この記事は6月15日昼の部の「16人のプリンシパル trois」第21公演目に関して書きます。
初日から5公演目まで、9、11、12、13、15、17、18公演目の記事は「乃木坂散歩道」のアーカイブをご参照ください。
なお、この記事は公演中にノートにメモしたものを見ながら書いているのですが、どうしても書きとめられなかったもの、拾いきれなかったものなどを、皆さんのツイートで補完させていただきました(脳内補完もしています)。この場を借りてお礼申し上げます。参考にさせていただいたツイートはリツイートしたり、お気に入り登録したりと足跡を残させていただきました。
あと、とんでもなく長いです。一万字超です。
千秋楽昼公演において最大のサプライズだったかもしれません。1幕と2幕の間の投票結果集計中、舞台裏からの生中継に「ソニーの今野」さん(今野義雄さん)が登場しました。そう、本物です。カンペをカメラにかぶせてきたり、「キクチ、メガシャキ!」の台詞があって、佐藤二朗さんのパロディーのパロディーでした(マイナス×マイナスはプラスという事です)。話した内容は「2週間にわたるプリンシパル公演ありがとうございます」的なものだったと記憶しています。
それにしても、その後で出てきた橋本奈々未さんの言葉が辛辣で面白かったです、「皆さん優しいですね、ブーイングが飛ぶかと思ったのに。あれが本物でした」。カンペを持っていたのも本物の菊地さん(マネージャー)だそうです。
僕個人としては、こういう遊び心大好きです。
ポリン姫役:決意表明ピックアップ
松村沙友理さん、「ポリンが自分には合っている。松村にしかできない、みんなとは違うポリンを演じたい。」
堀未央奈さん、「3回目の挑戦、家ではわがままです」。
松井玲奈さん、「予定には入っていない役、そうだ、ポリンをやろうと思い立った。(脚本・演出の福田雄一さんに勧められた)」。
井上小百合さん、「ポリン姫の立候補はこれで最後、夜は別の役にします。初日に松井さんには負けているので、これで勝てたらカッコいい」。
生駒里奈さん、「『生駒血迷ったな』とお思いでしょうが、何故立候補したかというと、このプリンシパルで演技が楽しいと思った。千秋楽で(ポリンに)挑戦しようと思った。以前のねちねち言い訳して(ポリン姫の様な主要な役に)立候補しなかった自分をたたきつぶす」。
コントは『銀行強盗』:犯人役は井上さん、棒読み的キャラ。
支店長役は堀さん、不良なキャラで「強盗っすか?」。
行員役は松村さん。キャラはそのままで強盗に「さゆりんごパンチ」。
おじいさん役は生駒さん、「あご出しているのではなく、出ているの」。
吉岡役は松井さん、出番が後半で不利な役です。
このオーディションでは松村さんが選出されるのですが、決め手はコント終盤での松村さんの『Y字バランス』じゃないかと思います。台詞が終わってしまった松村さんが突如『徹子の部屋』のオープニングを歌い始めます。「ルールル、ルルル、ルールル」、そして、『Y字バランス』をしようとします。出来ないんですけどね。
それと、決意表明での「みんなとは違うポリン」に興味を引かれたのもあるのかもしれません。どんな2幕になったのか?、後述します。
ロザリオ役:決意表明ピックアップ。
川後陽菜さん、「何度も立候補しているロザリオ、今日は入りたい」。
永島聖羅さん、「日本負けてしまいました」(舞台が始まると会場内はネットが繋がりにくく、ここで初めて結果を知った観客もいたでしょう)。
斎藤ちはる、「でっかい身長で、立派な父親を演じたい」。
伊藤純奈、「今回でサヨナラなんです」。二期生純奈さんの千秋楽。
コントは『取り調べ』。
犯人役、永島さんは鼻くそをほじるキャラ。「それなら食べる」の台詞の後に、御飯ではなく鼻くそを食べる。
ゴリさん役(刑事1)、純奈さんは永島さんの強烈キャラに引かずに、「キモイ」を連発。「ほんと気持ち悪い!」。
刑事2役、ちはるさんは永島さんの鼻くそに反応して、「何をこねているんだ?」、「何をネチョネチョ、ウォーのびてる」。
