「もしも、未来に行けたとしたら、どうする?」
先日閉幕した舞台「じょしらく弐~時かけそば~」のチーム『ら』・『く』・『ご』、それぞれの公演を観劇してきました。今回、一番良かったと感じたのは、『シナリオ』です。まさに自分達の事が語られていて、自分達ファンへのメッセージの様に僕は感じました。
今、僕達が直面している事の一つ、『卒業』。色々なところで『卒業』が語られます。だから、嫌でも意識します、「自分の推しメンが卒業する時、何を思うのだろう?」と。
シュガースポット(劇中の5人組アイドルグループ)が歌う劇中歌「私たちの全て」に、こんな歌詞がありました。
君が笑顔でサヨナラくれた
それなのに私は泣いた
君もつられて涙流して
離れたくないわ
僕はこの歌を聴いた時、いつか訪れる『最後の握手会』が思い浮かびました。
覚えてる? 乃木坂を初めて知った日の事を。
覚えてる? 推しメンを見つけた日の事を。
覚えてる? 初めての握手会の日の事を。
でも、たどり着いたサヨナラの季節。
君が歌う姿、君が笑う姿、君が話した言葉、その全てを忘れはしない。その全てを忘れないことが、僕達の全て、僕達の存在意義。
僕達ファンの存在意義ってなんだろう? そう考える事が有ります。自分一人がいなくなったところで、推しメンの人気、ましてやグループの売り上げ等に関して、今の乃木坂46はびくともしません。
『今』風に表現するなら、僕達ファンは乃木坂の『フォルダー』を未来に運ぶ事が役割の一つかなと思います。
例えば50年後に『乃木坂のフォルダー』を開いて、
「あー、素敵な時間を過ごしていたなー」
と思い出す事。これが出来るのは、『乃木坂ファン』だけです。永遠というものは無いけれども、残るものは必ずある。
僕は落語に詳しくなくて、舞台の題材になった「時そば」という演目は全く知りません。それ故、「じょしらく弐」のシナリオを単純に、『未来の話』、『未来から今を見た話』と捉えました。未来≒卒業です。人生の卒業、推しメンの卒業、乃木坂ファンからの卒業……、色々な卒業があると思います。「時そば」という演目を使って、『卒業』を描いたのが「じょしらく弐」かなと僕は解釈しました。
50年後の未来のために(ちょっと大袈裟ですが)、今回の舞台、「じょしらく弐」のフォルダーを作ろうと思います。
僕の観劇順に、それぞれのメンバーの良かったところを綴ります。
斎藤ちはる公式ブログ「じょしらく千秋楽!チームく最高。(´>∀<`)ゝ」より。
斎藤ちはるさん(暗落亭苦来):【ポテンシャルNo.1】大学で演劇の勉強をしているちはるさん。「じょしらく弐」では、コメディエンヌとしての秘められた力を感じました。声の通りも良いし、あとは経験だけです。
佐々木琴子さん(空琉美遊亭丸京):【ハラハラドキドキ、応援したくなるNo.1】正直、棒読みの琴子のイメージはまだあります。でも、昨年と比べると大きく変化しました。アイドルファン目線で見ると、こういう成長が嬉しいんですよね。日替わりの創作落語を観させていただきました。
渡辺みり愛さん(波浪浮亭木胡桃):【僕の中でのMVP】2期生でポリン姫(舞台「16人のプリンシパル trois」の主役)を演じた2人のうちの一人。そう考えると、力量は有って当然ですが、今まで、観るチャンスが無かった。最初に観たチームということもあってか、一番衝撃を受けました。上手い! とにかく上手かった。脱帽です。
桜井玲香さん(防波亭手寅):【最大風速No.1】たった一言のセリフの素晴らしさで、心を掴んでいく演者です。その一言のためにかけられる努力はどれほどのものなのか? 興味深いです。
井上小百合さん(蕪羅亭魔梨威):【楽しんでる感No.1】3つの舞台の掛け持ちという離れ業。彼女にはその経験に基づく、異次元の余裕が有った気がします。だから、彼女自身が舞台を楽しんでいる様に見えました。それと、シュガースポットのシーン冒頭での、一人語りは迫真でした。あの『解散コンサート』のセリフは、彼女自身の気持ちがのって、強く心に残りました。
生駒里奈公式ブログ「らっ!」より。
中田花奈さん(暗落亭苦来):【The苦来】今回の「じょしらく弐」は、前回に比べてキャラクター色が薄かった気がします。むしろ、シナリオ重視というか。それでも、中田さんの苦来はキャラクターを大事にしていたと思います。2年連続同役というのも強みでしょう。
