乃木坂散歩道・第145回「46という数字に込める想い」

 例えば、”13日の金曜日”は、僕達乃木坂ファンにとって、何かいいことが起こりそうな、ドキドキする一日です。例えば、”2月22日”は他の誰かにとっては1/365でしかないけれども、僕達にとっては特別な一日です。乃木坂ファンだからこそ、こだわる数字って色々あります。その中で『46』という数字は、最もこだわりを持つ数字ではないでしょうか? 今日はこの『46』という数字ににまつわる、ちょっと悲しく、身の引き締まるお話です。

 秋元康氏がプロデュースするAKB48プロジェクトから生まれたグループなのに、なぜ乃木坂『46』なのか? 公式HPから抜粋します。「AKB48より人数が少なくても負けないという意気込み(秋元康氏)」だそうです。これが間違いのない正当な『46』の由来ですが、後々、乃木坂46が伝説的なグループになった時に、『46』という数字には後付けではありますが、色々な意味が付加されると思います。今日はその一つを提示しようと思います。

「46は神に与えられた数字」

 ヒトの染色体数は46である。

 染色体数は種によって一定です。例えば、ハトなら16、かたつむりなら24です。それぞれの種が色々な数字を与えられる中、ヒトは46という数字を与えられました。9でもなく、21でもなく、48でもなく46です。
 僕達人間にとって、とても大事な数字を乃木坂は冠しているのです。ただの偶然かもしれませんが、たったこれだけのことで、乃木坂が伝説的なグループになると、僕は確信しているのです。乃木ヲタ補整と笑ってやってください。

「運命の子」

 この記事を書くきっかけになった一冊の本を紹介させてください。「運命の子 トリソミー」(著・松永正訓/小学館)、47本の染色体を持ってしまった子のお話です。

 ある1対の染色体が2本ではなく3本存在してしまうことを『トリソミー』といいます。その場合、染色体は通常の46本から1本増えて47本になります。染色体数が46じゃなかった場合、どうなるのか? 多くは生まれてくることすら出来ません。早期に起こる流産の原因は、この染色体異常と言われています。

 「運命の子」にはサブタイトルが付けられています、「短命という定めの男の子を授かった家族の物語」。染色体異常があると、生まれてくることすら奇跡です。そして、例え生まれることが出来たとしても、約80%が1カ月以内に亡くなります。
 第13番染色体のトリソミーという染色体異常を持つ子供を授かった家族が、その障害をどう受け入れ、その子と共にどう生活しているのか? 著者と家族との対話から生まれた本が「運命の子」です。

 「短命と定まっている赤ちゃんを育てることで、家族はどのような形の幸せを手にすることが出来るのであろうか」。13トリソミーという運命の子を授かり、家族は考えます。短命の子の生きる意味を、短い命だからこそ、大事に思える生涯を。短命と分かっているからこそ、気付かされることもあり、短命だからこそ、その一瞬の生に輝きを見つけられます。そこにある家族の想いを一言でいうならば「謝罪、疑問から這い上がり、感謝する覚悟」です。

 トリソミーにおいては医療側の苦悩もあります。13トリソミーは様々な障害をもって生まれ、重度の先天性心疾患と無呼吸発作により、突然死をきたします。この13トリソミーに関しては、現在の医療をもってしても、積極的な医療を施さないという選択肢があるそうです(それが主流かもしれません)。はっきりとした言い方をすると、生まれてきたとしても、亡くなるのを待つということです。
 これは奇形があるからという『命の選別』ではありません。医療が13トリソミーに立ち向かい、思考錯誤し、懸命な努力をしたものの、『運命』を変えることが出来ず、やむなく立ち止まってしまったということです。決して逃げたということではありません。むしろ、あまりに強大な壁に跳ね返され、「生きられない子供に対して、医学の名の下にメスを入れてはいけないのではないか?」という葛藤が生まれたのです。何をしても、何を考えても、何もできず、だから、ただそばにいるということを選択したということです。

 13トリソミーという運命に、第三者の僕達が出来ること、『目を背けないこと』、ただそれだけでいいと僕は思っています。あるいは、『運命』を前にしては、それしか出来ないだろうと思います。

「46という数字」

 46という数字は特別な数字です。でも、決して傲慢ではありません。47という数字の『運命』を変えてあげることは出来なかったけれども、立ち向かい、目を背けずに、そばに寄り添います。

 46という数字には、『立ち向かう者』、『目を背けずにいるということ』、『そばに寄り添う存在』、そんな意味を僕は込めたいと思います。

 8月21日という記念すべき日に、乃木坂ファンとして想うこと。『46』という数字が似合うグループであって欲しい、そう願わずにはいられません。

 
 P.S.乃木坂46の楽曲「何もできずにそばにいる」を聴きながら、あるいは思い起こしながら、この記事を読んでいただけたら幸いです。
 「ごめんね」、「神様、どうすればいいの?」、「それでも、力になりたい」。

筆者プロフィール

Okabe
ワインをこよなく愛するワインヲタクです。日本ソムリエ協会シニアワインエキスパートの資格を持ちます。乃木坂との出会いは「ホップステップからのホイップ」でした。ファン目線での記事を書いていきたいと思います。(ツイッター「Okabe⊿ジャーナル」https://twitter.com/aufhebenwriter

COMMENTS

  1. この記事もみなさんのコメントも面白いですね

  2. あれ? ヴァレンティーノ・ロッシにちなんでじゃなかったの?

    ロレンソ(2008年まで48だった)に負けないぞってことだと思ってた。(嘘

    いまお薦めは93だ!

  3. 48は96(黒)の半分でグレー
    46は白

    AKBは汚いこともある程度厭わずにやっていくが
    乃木坂は潔白なままでいて欲しいということ

  4. 46=2×23

    2, 2, 3 という数字の並びから、2×2=4、2×3=6、と46が再構成できる…超コジツケ(笑)

    (2^2)^3=64、2^(2×3)=64、となり再び4と6が出現する(笑)

    46って48と比較して、何か起こりそうな予感のする数字ですよね!

  5. 無理矢理なこじつけだな

  6. タイトルを見て、人間の染色体数=46にふれた内容だろうなと推測しました。前から私も意識していて46の意味を考えていました。
    乃木坂はまだ、46人のグループになっていない。2期生(当初)+1期生(岩瀬卒業・美雲卒業前)で一時的に46人になった。その後、宮澤・柏卒業、市來卒業、相楽途中合流で現在、43人。中々46の完成数にならない。これに意味はないと思うが運営予定とは違ったのではと思う。AKB48の「48」の意味は、16人×3(A,K,B)でいいのかな? 乃木の46は48Gではない深い意味をもってほしい。

  7. By 屋根裏のねこ

    深いですね。

    ちなみにヨハネ黙示録というものの中では数字には意味があるそうで、
    4→神経質・細やかさ・器用さ
    6→感性 芸術性 魅力性(セクシーさ)
    8→財力・地位・名誉

    乃木坂は女性らしい繊細さを持ちながらも、センスがあるので人を惹きつけることができるのだとおもいます。
    一方48Gは、今でこそ地位、財力、名誉はトップクラスなのかもしれませんね。

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