Nogizaka Journal

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「乃木坂をよむ!」〜Best Songs of 乃木坂46 2015〜

transparent-color-typea乃木坂46「透明な色」

乃木坂46の紅白初出場で終わりを迎えようとしている2015年。昨年に続き今年も乃木坂46の個人的ベストソングを決めたいと思う。対象作品は今年リリースされた1st Album「透明な色」に収録された新曲8曲と、「命は美しい」、「太陽ノック」、「今、話したい誰かがいる」のシングル3作品、計27曲からベスト5を選ぶ。

第5位「ボーダー」

11thシングル「命は美しい」通常盤に収録された、伊藤純奈、佐々木琴子、鈴木絢音、寺田蘭世、山崎怜奈、渡辺みり愛の研究生から昇格した6名による楽曲。今年は乃木坂46が「紅白出場」という目標に向けて、一致団結した1年であったが、その団結も研究生全員の昇格なくしては始まらなかったと今になってみれば思う。

乃木坂46の他の楽曲にはあまりみられないエレクトロロック調のこの楽曲は、その込められたメッセージを力強く耳に届けてくれる。「これから全て変わるだろう〜そんな愚かな”啀(いが)み合い”のレガシー」にもあるように、ここでいうボーダーは「正規メンバー」と「研究生」という境界だけでなく、「選抜」と「アンダー」という境界を超えていこうという2014年のグループの反省と決意が込められている。

第4位 「今、話したい誰かがいる」

そして最新シングルの「今、話したい誰かがいる」が第4位だ。作曲はAkira Sunset・APAZZI両名によるもので、Akira Sunset氏にとっては8thシングル「気づいたら片想い」以来の表題曲を手がけることになった。

映画「心が叫びたがってるんだ。」の主題歌に抜擢されたこの楽曲は映画の世界観が反映されただけでなく、5thシングル「君の名は希望」に通ずるような乃木坂46の世界も反映されている。ド派手な曲ではないが、優しくリスナーの心に触れる詞とメロディーに、気づけば虜になってしまっていた。

第3位「悲しみの忘れ方」

第3位は、7月に公開されたグループ初のドキュメンタリー映画「悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46」の主題歌として最後に突如流れてきたこの曲。CDへの収録が決まる前に公開されたこの楽曲は、乃木坂46のこれまでの歩みについて歌った曲だ。結成からデビューまでの歩みについて歌ったのが「乃木坂の詩」とすれば、その続きとなる曲であり、グループの新たなテーマソングの一つとなる曲といって差し支えないだろう。

「真夏の全国ツアー2015」ファイナルの神宮公演では、本編ラストに生田絵梨花の伴奏とオーケストラとファンの歌声と共に披露された。そのときの生駒里奈と生田の涙はこれまでのライブのなかでも最も美しいシーンの一つだったように思う。どれだけ乃木坂46が大きなグループになろうとも変わらず歌い続けられる曲と、そう断言できる。

第2位「命は美しい」

11thシングル表題曲であり、乃木坂46の音楽の一つの完成形と言ってもいいだろう。4thシングル「制服のマネキン」の頃にはまだ定着していなかった「乃木坂46」☓「ダンスミュージック」も、「世界で一番 孤独なLover」「他の星から」「ここにいる理由」「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」などの曲を経て自分たちのものにしていった。

そしてこの曲は、乃木坂46が表現する「陰」の世界と美しいピアノのサウンド、力強いビートが混ざり合った、まさに乃木坂46にしか作り出せない「乃木坂46流ダンスミュージック」だ。紅白落選の悲しみを超えて制作された、乃木坂46の再出発を飾る逞しい一曲だった。

第1位「傾斜する」

1stアルバム「透明な色」に収録された、AKB48小嶋陽菜と乃木坂46メンバーによって結成された「こじ坂46」による1曲。生駒里奈がAKB48と兼任中に出場した「じゃんけん大会」にて、初登場したこのグループは、AKB48との交換留学によって残された大きな財産の一つと言っていいい。

