Nogizaka Journal

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乃木坂散歩道・第154回「別の『青空』へ」

 9月12日、この日公開された「何度目の青空か?」のMVを繰り返し見ている最中に、乃木坂メンバー3人の卒業(活動自体も含めて)が発表されました。だからなのか、「何度目の青空か?」を聴いていると、3人へのメッセージソングに聞こえてしまうのです。

https://www.youtube.com/watch?v=5OlxVvGCpdc

「俯瞰(ふかん)という視点」

 この曲に対する僕の印象は、『若者へのメッセージ』です。それを一言で言ってしまえば、歌に出てくる「今の自分を無駄にするな」という言葉に集約されます。
 若い時にしか出来ないこと、若い時にやるべきことって沢山あります。若い時に頑張ったから、今、大人になってから見える景色というのがあります。
 この曲は経験ある大人から、前途ある若者に向ける『俯瞰という視点』を僕は感じるのです。

 振り返ってみると、若い時には気付けなかったことってたくさんあります。その一つが、歌の冒頭に出てくる「閉め忘れた蛇口」という言葉から連想される、『蛇口から流れ続ける水』=”浪費している時間”です。それを多くの若者が気付きかけているのに、向き合うことのないまま時間だけが過ぎてゆき、若さを失ってから否が応でも気づかされるのです。”時間”を大事にしなければ、『何かが出来る可能性』をみすみす逃してしまいます。
 出来ない人の決まり文句『いつかやるつもり』の、いつかっていつでしょう? 『いつかはやるつもり』=『結局やらない』は大人ならばわかっていることです。そんな浪費できる時間は人生には無くて、そして、人生は永遠のように長いようで、実は短いのです。

 目を閉じて聴かなければいけないこと、それは、「君が出しっぱなしにしている音」。『無駄に過ごしている時間を自覚せよ』と言っているのです。それは「今の自分を無駄にするな」に繋がっていくことです。

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乃木坂46研究生公式ブログ「矢田里沙子#42 バジルは苦手だけどジェノベーゼは美味しかった!」より。©乃木坂46LLC

「青空」

 そんな、「今の自分を無駄にするな」というメッセージが込められた歌に登場する『青空』って何でしょう? 日常において、あまり『青空』を数えるということはしません。そこにはやはり比喩が隠されているのだろうと思います。
 その一つは『晴れ舞台』です。例えば乃木坂の活動であれば、『ライブ』、『舞台』、『メディア』等でしょうか。誰もが憧れる輝かしい舞台、羨望の眼差しを向けられる場所、若者が全力で輝いている姿、そんな風に見上げてしまう場所、それが『青空』です。

 二つ目の比喩は『大人=未来の自分』です。最初に述べたように、この歌には空から見下ろすような『俯瞰する視点』があります。だから、『大人』=『青空』です。ただし、ただの平凡な大人は青空とはいえないでしょう。『いろいろ経験し、選択し、時に困難を乗り越えた大人』が『青空』なのです。
 「時には見上げてみよう(晴れた空を)」という言葉は、『未来の自分が輝いている姿を想像してみよう』ということです。その姿に近づくためにも、「今の自分を無駄」にしてはいけないのです。

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乃木坂46研究生公式ブログ「山崎怜奈(。^_^。)43」より。©乃木坂46LLC

「別の『青空』へ」

 今、才能ある若者達が人生の分岐点に立っています。今まで、大勢の仲間たちと広い坂道を歩いてきました。でも、自分の意思で、一人で歩いていくことを決めました。その先の道がどんな道なのか、それはわかりません。
 でも一つだけ言えることがあります。『青空』はどこにだって広がっています。見つけられるかどうかは自分次第。『今の自分を無駄にしなければ』見つけられるはずのものです。
 伊藤寧々さん、矢田里沙子さん、米徳京花さんは、別の『青空』を探しに出かけて行きます。もしも、一人になって辛くて、涙が溢れ出たとしても、ちゃんと上を見れば、太陽は滲むことなく貴方達を照らしています。そして、君達はもっと強くなれるはずです。

 3人にはどんな『青空』が見えているのでしょう? どんな『青空』を目指しているのでしょう? 3人の人生において、その『青空』が素晴らしいものであることを僕達は祈っています。

 『君と僕は違う空を見ている』(「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」より)、でも、その空も、実はどこかでつながっていて、一つなのです。

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乃木坂46生駒里奈公式ブログ「京都個別握手会〜ヽ (・∀・)ノ」より。©乃木坂46LLC

筆者プロフィール

Okabe
ワインをこよなく愛するワインヲタクです。日本ソムリエ協会シニアワインエキスパートの資格を持ちます。乃木坂との出会いは「ホップステップからのホイップ」でした。ファン目線での記事を書いていきたいと思います。(ツイッター「Okabe⊿ジャーナル」https://twitter.com/aufhebenwriter

COMMENT

  • Comments ( 5 )
  • Trackbacks ( 0 )
  1. いつかやると言ってやらない若者の1人です。。
    言われてやれるなら簡単なんですけど、、嗚呼こうして時間を無駄に垂れ流している間にも定期考査は迫っているというのに…

  2. Okabeさんいつも素敵な文章をありがとうございます!

    視点がいつも限りなく透明感に包まれていてロマンティック
    な愛情が溢れ読んだ後に清々しい風に吹かれている様な
    気持ち良さにひたらしてくれます!

    寄稿いつも楽しみにさせてもらいます。

  3. 私も今になって青空を探し歩き始めました。この年 この時間になっても あの日の青空が見たくて❗
    そして伝えてあげたい、
    いつか君の目にも 清み渡った青空が広がるよ。頑張れ❗

  4. 自分の語彙力が乏しくてありきたりな表現しか出来ないのですが、
    本当に感動しました。

    前述の記事との連なり、未来への繋がり、青空は一つではないが必ずどこかでつながっているということが
    胸に響きました。

    自分は年齢が寧々ちゃんの1個上でこの記事を読んで、
    自分自身も試されているのかなと思いました。
    寧々ちゃんが選択した道なので、笑顔で温かく見送りたいって思っていたけれど、やっぱり寂しいです…
    明日、アンダーライブの千秋楽に幸運にも行くことが可能になりました。

    乃木坂46としての最後の寧々ちゃんの
    姿を目に焼き付けてきたいと思います!

    素晴らしい記事ありがとうございました‼︎
    そして、Okabeさん、べっしーさん本当に本当にありがとうございます!

  5. 昨日まで好きだったメンバーを急に嫌いにはなれません
    周りに同調してそうなろうとしたこともありますが
    人の心は天気ほどころころ変わらないのかも
    この曲を聴いてるときは何度も空を見ます
    富士登山の時のように晴れ渡る空が彼女たちの
    眼前に広がる日を切に願いながら

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