刑事3役、川後さんはブリッコキャラ。
クリスティーヌ役:決意表明ピックアップ
西野七瀬さん、「日本は初戦で負けてしまいましたが、私も初日2幕に進めませんでした。(でも、日本が最後いい結果であるように、私も最後いい結果で終わりたい)」。
北野日奈子さん、「10役達成まであと9役です、頑張ります」。
和田まあやさん、「ハロー(で耳を澄ます)」→会場から「ハロー」、「和田まあやです。2幕ではみんなを夢の国に連れて行きます。ハピネス!」。
コントは『入ってくんなよ』:他人役の和田さんは、入っていかない時は会場に手を振っています。特に前の方の席の観客はまあやさんに気を取られます。
友人1役、西野さん「なんで入ってくるんですか、やめてください」の台詞の時に、他人役和田さんの袖を掴みます。うまく説明できませんが、ブリッコの『イヤイヤ』の仕草です。
コントで歌う歌は「ハトぽっぽ」。西野さんらしい選択で、これに和田さんがかぶせてきたのは、ハトの鳴きまねで歌(の様なもの)を歌っていました。
決意表明が面白かった北野さんか、会場に手を振って遊ぶ和田まあやさんか、超可愛いしぐさの西野さんか、迷いました。
エルザ役:6人の激戦区、3+3に分かれてのコント。
決意表明ピックアップ。
中元日芽香さん、「中元日芽香です。みんなからは(で耳を澄ます)、(観客とメンバーから)『ひめたん』、って呼ばれています。21公演目にして、変化球をやってみました」。
伊藤万理華さん、「激戦区ですが、コントを楽しみたい」。
衛藤美彩さん、「衛藤美彩です。みんなからは(で耳を澄ます)、(会場から)『ビー玉BBA』、って呼ばれています。去年のプリンシパルが7役制覇で、今現在が7役制覇で、ここで勝って去年の自分を越えたい」。
秋元真夏さん、「んー、まなつまる」。
能條愛末さん、「んー、あみまる」(武士の様な言い方で)。「2幕に出られたら、演技で日本を動かす」。
川村真洋さん、「んー、ろてぃこまる」。「6人の激戦区でろってぃが選ばれるという奇跡を起こしたい」。
コント前半は『監督』:監督役は万理華さん。こわい系のキャラで「もっと攻めていいよ」。女優役の衛藤さんに(ワオキツネザルの鳴き声を)「勉強しとけよババア」と、「ババア」連発。
中元さんは俳優役、女優役の衛藤さんへの台詞、「もうババアは愛せない」。
コント後半も『監督』:能條さんはジャンケンが弱いそうで、今回も役決めのじゃんけんで、遅出しで負けていました……。
監督役は秋元さん、幼稚園の先生の様な感じのキャラです。(ワオキツネザルの鳴き声を)「ちゃんと勉強してね♡」。
俳優役は能條さん、井上陽水のモノマネで、「ごめん、別れてくれ」。
女優役は川村さん、大げさな人キャラです。
観客も何度も観ているコントなので、笑いのハードルが上がっています。そこで、川村さんが台詞の前に「ちゃんと笑ってね」と”観客に”前振りをします。で、川村さんの台詞、ワオキツネザルの鳴き声「ほぉー、ワッ」で”能條さん”が「あっはっはっはー」と井上陽水さんで笑うのです。このシーンが選出の決め手だったと思います。
能條さんが激戦区を制しました。
キャサリン役:5人立候補、2+3に分かれてのコント。
決意表明ピックアップ。
樋口日奈さん、「学校の規則を破ったことが無い真面目な私が、厳しいキャサリンを演じたいです」。
斉藤優里さん、「私も学校の規則を破ったことがありません」で会場から厳しいツッコミ。
矢田里沙子さん、「先週ベル役をやることが出来たけど、今日ベル役にしてたらラッキーガールだった(本日ベル役立候補者なし)。今日にしておけばよかった。」
新内眞衣さん、「13回目の挑戦、キャサリンがやりたい」。
若月佑美さん、「2幕のキャサリンはやりがいがあった。ベル役も2回やっていて、ベル役出来ますアピール(ベル役は立候補者なしなので、出演者全員から一人を選ぶというシステム)」。