この完成されたテクノポップに小嶋陽菜の色っぽい歌声が見事にハマり、乃木坂46の楽曲ながら既存のメンバーだけでは作り出せなかった新たな境地に達した。「平行」と「傾斜」で表現された情緒のゆらぎを、オートチューンのかかったボーカルが表現し、どんどん増えていくシンセの音とブレイクダウンが高揚感を煽る。AKB贔屓でもなんでもなく、楽曲のクオリティーとして2015年No.1の楽曲だった。


いかがだっただろうか? 今年はアルバムの発売もあり、例年より曲数も多く個々のベストも様々だろう。ぜひ異論反論等をコメント欄に書いていただき、乃木坂46の2015年を振り返ると共に、2016年の活躍を楽しみに待とう。

筆者プロフィール

ポップス
洋楽が好きで、「弁当少女」のOPがVampire Weekendで興奮していた類の人間です。
乃木坂46の物語や構造、楽曲について考察し、皆さんと乃木坂46をより深く楽しめたらと思っています。総合音楽情報サイト「Real Sound」にも乃木坂46のコラムを寄稿。

COMMENT

  • Comments ( 16 )
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  1. いつも楽しみに拝見しております。今年は特に名曲が多く、正直選びきれなかったのではないですか?
    勝手に私の意見を述べさせていただきますと隙間です。まだ、クリスマスライブと名古屋全握でしか披露されていないのですが西野七瀬さんの声が良いという意味がわかる気がします。→推しメンは生田さんですけど(笑)
    2015年という単位で選びましたが、2016年も名曲が生まれることを期待しています。

  2. なんかんー?w

    傾斜するを1位にする辺りが良くも悪くもポップス氏のポップス氏たる所以なんだろうとは思う

  3. 自分も間違いなく「傾斜する」が1位だと思います。
    正直、純粋な乃木坂の楽曲ではないため聴く前は全く期待してなかったのですが初めて聴いたときに完成度の高さにびっくりしたのを覚えています。
    今までの乃木坂の楽曲の中でも最上位に入るくらいの名曲だと思います。
    それ以外だと「嫉妬の権利」が上位に入ると思うんですが「うざい」という詩がこの曲を台無しにしてる気がします。
    あと「君は僕と合わない方がよかったのかな」も良い曲なんですが、この曲も「ヘコんでる」という詩がこの曲に合わなくて残念な気分になります。
    最近乃木坂のイメージに合わないフレーズやその曲のイメージに合わないフレーズが多い気がしますね。

  4. いろんなご意見はあるのでしょうけれど、1位に傾斜はないと思う。
    乃木坂46の楽曲ではないし。(BDにこじはるはずっと来るのか?)
    少なくとも、命、悲しみ、今誰を上回る作品とは自分には思えない。
    乃木坂らしさが2015のキャッチフレーズであるならば、
    2015は今誰がぴったりだと思います。

  5. 乃木坂の2015年は「太陽ノック」そのものだと思うんですけどねぇ

  6. 順位を付けるなら
    1位「嫉妬の権利」
    2位「別れ際、もっと好きになる」
    3位「今、話したい誰かがいる」
    かなと。個人的には、選抜の表題曲よりはアンダー曲のほうが聴いた時のインパクトが強く、メロディも好み。選抜基本無難な感じがして新しさがなかった。「嫉妬の権利」はMVも曲も世界観があってよかったと思う。
    「ボーダー」はすごくいい曲だと思いますが、曲に対してメンバーの歌唱力が圧倒的に足りてないのが残念。
    少人数のユニットだからこそもっとレベルアップして完成形を見たい。

  7. 個人的には「大人への近道」です。
    楽曲、メンバー、衣装、MVどれもが素晴らしい♪

  8. 前述されたように、嫉妬の権利でウザイは、曲全体と歌っているメンバーを台無しにしている。
    (一番最初に聞いて、やだなと感じた。)
    詩のフレーズとはいえ言葉づかいの悪い娘のような印象が付きまといそうだ。
    乃木坂は正統派なのだから、正しい日本語を使ってもらいたい。
    革命の馬なんかは、よくこんな歌詞考えたよと感心するけどね。(40歳代)

  9. 「うざい」のフレーズに対する私の評価は全く逆です。

    どんなにお淑やかで可愛い女の子でも本音としてこんな汚い言葉を誰でも持っています。
    その汚い言葉で、勝手に嫉妬している自分を卑下しているのです。
    この曲のテーマは正にそこにあります。

