「ラバー・ソウル」(c)講談社
井上夢人の著書「ラバー・ソウル」。『ビートルズオタクの男がモデルのストーカーをする』、超端的にいえばそんな小説です。
※この記事は作品のネタバレを含む内容になっています。ご理解いただいた上でお読み下さい。
井上夢人さんは「オルファクトグラム」、「メドゥサ、鏡をごらん」などなど、沢山の素敵な作品を書いている、僕の好きな作家の一人です。最近、表題の本「ラバー・ソウル(Rubber Soul)」を読みました。乃木坂46において、最近、運営スタッフから「ファンのみなさまへのお願い」という形で警告が出ましたが、そんな最中に読んだ小説です。読んでいる間中、シンクロニシティーを感じて仕方がありませんでした。
延々と続くストーカーの話に、読んでいて正直、気分が悪くなります。でも、僕が読み続けたのはどうしてか? それは井上夢人という小説家が単に『オタクのストーカー』の話を書くわけがないと信じていたからです。案の定、最後に大どんでん返しがあります。そこに描かれているのは、人間の「存在理由」でした。
人生を何度も投げ出して、何度も死のうと試みた主人公、その根底には自らの『存在理由』を否定する悲しさがあります。でも、彼は見つけたのです、見つけてしまったのです、彼自身の『存在理由』を……。結果として死んでしまう彼にとって、自分の『存在理由』を見つけてしまった事は幸せだったのか?
たとえ死んでしまったとしても、彼は幸せだった、この小説ではそんな風に描かれています。『微笑んで』彼は死んで行くのです。『誰かのために』、そんな風に思えることが、彼が見つけた『存在理由』だったのです。たとえ、その『誰か』が殺人者だとしても。
この小説は歪(いびつ)です。でも、『誰かのために』という想いには『存在理由』があって、その想いを持てた人は強くなれる、そんなことを教えてくれました。
乃木坂46の話につなげます。『存在理由』のある行為=『誰かのために』、『推しメンのために』という事だと思います。ただ、『推しメンの為』であるからといって、全てが許されるわけではありません。
例えば『推しメンタオル』、『推しメンうちわ』といった応援グッズ。これらのアイテムはイベントを盛り上げるのに一役買っています。メンバーも自分のファンを見つけると喜びます。反面、まわりの人の視界をさえぎるなど迷惑行為につながるアイテムです。どう共存したらいいでしょう? こういう行為はファンの間で、あるいはメンバー、運営も巻き込んで議論をすればいいだろうと思っています。
僕から一つ提案するならば、ライブ中に『推しメンタオル、推しメンうちわタイム』を設けたらどうでしょう? その間はみんなで掲げる。そして、メンバーは自分のファンを探す時間です。
『誰かのために』という気持ちのある行為であれば、柔軟にバランス感覚をもって議論していけたらいいですよね。
一方で、自分のためでしかない行為、これはファンとして厳しい目を持つべきです。ファンの中での自浄作用ということです。
運営側が警告を発した行為をするようなファンは、乃木坂メンバーにとって『存在価値』はあるでしょうか? もちろんありません。その『誰かのために』は実は『自分のために』ではないか、ファンであるならば冷静に考えていただきたいと思います。私利私欲のためでしかない行為は、いついかなる時も、その人に『存在理由』を生みだしません。そんな人生、つまらないですよ。
『存在理由』を見つけられた人は強いです、輝いています。それが、仲間内でも、学校でも、仕事場でも、社会でも。自分の『存在理由』を見つけること、見つけようとすること、それは、人生における大きなテーマの一つです。
もしこの記事を読んでいる皆さんの周りに『自分のために』に囚われた知人がいたら、もっと素敵な世界があることを教えてあげて、その世界へ導いてあげてください。『誰かのために』という世界へ。
ファン、運営、メンバーのそれぞれが「隗より始めよ」という気持ちで乃木坂の活動に関われたら、きっと素敵なグループになります。みんな、素敵な時間をおくれると思うんです。
先日ラジオでオンエアされた「私のために 誰かのために」、とても素敵な曲ですね。この曲を聴きながら、この記事を書いています。
『誰かのために』、そこには『存在理由』があって、『誰かのために』って思える人は強くなれる、どんな時でも。
メンバーに夢中になるあまり、周りの人達の存在が見えなくなるような行動は、ファンとしても、人としても、危なっかしくて
周囲の他人を不愉快にする
行き過ぎた行動は愚行で、誰に対しても利得は与えなくて、害悪しか与えない
これが、最も顕著なのが、鉄道ヲタクで、彼等は、鉄道写真撮影のためなら、関係者以外立入り禁止の場所に入り
更には好きなはずの列車の運行を止めてしまう
アイドルヲタは、列車のダイヤを乱したりはしないが
イベントの進行を、台無しにしてしまうのではないかという不安を、主宰関係者達に、与えてしまう!
俺も井上夢人大好きだ
井上夢人の本の中で唯一読んでないのがラバー・ソウルだったので今度読もう
関係ないコメですいません