある演技を試みてもらいたいなと。それを含めてよく考えられるように、少ないお題で回しているのでしょうから。

 2幕、3幕の感想は割愛します。

筆者プロフィール

管狐
乃木坂46に関する情報発信の場として、2012年に当サイトを開設・運営。ライターとしてはビジネス・エンタメ・スポーツを中心に寄稿も。ご依頼はコンタクトの専用フォームよりお問い合わせください。情報提供・取材案内もお待ちしております。

COMMENT

  • Comments ( 6 )
  • Trackbacks ( 0 )
  1. 私も初めて、そして最後のtrois16回公演を観賞してきました。
    それまで、公式サイトの公演レポートでしか窺い知る事しかできなかったですが
    管狐さんと同様の危惧を抱いておりました。
    そして実際に観賞した1幕では、危惧ではなく現実だった事を知る事になりました。
    まだ若いし芸歴も浅い(子役出身者もいますが…)彼女達は
    「声帯模写」で取れる笑いをチョイスしてしまっているようですね。
    芝居に必要なのは「性格模写」で「声帯模写」はその導入でしかありませんから、
    いくら声が似ていてそれっぽい感じでやっても
    彼女達の今後の役に立たないような気がします。
    舞台度胸は付くと思うので完全否定も出来ないのですが
    できれば、発想を変えて「軽演劇」的に望んでもらいたいものです。
    新内さんは、おそらく柳原加奈子の望んだと思いますが
    相手の出方で切り替えした堀さんは立派に(あえてこう言いますが)エチュードとして成立させました。
    同じように、橋本さんも見事に芝居をしてましたね。
    あ、苦言は呈しましたが満足していないわけではなく
    彼女達の伸びしろが無限大にある事とを確信して
    今後の乃木坂ちゃん達への期待を胸に帰路に付いた次第です。

  2. コントの台本少ないのに何も考えてないようなメンバーの多いこと
    安易に他人の褌で笑ってもらえるものまねに走る姿を見ていていい気しないね
    下手なものまねで選ばれたところでプリンシパル終わって収穫がなかったことに後悔するのが目に見えてる
    コントがつまらないのは考える気がないメンバーにも責任がある

  3. 初めてまともなレポを読むことができました。
    ありがとうございました。

  4. 頑張ってはいるんだけど、そうモノマネばっかだと観てて萎える

  5. 選ばれないと意味がないということで、
    より「うけた」ほうを選択する傾向にあるのは
    少し問題だと思うのですが
    メンバはどうにかして役を掴み取りたいという気持ちがあるのがわかるから
    仕方ないのかなとも思ったりします

    管理者側が状況を随時確認して的確なアドバイスをしたら良いと思うのですが
    なかなか上手くいかないのかなって感じでしょうか

    彼女らは若いのでこれも良い経験ではないでしょうか と思う今日この頃です

  6. 台本が少ないことに批判が集まっているのですが記事とコメントにある通りメンバーにも責任があると思います
    コントを当たり外れで判断してるメンバーがいましたが何度も目の前で見てるのに、同じようにしかやらなかったり何の工夫もなかったりまるで練習を見学している気分でした

    同じコントが続いた時に観客がため息をつくのはメンバーの工夫が足りないから、また同じものを見るのかというため息です
    それを演者のメンバーまで同じようにため息をつく、観客と同じような感覚になっているのはどういうことでしょう

    演出スタッフは、自分から一幕の意図に気づいてほしいのだと思いますがアドリブOKであることが共通の認識でなかった以上は放任しすぎで怠慢であるように思います
    今年の失敗は自主性の欠落したメンバーと怠慢な運営の両方に責任があるのではないでしょうか
    このまま千秋楽を迎えるなんてことのないように

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