生駒里奈さん(空琉美遊亭丸京):【煽りの上手さNo.1】『舞台』に不慣れな乃木坂ファンにとっては、マナーを意識しすぎて、必要以上に委縮してしまう場面が有ったと思います。on-offが上手く切り替えられないというか。そんな、僕達を上手くリードしてくれたのが生駒さんでした。生駒さんは観客を前にした時の強さがあるんだなと、あらためて感じました。創作落語を観させていただきました。
鈴木絢音さん(波浪浮亭木胡桃):【新鮮さ、PureさNo.1】個人的には一番注目していました。今回参加した2期生の中で、唯一、僕は舞台での演技を観た事が有りません。どんな、木胡桃を演じるんだろう? 個人的な感想ですが、新鮮かつピュアでした。久しく忘れていた感覚です。懐古主義と言われてしまうかもしれませんが、昔の乃木坂に有った感覚です。新鮮、ピュア、無垢、真っ白、そんな言葉が今一番似合うメンバーです。
松村沙友理さん(防波亭手寅):【素、自分No.1】松村さんは非常に強い個性の持ち主で、演じる役のキャラクターが少し薄れる印象があります。でも、悪い事ではないと思います。それも一つの武器でしょうし、自分を役に寄せるではなく、役を自分に寄せてしまう。そういう力のある個性だと思います。
能條愛未さん(蕪羅亭魔梨威):【Mr.じょしらく】能條さんに『Mr.』はおかしいかもしれませんが、だからと言って『ミスじょしらく』では意味が違います。「じょしらく」の象徴、そういう意味での「Mr.じょしらく」です。もしも、第3弾以降もあるのなら、全役制覇して頂きたい。そう思えるのは能條さんだけです。
北野日奈子公式ブログ「倒れてきた壁」より。
新内眞衣さん(暗落亭苦来):【2推し感No.1】正直に言います、出演全メンバーの中で、一番かつらが似合っていない(笑) 『命じゃんけん』のシーンで、4回連続で『命』をやったり、『納豆臭い』でいじられるなど、どうしても一推し感が出ていない新内さんでした。一推しの女は『納豆臭い』といじられたりはしません(笑)
樋口日奈さん(空琉美遊亭丸京):【宝塚感No.1】舞台経験者だからと思いますが、声の張りが良く、とても聞き取りやすい。他のメンバーとの差が大きいので、それが『宝塚感』に繋がっているのか、それとも、意識的なのか? いづれにしても、舞台経験がある事、それを自信としていることが、良く伝わりました。
北野日奈子さん(波浪浮亭木胡桃):【間違った時のかわいさ感No.1】木胡桃という役は、『かわいさ』のバリエーションを教えてくれます。全チーム観た中で、木胡桃のかわいいの個性を最大限に表現できていたのが、北野さんでした。その北野版木胡桃のかわいらしさの絶頂は、台詞を間違えた時でした(笑)
若月佑美さん(防波亭手寅):【引き出しの多さNo.1】舞台上で使える技としては、若月さんが一番持っている気がします。声の質、表情、所作、凄く細かい所で、色々なものを出し入れしながら演じている様に感じました。チーム『ご』としての完成度が上がった大千秋楽を見てみたかったメンバーです。周りのメンバーのレベルが上がってきた時、若月さんが引き出しから何を出したのか?
山崎怜奈さん(蕪羅亭魔梨威):【努力、頑張っている感No.1】2作連続での出演という事もあってか、ただ、上手く魔梨威を演じるだけではなく、何かプラスアルファを模索している様に感じました。ただの閃きとかではなく、山崎版魔梨威を練りに練って、試行錯誤して作り上げた印象を持ちました。
2066年5月、今から50年後の未来のその時に、手寅ちゃんのタイムスリップを想い、あの5人が繰り広げる、たわいもない会話を想像して、クスクスぷーって笑う事が出来たなら、僕達の『今』は、僕達が乃木坂ファンであることは、大切な宝物です。
今回のOkabeさんの記事を読んで、じょしらく弐の公演を観に行けば良かったと後悔しています。
去年は観劇したのですが今年は推しメンの日曜日公演が無かったため諦めてしまいました。
推しメンの出演していない公演でもきっと楽しめただろうなとこの記事を読んでしみじみ思いました。
この記事を読んで、改めて『卒業』という絶対に避けられないものを考えさせられました。とても面白い(=interesting)記事でした。
私もチームくを観に行きましたが、井上小百合は確かに舞台を楽しんでいたと思います。ただこれだけは言わせてください。井上小百合には余裕なんて全然なかったんです。モバメでは『経験者だから上手い』とか『経験者だから安定の演技』などと言われるのがとても辛い、という趣旨のことが書かれていました。お母さんにSOSを出していたくらいです。それを、経験に基づく異次元の余裕なんていう言葉で片付けないで欲しいです。それだけは分かっていただきたいです。
長々とすみません。これからも記事を楽しませていただきます。