乃木坂散歩道・第159回「アンダーライブを前にアンダーを語ろう」

 アンダーはドラマチックである。常々そう思っています。特に2014年は大きな飛躍の年でした。そのアンダーメンバーが一丸となって臨む今年最後の大舞台、「乃木坂46 アンダーライブ セカンド・シーズン FINAL!~Merry X’mas “イヴ” Show 2014~」を前に、アンダーについて語りたい! 今回の記事はアンダーを応援する視点で書いていきたいと思います。

「格差が生み出す力」

 10thシングルでアンダーのセンターに選ばれた井上小百合さんは、あまり『アンダー』という言葉は好きじゃないみたいですね。10月29日のブログでアンダーライブの挨拶を振り返った時、こんなことを書いていました。

それから「アンダーメンバー」という言葉も一度も使いませんでした。

ここに立っている以上、誰のアンダーでもないし
乃木坂46の一員ということにポジションなんて関係ない。
グループの為に頑張ってることはみんな変わりないし。

だから別に、アンダーって言葉を使う必要がなかったってだけなんだけどね。

選抜はこう、、
アンダーはこう、、
研究生とか福神とか

なんかそんなの悲しいじゃん。

頑張ってるの一緒なのに区別されちゃうの…

みんなで乃木坂46じゃん。

ファンの皆さんや、スタッフの皆さん、
みーんな含めて乃木坂46!

(井上小百合公式ブログ「ヽ(。・ω・。)アンダラ」より。)

 アンダーライブにおける『アンダー』という言葉の是非は置いておいて、中で頑張っているメンバーにとっては、『選抜』、『アンダー』っていう区別は残酷なんだろうと思います。想像でしかないのですが、ファンとして外から見て感じるよりも、きつい事なんだろうと思います。

 ただ、それでも僕は『アンダー』は乃木坂にとって必要なものであり、尚且つ、残酷だからこそ『アンダー』はドラマチックであると言いたいと思います。

 『差』のあるところには力が生まれます。電位差がある所には電圧という力が生まれ、高低差では位置エネルギー、立場、地位の差では権力が生まれます。選抜とアンダーの差の間にはどんな力が生まれるのでしょうか? 僕は『闘争心』、あるいは『向上心』という力が生まれると思っています。

 『成功が約束された努力は、努力ではない。でも、努力しても努力しても認められず、だから、努力しても努力しても迷い、それがどれだけ苦しいか? しかし、その苦しさの中からしか、人を感動させるものは生まれない』。
 アンダーライブの感動の源、それはメンバーの葛藤、涙、汗。ファンはアンダーの背景(の表層)を知るほどに、彼女達のパフォーマンスに心を動かされるのです。


 多分ですが、最初は本当に『選抜』のためのアンダーだったんじゃないかと思います。選抜の控え、そして『選抜メンバー』が危機感を持つことが出来るようにするための存在。非情な大人の都合です。

 ところがこの一年で様相は一変します。僕は今後の乃木坂46全体の活躍の鍵は『アンダー』にかかっていると感じています。今までにない役割を持つようになるのではないか? そう感じています。

「アンダーは乃木坂の救世主」

 僕は来年の乃木坂紅白出場の鍵を握るのは『アンダーライブin武道館』の実現だと考えています。
 今年の乃木坂において、紅白内定とまで言われた活躍の最大の場は神宮ライブだったと思っています。デビュー3年目のアイドルが3万人を動員するなんて簡単なことじゃありません。ただ、同じことを来年やったとしても、紅白出場を勝ち取れるでしょうか? 今年以上のことをやらなければ『確実に』出場というわけにはいかないでしょう。東京ドームやさいたまスーパーアリーナでライブをやったとして、神宮ワンマンを上回るインパクトとなるのか? それは不透明です。

 もしも、アンダーライブが武道館で実現したら、これは結構なインパクトとなりませんか? “一般的に”乃木坂の2軍と捉えられがちなアンダーメンバーだけで武道館を満員にして、しかも、大成功をおさめたとしたら……。一般の人の評価としては、選抜あるいは乃木坂全体のライブならどれだけ凄いんだ?って興味を持ってもらえると思います。

 それともう一つ。アンダーライブin武道館が成功し、尚且つ紅白出場も果たせたならば、『全員で紅白』に何のケチもつかないと思います。選抜だけで紅白ではありません、『乃木坂46全員で紅白』です。この展開、ワクワクしませんか?

