「NOGIBINGO!」連動番組のノギルームを見るために、Huluに加入しています。そのHuluに、「NOGIBINGO!5」最終回の放送後、突然、ひっそりと『ある動画』が追加されました。その名も「深川さん。」。
あるプロデューサー曰く、
ひな壇に座るあのメンバーの
リアクションを見ているだけで
酒が飲める。
なるほど確かに、深川さんのリアクションはずっと前からファンが注目していたところです。でも、それで「酒が飲める」とは考えたことがなかった。せっかくの機会なので、この素敵なスピンオフ企画に乗っかって、実際に動画を見ながら、お酒を飲んでみることにしました。
それでは何を飲みましょうか? 折角、「深川さん。」なのですから、深川麻衣さんのイメージに合うお酒を選びたいですよね。ビール? 日本酒? ウイスキー? 色々ありますが、僕はワインを選択したいと思います。
実は、深川さんをイメージした時に、一つのワインが頭に浮かんだのです。
「2002年ニュイサンジョルジュ・プルミエクリュ・クロ・デ・ポレ・サンジョルジュ・モノポール ドメーヌ・アンリ・グージュ」
長ったらしい名前で申し訳ありません。このワインはフランス・ブルゴーニュ地方で、ピノ・ノワールという葡萄品種から造られるワインです。ブルゴーニュ地方は世界一有名なワイン『ロマネコンティ』や、ナポレオンが愛した『シャンベルタン』、文豪デュマが「脱帽して、ひざまづいて飲め」と言った『モンラッシェ』などが造られる世界最高峰の銘醸地です。
このワインを選んだ理由を、ワインの紹介と共に語っていきたいと思います。
ワインはただ美味しく飲む『だけ』なら敷居は低いのですが、詳しく知ろうとすると、とたんに難しくなります。でも、ワインを知識も含めて飲むと、また世界が変わります。少々マニアックな話になりますがお付き合いください。
フランスのワインには厳格な『ワイン法』があります。ブルゴーニュ地方のワインは、一定の格付け以上のものに、ワインの名前に産地の村の名前をつけます。“ニュイサンジョルジュ”というのは村の名前なんです。ニュイサンジョルジュ村のワインの特徴は、『地道』、『真面目』、『誠実』かなと思います。
知名度の高いヴォーヌ・ロマネ村のワインは華やかで、繊細なワインが多いです。ロマネ・コンティなどの特級畑を従える、ワインラバー憧れの村です。一方、ニュイサンジョルジュ村はヴォーヌ・ロマネ村と比較すると、控えめで、静かな印象になります。ただ、ひたむきに、まっすぐにブドウと向き合い、ワイン造りに取り組んでいる。『清廉』という言葉がピッタリです。
プルミエクリュは日本語で言えば『一級畑』、ブドウ畑の『格』を示しています。ブドウ畑の格は、大雑把に分けると、『広域名』、『村名』、『一級』、『特級』に分けられます。
『特級』がブルゴーニュの最高位、ワインラバー憧れの畑になります。ところが、ニュイサンジョルジュ村には特級畑がありません。それゆえ、村のイメージとして、特級畑を数多く持つ、ヴォーヌ・ロマネ村の背後に隠れてしまった感があるのです。
ブルゴーニュといえばヴォーヌ・ロマネ村、表舞台、第一線に立つのはヴォーヌ・ロマネ村です。ニュイサンジョルジュ村はその背後に静かに控えている、そんなイメージです。
そんなニュイサンジョルジュ村ですが、ここにきて、特級畑を作ろうという動きが出てきています。今まで積み重ねてきたワインのクオリティーが認められた結果です。今まで、二番目、三番目に甘んじていたニュイサンジョルジュ村が、遂にブルゴーニュの『最前線』に躍り出ようとしているのです。
モノポール=単独所有畑です。格が高い畑には、その畑ごとに名前が付いています。このワインでは『クロ・デ・ポレ・サン・ジョルジュ』が畑の名前になります。その畑を一人(あるいは一家族、一社)だけで所有する時、単独所有畑と呼ばれます。
フランスでは相続税が高額で、畑を子孫に残したくても、税が払えない為、畑を分割して売りに出すという事が行われています。それ故、畑を単独所有するには大変な努力が必要です。モノポールとは、先祖代々大事にされた『歴史、伝統』があり、その希少性から、代わるべきものが無い『唯一無二』の存在なのです。
