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乃木坂散歩道 第21回「桐島って、だれ?」

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「桐島、部活やめるってよ」(2012)

 乃木坂46は「16人のプリンシパル duex」の稽古が始まっているようですね。今年のゴールデンウィークは乃木充な熱い時間を過ごせそうです。そんなプリンシパルをより楽しむために、今、何か出来ることはないか? そう考えて思いついたのは、映画「桐島、部活やめるってよ」(2012)をレポートすることかなと。

 プリンシパルの脚本は喜安浩平さん、「桐島、部活やめるってよ」で日本アカデミー賞脚本賞を受賞している方です。僕は映画、演劇に関して全くの素人で、脚本がどの様に映画にかかわるのか、それすらよくわかりません。なので、映画全体の雰囲気だけでも皆さんにお伝えできればと思います。

 まず、なぜ喜安さんがプリンシパルの脚本家に選ばれたのか? 日本アカデミー賞に選ばれた話題性だけという安易なものではないことは、映画を観ればわかります。プリンシパルには喜安さんが相応しいから選ばれたと思うのです。その辺の所から話を始めたいと思います。

 
 『ここから先は、映画「桐島、部活やめるってよ」の内容に触れます。これからこの映画を観ようと思っている方は、閲覧に御注意ください。』

 
 この映画、主役は誰だと思いますか? 「桐島、部活やめるってよ」っていうくらいだから、「桐島君」だと思いますよね? そして、予備知識がなければ、それを演じるのはポスターを飾る神木隆之介君だと思うはずです。でも、全然違います。桐島君は結局、最後まで登場しません。学校のスーパースターである桐島君、映画のタイトルにもなっているのに、その役を演じるキャストはいません。主役不在という、極めて個性的なスタイルの映画なのです。(形としては神木君が主演となっています。)

 この映画の特徴なのですが、登場人物それぞれの目線が描かれ、一つのシーンを違う人物の目線から見たものが、繰り返し流されます。なので、観客が登場人物の誰に感情移入するかで、人それぞれの主役が決まります。主役は観客が自分で決めるというシステムなのです。或いは、全員が主役、そう言ってもいいかもしれません。
 乃木坂46のプリンシパルは、まさにそういうミュージカルに思えます。メンバー全員に主役のチャンスがあると同時に、観客は推しメンを中心に物語を追ってみたり、あるいは、平等な評価をするために、全体を俯瞰するように見てみたり、自由な見方が出来ます。見る人によって主役が変わる、その日の観客によって主役が変わる。映画との共通点があると思います。

 そして、この映画には「透明人間」が登場します。見ていて思わず、「君の名は希望」のフレーズを思い出させる描写があるのです。「透明人間 そう呼ばれてた 僕の存在 気付いてくれたんだ」「もし君が振り向かなくても その微笑みを僕は忘れない」 
 おそらくですが、プリンシパルでは今回も乃木坂46の楽曲が使われるでしょう。その楽曲を上手く活かしてくれるのではないか、そう思わせてくれる、そんな世界観のある脚本だと思いました。
 
 これが僕が考える、喜安さんがプリンシパルの脚本家に選ばれた理由です。

 そして、次に、乃木坂46とこの映画の共通点、「やめる」ということに関して。
 この映画では、登場人物も観客も、桐島君には会えないし、何故、部活をやめるのかも明かされません。登場人物達と同様に観客もヤキモキすることになります。あーでもない、こーでもないと推測を繰り返し、憶測だけが広がり、そして、誰もがさみしさを感じます。親友と思っていたのに、仲間と思っていたのに、恋人と思っていたのに、何も相談されなかったみんな。そのちょっとさみしい感じが、映画でうまく描写されています。
 その状況って多分、乃木坂メンバーとファンの状況に近いように思えました。卒業した岩瀬佑美子さんの時のことではないのですが、いつかは訪れるメンバー卒業の時、全てをあからさまに語ってもらえるとは思っていません。メンバーのみぞ知る理由がある、そんな風になるんじゃないか? ファンってどうしてもそういう立場ですよね。メンバーのすぐ近くにはいられない。なんかさみしいのだけれど、受け入れなければいけない現実です。そういうところでも、近いものを感じることができました。
 
 最後に、この映画のまとめです。
 この映画を一言で表すなら「ひたむきさへの羨望」でしょうか。ひたむきな人間の言葉、その姿は、泥臭くって、自己満足で、勘違いで、意味不明で、それなのに、それなのに、カッコいいのです。心動かされるのです。
 そして、恋の描写、これは言葉では語れません。この描写を見られただけでも、この映画を観た甲斐がありました。そう言えるくらい、素敵な描写です。この映画には、他にも素晴らしい描写が沢山あります。この記事を読んでから映画(DVD)を観ても、楽しめること間違いありません。プリンシパルにむけてちょっと予習という気持ちで観ても、乃木坂46とは関係なく楽しめることを保証します。

 乃木坂46の試練としか思えない様々な活動を見ていくうちに、彼女達のまっすぐな姿勢に、感銘を受けると同時に、羨ましいという思いも湧き上がってきます。「ひたむきさへの羨望」、僕たちファンがメンバーを応援する原動力は、もしかしたら、この気持ちなのかもしれませんね。

 
 追記:深川さんのブログ『深川、部活やめるってよ。 * 408paces』で「桐島、部活やめるってよ」の映画について触れられています。ネタバレしない程度に内容を書きますとのことですが、主役が出てこないということをバラしちゃってますね。これって、ミステリーにおいては犯人を書いちゃうのと同じくらいネタバレだと思うんですが……。深川さんらしいエピソードでした(笑)

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筆者プロフィール

Okabe
ワインをこよなく愛するワインヲタクです。日本ソムリエ協会シニアワインエキスパートの資格を持ちます。乃木坂との出会いは「ホップステップからのホイップ」でした。ファン目線での記事を書いていきたいと思います。(ツイッター「Okabe⊿ジャーナル」https://twitter.com/aufhebenwriter

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  1. あしたTSUTAYAいこー

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