 メンバーはあまり望まないかもしれませんが、乃木坂46から紅白に『選抜』、『アンダー』の2グループ選出、それ位、壮大な目標をもっても良いのではないかと思います。乃木坂46としての一体感を醸成しながら、互いに切磋琢磨し合い、乃木坂46全体の向上を図るのです。そんなことは前代未聞ですし、課題も多いですが、僕は今年一年のアンダーライブの盛り上がりを見ると、悪くない考えだと思ってしまいます。そんな夢を見せてくれるのが、アンダーライブの魅力の一つだと思います。

「有明は新たなスタート地点」

 『可能性』、アンダーライブにふさわしい言葉です。アンダーライブを見ていて、いつもワクワクするのは、「次はどうなるんだろう?」と期待させてくれるからです。そう思わせてくれるのは、アンダーライブが『可能性』に満ち溢れているからです。

 有明コロシアムのライブは2ndシーズンのFinalという位置付けですが、今までのアンダーライブの集大成というだけではダメだと思います。集大成+α、つまり次への予感を感じさせて欲しいと思います。
 有明が終着点では、あるいは有明で満足しては、『所詮アンダー』という見られ方からは抜けられません。次のステップに進んで欲しい、それが僕のアンダーライブへの願いです。

 次への予感、次への可能性、それが感じられたなら、有明でのアンダーライブは成功と言えるのかなと思います。


 ここまで散々『アンダー』と連呼してきました。ところが、アンダーを語ろうとすると、愕然とする事実に突き当たります。アンダーメンバーって誰? アンダーの中心的役割を果たしているのって誰? 乃木坂46はシングル毎に選抜メンバーを入れ替えるので、当然、アンダーメンバーも入れ替わります。『アンダー』って、かなり曖昧なものなんです。

「アンダーって、なに?」

 そんなアンダーのセンターは、アンダーメンバーの「顔」として中心的役割を担っていると思うのです。例えば、アンダーライブにおいて、最新曲の表題曲のセンターはアンダーのセンターが務めることが多かったと思います。一方で、アンダーメンバーの中で最も選抜メンバーに近いのはアンダーのセンターとも言えます。アンダーのフロントは期待の表れと受け取られ、センターになると次の選抜入り候補筆頭みたいな期待を持たれます。
 アンダーのセンターはアンダーの中心だけど選抜に一番近い存在、この矛盾を抱えた、『アンダーとは何か?』を考えてみたいと思います。

 以前のアンダーメンバーの努力というのは、自分が選抜に上がるためのものだったと思います。アンダーライブが始まって、少し努力の方向性が変わってきました。勿論、選抜になるためという理由もあるでしょうが、アンダーでの努力は次のアンダーのため、そういう方向性も生まれてきました。アンダーライブという素晴らしい舞台を途切れさせないように、次のアンダーライブにつながるように、そんな想いが生まれたと思います。

 僕は今のアンダーメンバーの姿を見ていると、駅伝競走の襷(たすき)が思い浮かびます。何のために努力をするのか? 何のために苦しい思いをするのか? それはすべて、次の走者に襷をつなぐため。沢山の汗、涙、苦しみ、想いが詰まった襷を次につなぐため。
 アンダーライブでは、メンバーがその時出来る最高のパフォーマンスを見せてくれました。そのパフォーマンスは自分達のためでもあり、ファンのためでもあったけれども、あの会場を包んだ沢山の想いが詰まった『熱気』は、まるで駅伝の襷の様に、今につながっています。

 アンダーは中心的役割を担うであろうアンダーセンターが選抜に近いということで、矛盾を内包するため、明確な線引きが出来ず、曖昧で儚い存在ではあるけれども、『想い』は明確に存在していて、それはまるで駅伝の襷リレーを見ているかのようです。

 『アンダーとは、乃木坂46の襷。次へつながる想いを託すもの』、僕はそう考えています。

「宿題!」

 12月12日はアンダーライブ2ndシーズンFinal! 