    乃木坂46に女性のファンが多いのはそんなリアルな所が共感され指示されているのです。

  10. 印象に残っている曲、好きな声(歌唱)の視点を含めて5曲を選びました。

    【バースディーライブin西武ドーム】
    ・あなたのために弾きたい
    ・ひとりよがり
    ~ライブの終盤の寒空の中、白い息を吐きながらソロで歌ういくちゃんとなーちゃんが神々しく見えました。

    【表題曲】
    ・命は美しい
    ~ダンスがかっこよくて、MVが曲とマッチして絵も秀逸
    ・太陽ノック
    ~ドラマ「初森ベマーズ」の主題歌で、2015の乃木坂の活動を象徴する曲

    【アンダー曲】
    ・別れ際、もっと好きになる
    ~流れるようなメロディーラインが好き

  11. 決してベスト1ではないけど、2015を振り返る中で「ポピパ」は捨てがたいです。
    乃木坂らしさ、とはまるで別路線だけど、ライブでマストになってる「セカラバ」を中心としたLDM系パートに欠かせない曲になっていきそうだな、と。

  12. 年末年始にCD「透明な色」を改めて全曲通して聴きました。

    やはり「傾斜する」は、2015年の乃木坂の楽曲の成果のひとつだと思います。
    個人的な好みでは確実にベスト5には入る曲とは思っていましたが、予想される読者の反論も想定しつつ、敢えて「1位」に挙げられたであろう筆者の勇気に敬意を表したいと思います。

    今までの乃木坂の楽曲に無かった世界観と凝ったアレンジ、それを一点に集約する力量を持ったこじはるさん。

    悔しいけれど、この楽曲のメインボーカルを務め上げる乃木坂メンバーが現時点でどれだけいるのか、考えると心もとない。
    乃木坂ファンにとっては決して望んだ交流ではなかったかもしれない48グループとのコラボレーションですが、豊かな成果を残したのではないかと思います。

    正直、こじはるさんの実力を改めて思い知らされました。でも、これからもあのコラボが観たいかというと、個人的には第2段はもう観たくはない。「傾斜する」は、高く評価されながらも、乃木坂の楽曲のメインストリートではないという評価を今後も受け続ける悲しい宿命を背負った曲かもしれません。

    何より、BDライブに今後毎回こじはるさんが出てくる違和感を味わい続けるのは辛い。彼女の力量に匹敵する歌唱力、表現力を持った乃木坂メンバーがメインボーカルを張れることを願うばかりです。

  13. 傾斜ってのはAKBヲタに気を使ったのかなw。自分としては一番は「悲しみの忘れ方」ですね。確かにこれまでの乃木坂の歴史を知らない人にとってはおおげさなお涙頂戴に聞こえるだろうけどね。乃木坂の曲にはすべてストーリーとヒストリーがあってそれがあるからバースデーライブでは全曲披露しないといけない。一枚目から13枚目まで各選抜発表にはかならずドラマがあり「絶対に忘れてはいけない」言葉が生まれてくる。スタジオでの発表は11枚目で終わってしまったけれどそれまでは選ばれたメンバー一人一人にふさわしい檄をMCのバナナマンがかけていた。あとはあの長時間の西武ドームの最後の最後に披露されたにもかかわらずイントロだけで自然と声がでてしまっていた「命は美しい」と13枚目かな。4番目は「嫉妬の権利」。正直13枚目は「嫉妬の権利」ばかりを聞いています。

  14. ①今、話したい誰かがいる
    ②命は美しい
    ③悲しみの忘れ方

  15. ポップス様の記事をいつも楽しく読んでおります。
    2015年の乃木坂の代表曲について、個人の好みがあって、
    一概にコレというのは決められないと思いますが、
    1位に「傾斜」を持ってきたことについて、賛否両論あると思います。
    「傾斜」については、アルバム収録曲のため、乃木坂の楽曲であることは
    間違いないと私は思っておりますが(これについても賛否あるかな?)、
    やはり、センターが乃木坂メンバーでない以上、年間代表曲を選ぶ際には、
    除外しても良かったんじゃないでしょうか?
    勝手なこと書き込みましたが、いち乃木坂ファンの意見として申し上げた次第です。
    失礼しました。

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