Nogizaka Journal

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乃木坂散歩道・第221回「シリーズ・アンダーライブ6 ~アンダーライブは永遠の未完成~」

序章6「アンダーライブとは?」

 メンバーにとってアンダーライブとは、上を見る場所。
 
 ファンにとってアンダーライブとは、心動かされる場所。

https://www.youtube.com/watch?v=YUN_CeuRgrQ
「乃木坂46 『風船は生きている』Short Ver.」
(乃木坂46 OFFICIAL YouTube CHANNELより)

第6章「アイスランドポピー」

 去る週末、新リーダーの誕生を僕は目の当たりにしました。17thアンダーセンター・渡辺みり愛さん。彼女が好きなアイスランドポピーの花。その花言葉は「私が勝つ」、まるで勝鬨を上げるかのように高々と宣言しました。逆境しかなかった今回のアンダーライブ、「乃木坂46アンダーライブ全国ツアー2017 ~関東シリーズ 東京公演~」(東京体育館)において、メンバーの士気を高め、獅子奮迅の活躍を見せ、ライブを大成功に導いた姿は、まさに『乃木坂46のジャンヌ・ダルク』です。

 僕の心配は完全に杞憂でした。ささやき声なんかじゃなくて、心の奥からの叫び声を聴く事が出来ました。『最少最弱』のアンダーライブは、ふたを開けてみれば、ダブルアンコールでは収まり切らないファンの熱いエネルギーを生み出しました。あの瞬間に立ち会えたことを、一乃木坂ファンとして誇りに思います。

 そして、何よりも、アンダーメンバーの熱い想いに触れることが出来ました。彼女達はただ漠然とアンダーでいるわけでは無くて、「アンダーとは?」、「何故、アンダーなのか?」、色々な自問自答を繰り返し、時に憤り、時に嘆き、答えの出せない現実に立ち向かっています。「感情をあらわにする事は格好悪い」、そんな風に思いながらも、涙を流しながら語る川後陽菜さんの姿に、僕の心は動かされました。アンダーライブの原点を、今回のライブで再確認できたと思います。心残りは、4月21日に行われた2公演目を仕事の都合上、観ることが出来なかった事。佐々木琴子さんの言葉を、直接聴きたかった。

 12人の最少メンバーという不安を、逆に強みに変えた今回のセンター企画『ファンタスティック3』は、非常に見応えがありました。各公演3人が4曲ずつセンターを務める企画で、今までは見えなかった姿を観ることが出来ました。特にソロパートは強く心に残っています。

 鈴木絢音さん。非常に初々しい歌声で、僕はポニーテールの彼女の姿に『初恋』(島崎藤村)を思い浮かべました。「まだあげ初めし前髪の~」。
 相楽伊織さん。ライブでの初めてのソロ歌唱。凄い上手! そして、上気して汗ばんでいる顔は本当に美しかった。
 能條愛未さん。貫禄のソロパート。先輩、一期生、さすが! ソロパート歌唱後に会場がどよめきました。
 山崎怜奈さん。16thシングル期のアンダーライブの頃から思っていましたが、ダンスが上手で目を惹きます。手足の長さを上手く個性として生かしているのだと思います。
 和田まあやさん。表情が男前。斜めにかかる前髪がカッコよかった。乃木坂のピカソ、凡人には予想できないビックリ箱。
 斎藤ちはるさん。ひたむきに頑張る姿を見ています。だから、「君の名は希望」の歌声がストレートに心に刺さり、涙があふれました。
 伊藤純奈さん。今、ちょうど殻を破った時。成長の瞬間をアンダーライブでも観ることが出来ました。
 川後陽菜さん。最後のMCが全てです。言葉にしなければ伝わりにくい事があって、彼女のパフォーマンスだけでは、彼女の想いにまでは気付けませんでした。彼女の『カッコ悪さ』は、本来、内に内に秘めた想いでしたが、それをさらけ出した姿は最高に『カッコ良い』と思います。

 ソロパートを観ることが出来なかった2公演目の3人について、もしよろしければ僕に教えて下さい。

「次回アンダーライブ」

 個人的にもう一度渡辺みり愛さん座長のライブを観てみたいという気持ちはありますが、それは許されることではありません。慣例に従い、夏の18thシングルでは、みり愛さんは選抜メンバーとなるでしょう。それだけのことはやってのけたと思います。もしそうなれば、次期アンダーライブでは、別のメンバーがアンダーセンターです。そこにはきっと、また別の世界が広がっています。せっかく良いものを作り上げても、安住する事は許されない、それがアンダーライブです。

 アンダーライブには積み重ねがあります。一から作っているわけではありません。それなのに成功は約束されていない、むしろ、常に崖っぷち。失敗したら次は無い。

 今回のライブは伝説的なライブでした。最上のライブでした。だけど、次回のアンダーライブは、当然のごとく、今回以上のライブが求められます。アンダーライブには完成形はありません。常に上を目指す事が求められます。アンダーライブは永遠の未完成なのです。

Sagrada Familia, Barcelona
 

「アンダーライブに求められるもの」

 アンダーライブはアンダーメンバー『が』やるライブではなく、アンダーメンバー『にしか出来ない』ライブであってほしい。今回の様に『心の叫び』が聴けるライブは、アンダーライブならではと思います。だけど、次回も同じでいいのか?

「変革せよ、変革を迫られる前に。」(ジャック・ウェルチ)

 本質的な部分においても、新しいものを求められる、それがアンダーライブの宿命です。
 
 だけど、だからこそ、面白い!