 宿題!

 ・アンダーライブ参加のきっかけは?
 ・推しメンは誰?
 ・アンダーライブのどこが好き?

 隣の席の方との会話に困った時に使ってください。

 持ち物チェック

 ☐ライブチケット
 ☐身分証明書
 (☐トレード用の写真等)
 (☐グッズを買うためのお金)
 ☐推しに対する愛
 ☐推しメン色のサイリウム
 ☐「乃木坂の詩」用の紫色のサイリウム!

 
 次につながる彼女達の想い、見届けましょう!

筆者プロフィール

Okabe
ワインをこよなく愛するワインヲタクです。日本ソムリエ協会シニアワインエキスパートの資格を持ちます。乃木坂との出会いは「ホップステップからのホイップ」でした。ファン目線での記事を書いていきたいと思います。(ツイッター「Okabe⊿ジャーナル」https://twitter.com/aufhebenwriter

COMMENTS

  1. アンダラの中心は もちろんライブの舞台に立つすべてのメンバー あとは 客席に座る 僕たち 光る棒を持った観客たち

    アンダラでは隣に座った初対面の人とも毎回 笑顔で会話出来ます。

    メンバーもファンもみんな仲間だからね。

    有明アンダラファイルのアンコールみんなで紫色に染めましょう。

  2. 「アンダーって、なに?」というのは前々から感じてましたが、一つの答えを聞けて良かったです。

    アンダーライブは渋谷O-EASTから行ってますが、どんどんみんな成長して進化してますよね。たった1年でこんなことになるとは思ってませんでした。早くも歴史を感じますね。

    最後かなりん風で終わってるのが、かなりん推しとしては嬉しいです。持ち物全部揃ったので、あとは当日遅刻しないようにするだけです。みなさん一緒に沸きましょう!

  3. 今年の5/3の
    アンダーライブから、参加してます。最初は、まだまだ だったパフォーマンスも、回を重ねる度に、進化してますね。ブルーシアターの、一体感が、大好きですが、確かに、進化しないと、これ以上進め無いのかもしれないですね。有明コロシアムのライブで、更に上に進める証明を、して欲しいですね。
    アンダーメンバーなら、出来る筈。
    期待してます。

  4. By 記事の終わり方がおしゃれカナ?

    ステージサイド席ですが、とても楽しみにしています。自分が注目しているのは、生歌かどうかです。有明コロシアムに会場が変わって、どうか?生歌だったらうれしいなぁ。
    ひとつ心配なのが、寒さですね…でも、それを吹き飛ばすくらい楽しみたいですね!!

  5. 興味深く読ませていただきました。明日遠征で参加しますが、改めて楽しみになりました!!

  6. 『アンダーライブin武道館』の実現については考えさせられますね。

    乃木坂は2チーム分の人数しかいないのから酷ですよね。3チーム分ぐらいの人数がいれば「選抜」の意味もまた違ったものになっていたでしょうに。

    歌番組などには全員で参加するわけにはいかないので、「選抜」「アンダー」みたいなチーム編成はある程度は仕方ないかもしれませんが、固定化を前提にして考えるのは何かしっくりしないんです。アンダーライブを目標とすることで確実にパフォーマンスは向上するでしょうが、彼女らはダンスユニットではなくアイドルですからね。厳しい世界に飛び込んだ以上「アンダーとして」だけではモチベーションを維持するのは難しいでしょう。

    先日の大阪や名古屋でのライブでは「レアケース」で東日本出身、西日本出身みたいにメンバーを分けてみたようですが、ライブに限らずこういう形をもっともっと増やしてもらいたいですね。年齢などで区切ってみるのもありでしょう(遊び心で血液型や星座なんかで分けてみるとかも)。

  7. アンダーライブのチケットまだ買えますね
    (楽天チケット参照)
    満員の客席で彼女たちを迎えてあげたいものです
    参加できる方が増えるといいな

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