コント後半は『ケチーズX』:リーダーは矢田さん。訛りのあるキャラ。この時の矢田さんを見ていたら、『あまちゃん』の宮城県出身のGMTメンバー『小野寺薫子』に似ている気がしました。
メンバー2役は若月さん、YOUさんのモノマネで「今日の朝ご飯はテラスハウスでもらったロケ弁です」。「静岡から泳いできました」。
メンバー3役は新内さん、幼稚園の先生?ギャル風?なキャラで「埼玉からヒッチハイクで来ちゃった」。
このコントで秀逸だったのは、本来はケチなので『ギャラが発生しない』設定だったのですが、矢田さんの台詞「ギャラはYOUさんだけが~」、それをうけて、若月さん「私(YOU)がギャラ発生しちゃうみたい」。
若月さんが選出されるのですが、矢田さんもGJです。
マキア役:決意表明ピックアップ。
大和里菜さん、「今日も大和里菜です。明日は橋本奈々未に……、千秋楽なので、いつかは橋本奈々未になりたいです」。毎回恒例となった「今日も~」。おそらく「(毎回橋本奈々未になりたいと言っているが、なれずに)今日も大和里奈です。」という意味なんだと解釈しました。
中田花奈さん、「いつも決意表明は、面白いことを考えて、メンバーは期待してくれているのだけれど、今日はネタ切れです」。
コントは『ステーキ屋』:客役は大和里菜さん、「どーん」。あんまり似ていないけど、強烈なキャラ、バナナマン日村さんです。中田さん「あの、もしかして、日曜の夜12時から、『なんとかって、どこ?』の司会されている方ですよね?」。
今回の決め手は大和さんの決意表明だったかなと思いました。素直に一番笑えたのがそこだったので。
ルイーダ役:立候補者の名前が出ただけで、今日一番のどよめき。エース、女優、申し子の三つ巴。
決意表明ピックアップ。
白石麻衣さん、「二人が来るかと思い、敢えて立候補しました。侍女狙いです」。
橋本奈々未さん、「こういう時こそ負けたくないです」。
生田絵梨花さん、「もー、やんなっちゃう! 全力で精一杯頑張ります」。
コントは『ケチーズX』:リーダーは橋本さん。メンバー2が白石さんで倖田來未さんのモノマネ「京都からチャリで来るやんかー」。メンバー3が生田さんでザキヤマさんのモノマネ「ヒッチハイクでくーるー」。
橋本さんはケチーズに苦手意識があるみたいですね。
エステル役:決意表明ピックアップ。
深川麻衣さん、サッカーネタにかけて「私もプリンシパルでゴールを決めたい」で、シュートのマネをするのですが、むしろまわし蹴りみたいな感じに。
齋藤飛鳥さん、「まいまいのエステル観たい、でも負けたくない。自分を捨てて頑張ります」。
星野みなみさん、「本気です。でも、ベル役覚えていないので入れないでください」。プリンシパルの台風の目、波乱の幕開けです。
畠中清羅さん、「みなみのエステルが観てみたい」をうけて星野さん「一緒にやろ?」。「畠中のエステル、相当怖いと思います」。
コントは結婚式:新婦役は飛鳥さんでオカマキャラ、「やめてよー」が上手にキモイ。
友人1役、深川さん新郎の名前を「(日村)勇紀さん」に。
友人2役、星野さんは怖い人キャラ。
友人3役、畠中さんは怖い人キャラ、だけど、「ラスベガス」を「ラスゲマス」と言ってしまう畠中クオリティー。
みんな頑張っているオーディションでしたが、コントが終わってから、飛鳥さんが号泣し退場。ちょっと理由がわかりませんでした。僕自身は飛鳥さんに投票したので、それなりに良いと思ったんですけどね。
前述したとおり、「ソニーの今野」さんが登場するというサプライズがありました。その後の展開を書いていきます。
橋本奈々未さんの辛辣な「ブーイング飛ぶかと思ったのに」のあと、橋本さんと今野さんのエピソードが語られます。
今野さんは乃木坂メンバーを選ぶ所から関わっている方。橋本さんは2次審査で初めて今野さんにお会いしたそうです。2次審査では橋本さんは遅刻をしてしまい(最初から兆候があったのですね)、汗だくでボロボロの状態でオーディションを受けたそうです。この時の姿を今野さんは見ていて、この時から、今野さんは橋本さんを『採りたい』と思っていたそうです。橋本さんは今野さんを「先見の明がある方」と表現されていました。