「彼女達の姿は」

 アンダーライブは「逆境から生まれたコンテンツ」。メンバーは常に逆境に立ち向かわなければいけません。その彼女達の姿を『ライブという表現型』で僕は目撃しました。僕は今回の彼女達の姿を心に刻んでおこうと思います。自分の人生、いつも順風満帆なわけはなく、逆風に苦しむこともあると思います。そんな時に、彼女達の姿を思い出します。彼女達の姿から、自分が少し前に進むための勇気をもらいます。いつの日か、その勇気が僕を救ってくれる。

愛が破けて
しゃべりすぎてる
ずっと 溜めた僕の怒りに
背中 丸め 俯きながら
独り言吐き捨てる
そんな自分に
興奮してるそのうちに
感情 膨らみ
強くなって飛べるはず

乃木坂46『風船は生きている』

 
 ありがとう、アンダーライブ
 ありがとう、アンダーメンバー

筆者プロフィール

Okabe
ワインをこよなく愛するワインヲタクです。日本ソムリエ協会シニアワインエキスパートの資格を持ちます。乃木坂との出会いは「ホップステップからのホイップ」でした。ファン目線での記事を書いていきたいと思います。(ツイッター「Okabe⊿ジャーナル」https://twitter.com/aufhebenwriter

COMMENT

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  1. Okabe様

    本当に熱く、最高のライブでしたね。
    私は土曜の昼公演に行けなかったので、まあや、伊織、純奈へのコメントは非常に参考になります。
    Okabe様ほどの文章力がないので、読みにくいかもしれませんが、以下、私がみたメンバー別の感想です。
    (ファンタスティック3は3つの演出パターンがあり、ダンスを見せるA、可愛くてノリの良いB、ソロ歌唱パートが多いCと以下記載させてもらいます)

    れなち。初日のA担当。学業の関係で休業していたこともあり、パフォーマンスに関して最も遅れをとっていたと思うが、今回、最も大変なAを他のA担当と比較しても遜色ないくらいに仕上げてきた。みり愛がMCで話していた通り、相当練習したはず。今回フロントとしての責任を十分果たせていたと思う。
    ちはる。初日のB担当。歌、ダンスともに上手なメンバーなので、本来であればAかCを担当してほしかったが、2期生に譲ったのかもしれない。ただし、表題曲コーナーでの「君の名は希望」の安定感は流石。
    絢音。初日のC担当。今回、最も印象が変わったメンバー。ダンス、歌、ルックス全部がアイドルしている(ひめたんに近い)。こんなに弾けている彼女を見たのは初めて。次のアンダーセンターとしてパフォーマンスを見たくなった。
    ろってぃー。2日目A担当。歌、ダンスとも流石の完成度。ラストのコメントで話したいことがあったのだろうが、話せないもどかしさを感じた(運営から止められているのだと思う)。個人的はライブに欠かせないメンバーなので、苦しいだろうが頑張ってほしい。
    琴子。2日目B担当。パフォーマンスに関しては、無難にまとめていたと思う(かなり練習を頑張ったはず)。それよりも、ラストのコメントで、この日の主役となった。あんなに感情的に話す琴子は初めて見たので、正直驚いたが、今後の彼女に期待したいと思った人は多いと思う。
    かりん。2日目C担当。ソロパートの力強い歌声、非常に気持ちよく聞かせてくれる。また、全体を通してMCの安定感は抜群。最後のコメントでの、「アンダーだって夢を叶えられる」の言葉に、共感しているメンバーや観客は多いと思う。与えられたポジションでベストを尽くすという彼女の一貫した姿勢には頭が下がります。
    みり愛。千秋楽A担当。本編での「嫉妬の権利」と「インフルエンサー」でのパフォーマンスが特に印象的でした。嫉妬ではしなやかに美しく(万理華っぽい)、インフルではキレッキレのダンス(生駒っぽい)。元々ダンスはうまいが、昨年の後半から、明らかにパフォーマンスが進化している。
    川後。千秋楽B担当。パフォーマンスが得意なメンバーではないので、Okabe様が書いたように最後のコメントが印象的。2日目も泣いていたので、今回のライブでは何か強く思うところがあったのでしょう。
    じょーさん。千秋楽C担当。舞台上では無敵。歌はうまいし、歌っている姿も美しい。また、最後のコメントで、自分が舞台2つで多忙なことに一切触れないところに、彼女のプロフェッショナルを感じた。

    すいません、あくまでも個人的な感想なので、的外れな部分もあると思いますが、ご容赦ください。

  2. 本当に心が揺さぶられるいいライブでした。
    力をもらいました。

  3. 次回アンダーライブ、
    希望としては、もう一度みり愛センターのライブも見たい。
    欲を言えば、蘭世センターのライブも見たい。
    合わせるなら、ダブルキャストでの公演が見たい。
    ・1公演内で前後半、色を変えてみる。
    ・1日目/2日目、または、昼公演/夜公演で、色を変えてみる。
    などなど

    最近の選抜メンバーについて、舞台のお仕事が増えています。
    舞台は舞台で良い味があるのですが、
    (個人的には、いくちゃんがそのまま卒業するのでは、、、と心配しています)
    今年の夏、全国ツアーはやらないのでしょうか?
    そう思える公演日程が公開されていますが・・・

    それに、今の選抜に求められるもの。
    「今までの選抜曲をいかに歌い続けるか」

    黙っていても18枚目シングルはリリースされるでしょうが、
    誰をセンターにするか、の前に、
    誰が歌い続けるか。
    その答えが出れば、
    次のアンダーライブは、新たなセンターを立てて、
    また熱いライブが見れるだろうと思います。

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