Nogizaka Journal

乃木坂46を中心としたエンタメニュースサイト

乃木坂散歩道・第218回「シリーズ・アンダーライブ3 ~考察《ダブルアンコール》~」

序章3「僕達の心の叫び」

 子供の頃は、良く叫んでいました。
 生まれた時、きっと泣き叫んでいました。小学生の頃は某サッカー漫画の主人公のマネをしながら『〇〇シュートー!』と叫びながら、ボールを蹴っていました。部活の試合で『ガンバー』って声を掛け合った事も有ります。試合に勝ち「ウォー!」って、雄たけびもあげていました。

 大人になって、『叫ぶ』という事は無くなりました。まあ、多分、それが当たり前です。でも、それだけ『心の動き』が無くなったのかなって、寂しくも有ります。

Tokyo Metropolitan Gymnasium 2008東京体育館(出典:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons)

第3章「考察 ダブルアンコール」

 アンコールとは、「終演後、拍手や掛け声で再演を望む事」。色々違いはあるかもしれませんが、今では『アンコールまでが予定通り』、そういう風潮があります。乃木坂46のライブもアンコールまでが通常のライブ構成です。
 本来の意味でのアンコールは、乃木坂46においては、『ダブルアンコール』として行われるようになりました。今回の記事では、この『ダブルアンコール』を考察します。

 1:ダブルアンコールの始まり
 まず、いつ始まったのか? 振り返ってみましょう。
 僕が知る限りで、乃木坂46におけるダブルアンコールの発祥はアンダーライブからです。2014年5月3日、渋谷・TSUTAYA O-EASTでのアンダーライブです。その3公演目、ラストステージのアンコール終了後、ファンからの拍手が鳴りやみませんでした。そして、どこからか、「アンコール」の声が。すぐに会場全体に広がり、アンコールの大合唱となりました。その時の模様はこちら↓

乃木坂散歩道・第116回「アイドルはパフォーマンスしてなんぼでしょ!マジで!(c)」

 本当に心の底から出てきた『アンコール』の想いは、会場のファン全員に共有され、表現されました。ただ、なんの打ち合わせもない状態でしたから、いつもの「のーぎざか・ふぉーてぃーしっくす」ではなく、「アンコール」という言葉になったのです。これが、僕が知る乃木坂46のダブルアンコールの始まりです。
 
 2:ダブルアンコールの発生要因
 ダブルアンコール発生の要因、それは『圧力』じゃないかと思います。メンバーのライブへの想い、ファンのライブへの想い、この二つがぶつかり合った時に生じるエネルギー、そのエネルギーを収容する会場が比較的小さければ、『圧力』は上がります。
 ダブルアンコールには、『抵抗勢力』があります。例えば終演後の退場のアナウンスなど。こういったものに打ち勝つだけの『圧力』が必要です。
 『圧力』>>『抵抗勢力』を満たす時、ダブルアンコールが発生するのです。

 3:ダブルアンコールの抵抗勢力
 ダブルアンコールを起こりにくくする要因を検討します。終演後の退場のアナウンス、これは抵抗勢力の一つです。だけど、そんなに大きな要因ではありません。僕が思う最大抵抗勢力、それは、『大きな会場』あるいは『観客の数が多い』事じゃないかと思っています。参加する人数が多い事で、コールにしても、アンコールの掛け声にしても、『誰かがやってくれる』、そんな思いを抱いてしまいがちではないですか? そういう集団心理の中で、『圧力を高める』=『一体感』を作り上げるのは大変に難しい事だと思います。
 アンダーライブが好評で、参加するファンの数が増え、会場が大きくなるにつれて、『一体感』が失われていく。なんともジレンマを感じます。

 4:ダブルアンコールの本質とは?
 ダブルアンコールとは、ファンの心の叫びです。心を動かされたファンの叫びです。ファンの心を動かすものって何でしょうか? 歌唱力でしょうか? ダンスの技術でしょうか? 僕はどちらでもないと思います。ファンの心を動かすものは、乃木坂メンバーの『必死さ』じゃないでしょうか? どんなに歌が上手くても、どんなにダンスが上手くても、そこに『想い』が伴わなければ、人の心は動かせません。
 ダブルアンコール=(メンバーの必死の想い)×(ファンの心からの叫び)
 ダブルアンコールとは、メンバーとファンが創り出す、究極の共同作業なのです。
 
 5:ダブルアンコールと予定調和
 ダブルアンコールは本来、予定されたものではありません。しかし、時にダブルアンコールを事前にやろうとするSNS上の動きがあります。僕自身も事前に動いた事が有ります。事前に動きがあるダブルアンコールは、本来のダブルアンコールではありません。予定調和に心動かされ、必死に叫ぶファンがいるでしょうか?
 その一方で、あまりにも大きくなり過ぎた会場で、ファンの一体感を生み出すのは、容易ではありません。ダブルアンコールはメンバーとファンが創り上げるものですが、そこに、運営側の『演出』(親心)が有っても、僕は否定しません。ライブがショボければ、どれだけ『演出』が有っても、ダブルアンコールは起きません。
 今回のアンダーライブでは、事前の動きは無さそうです。本番での出来が全て、ガチンコ勝負です! だけど、多少の親心は許したいと思います(笑)。

 6:ダブルアンコールという幸せ
 ダブルアンコールをしてもらえるメンバーは幸せです。そして、それ以上に、僕達ファンは幸せだと思います。普段、僕は叫びません。叫ぶほど心が動かされないからです。だけれども、僕はアンダーライブにおいて、今までに何度も叫んでいます。『楽天カードアンダーライブ』、『O-EAST』、『ブルーシアター』、『アイアシアター』、『有明コロシアム』、そして、『武道館』……。こんなにも心動かされる人生をおくれる僕は幸せなのです。

https://www.youtube.com/watch?v=YUN_CeuRgrQ
「乃木坂46 『風船は生きている』Short Ver.」
(乃木坂46 OFFICIAL YouTube CHANNELより)

筆者プロフィール

Okabe
ワインをこよなく愛するワインヲタクです。日本ソムリエ協会シニアワインエキスパートの資格を持ちます。乃木坂との出会いは「ホップステップからのホイップ」でした。ファン目線での記事を書いていきたいと思います。(ツイッター「Okabe⊿ジャーナル」https://twitter.com/aufhebenwriter

コメントはこちら

*

Return Top