1900年代初頭のブルゴーニュ地方において、ブドウを造る農家と、ワインを造る醸造家は別々でした。そんな折、より良いワインを造り出すため、その分業体制を見直し、ブドウ造りからワイン醸造までを一貫して行う造り手(=ドメーヌ)が現れました。その造り手がアンリ・グージュ(初代当主名)なのです。ブルゴーニュのドメーヌ『最古参』であり、ドメーヌの指導的立場を務めたとされます。
ワインは語るのもいいのですが、やはり飲んでなんぼです。実際に飲んでみます。
このワインの色合いは透明感のあるルビー色、軽くオレンジがかっています。香りには、赤の花びらを感じる一方で、ミネラル感≒厳しさも持ち合わせます。攻撃的な厳しさではなく、内向的な、自分を律する厳しさです。口に含むと、酸味、タンニンがしっかりとあり、果実味あふれるワインです。ブルゴーニュ地方のピノ・ノワール特有の酸味がしっかりあり、女性的な『エレガンス』を感じさせます。また、タンニン(≒渋み)がしっかりしているので、ワインに『落ち着き』が感じられます。
このワインは2002年に造られました。既に13年の月日が流れていますが、その月日の長さを感じさせない、非常に『若々しい』ワインです。むしろ、飲み頃はまだまだ先で、これからワインのクオリティーがより一層向上することが予想されます。
このアンリ・グージュのワインのイメージを整理してみます。
『清廉』、『これから最前線へ』、『唯一無二』、『最古参』、『エレガンス』、『落ち着き』、『若々しさ』。
こんなところでしょうか。このイメージを『飲み』ながら、Huluの「深川さん。」を見てみました。
バックミュージックは「パッヘルベルのカノン」、クラシックです。華やか、かつ、落ち着きのあるヴァイオリンの調べです。一般的なものよりも、テンポを落として、より落ち着きと、静けさを演出していると思います。「深川さん。」製作者の意図は、心の高揚を求めているのでは無いとわかります。静かに、ゆったりと、落ち着きをもって、秋の夜長に楽しむ動画です。
そう考えると、赤ワイン、その中でもブルゴーニュ、ニュイサンジョルジュという選択は、決して悪くないと自画自賛です(笑)。ワイン自体も、完全一致とまではいきませんが、深川さんと重なる部分が多いんじゃないかと思いました。
深川さんの驚き、うなずき、ぷく顔、くしゃ顔、困り顔、照れ顔……、等々。見ているだけで幸福が訪れる、そんな動画と、深川さんをイメージしたアンリ・グージュのワイン、見事にマリアージュしてくれました。
ワインの良い所は、イメージが膨らみ易い所です。男性的なワイン、女性的なワイン、建物の様なワイン、自然をイメージするワイン、動物をイメージするワイン等々、ワインには沢山のイメージが詰まっています。今回は深川麻衣さんをイメージするようなワインを提示させていただきましたが、如何でしたか?
ワインをゆっくり楽しめるようになると、世界が変わって見えるようになります。ワインを飲むという事は、ワインだけを飲むにあらず、知識と時間と想いも含めて飲むという事なのです。秋の夜長に、皆さんがワインの神秘に向き合うきっかけになったら幸いです。
こんなマニアックな記事に、最後までお付き合いありがとうございます。そして、ワインという深遠な世界へようこそ!
乃木坂&ブルゴーニュ好きなので、この記事ツボでした。
まいまいにニュイサンって確かに納得。とくにモノポール選ばれたあたりが憎いです。
じゃ、まいやんはやっぱシャンベルタンか、ななみんはコルトンシャルルマーニュだ…とかいろいろ考えてしまいました。
この企画メンバー全員分やってほしいくらい。
個人的にはあーちゃんでグロフィエのアムルーズを空けたいです。
すみません、こんな話出来る人他にいないので思わずコメントせずにはいられませんでした。
Okabeさん ご無沙汰しています。
このところOkabeさんの書かれる記事が減っている気がして寂しい思い
でおります。
お忙しいことだとは思いますがOkabeさんの浪漫の香り高い文章の大フ
ァンです。
いつでもお待ちしていますのでよろしくお願いします。
いつも素敵な記事ありがとうございます。
自分もつい最近「深川さん。」を見ました。
なんというか見てるだけでほっこりしてしまって推しではないのですが幸せな気分になりました。
自分はお酒が全く飲めないので、お酒を飲みながらという気分にはなれないのですがワインの色々なことが知ることが出来て楽しかったです。
深川さん、いい企画です
もう少し、長い映像ならじっくりと飲めそう