星野みなみさん:今回のプリンシパルでは侍女をいっぱいやった(11/22で侍女率50%、ちなみに10役は4+1/22、で2幕率16/22=73%!でした)。折角の生中継でしたが、「言うことなくなっちゃった」、星野さんはブレません。
西野七瀬さん:プリンシパルは楽しかったと。でも一方で、「明日からネタを考えなくていいのかと肩の荷が下りた」。
3人そろって、『明日からしたいこと』のテーマで、星野さん「寝たい」。西野さん「一日中家に引きこもりたい」。橋本さん「温泉旅行」、「畳に布団を引いて寝たい、The 日本的な」。これを受けて星野さん「みなみベッドがいい」。
ネタが尽きたので、テーマ『マイブーム』でトーク開始。星野さん「なし。パンは飽きた」。西野さん「今日の御飯(はなんだろう?)って考えること」。プリンシパル期間中は幸せと感じる閾値が普段より下がるそうです。例えばお弁当のおかずに好きなものが入っていたりするだけで、その日一日頑張れるだけの幸せをもらえるそうです。こういった『プリンシパル期間中に幸せの閾値が下がる』現象を捉えて、「プリンシパル病」と命名されました。
本日のベストバウトはパム役オーディションです。
今回のプリンシパルにおけるコントの戦略をいくつか分類しますと、①モノマネ系(メンバー、芸能人、アニメ等)、②キャラ系(モノマネではなく、怖い人、チャラい人、ブリッコ、老人等)、③設定変更系(後述します)、④台詞変更系(台詞をファンが笑える形に変更する)、⑤カウンター系(コントの相方の出方に合わせて台詞を上手く変更する)等がありました。
今回のパム役オーディションでは、桜井玲香さんは②+③、高山一実さんは②+⑤という形だったと思います。
コントはタクシーで運転手役が桜井さん。客役が高山さんでした。桜井さん、コント冒頭でいきなり設定を変えてきます。タクシーにおいては運転手は前、客は後ろというのが一般です。桜井さんは『チャラい男』を演じつつ、タクシーなのに、『男女のドライブデート』という設定を作り上げます。桜井さんの最初の台詞が「折角だから、(席)前に来ちゃいなよ」、そして、肩を組んで、「どこまで行っちゃう?」。塩対応の高山さんに、桜井さん「つれないなー」、「これから一緒に最高のドライブに行こう」。
『あらぶる』と評判の桜井さん、ここまでの展開で、完全に独壇場となったかに見えましたが、ここから高山さんの反撃が始まります。初めて新宿に行くので緊張しているという『うぶなキャラ』を演じている高山さん。チャラい男役の桜井さんに、最初は嫌悪感を見せ塩対応するものの、徐々に惹かれはじめ、「こういうのもいいかもしれない」、「ダメな男に惚れてきた」とダメ男に惹かれていく女性で主導権を握り、それを渡すことなくコント終了。実に見応えのあるコントでした。
モノマネ系が流行る中、いわゆる内輪ネタではないコントは乃木坂ファン以外にも受け入れられるものです。こういうセンスって素晴らしいなーって思いました。桜井さんの得意技、設定変更系、それに上手く合わせてきた高山さんのカウンター系。甲乙つけがたいオーディションでした。
高山さんが選出されたのは、やはり今まで積み重ねてきた2幕での活躍への期待票も大きかったと思います。コントだけで言えば桜井さんが選出されても不思議ではないとおもいます。ただ、正直言って、高山さんがいない2幕は寂しい気がするんです。多くの観客にそう思わせるだけのパフォーマンスを高山さんはしているのだと思います。
なので、たまたま高山さんが、面白くないコントをしたとして、それでも高山さんが選ばれるという現象が起こっても、僕はさほど驚きません(1幕で面白くない高山さんを観ることはなかったですが)。
ソニーのコンノさんが言う「誰を2幕で観てみたいか?」、そういう投票理由もプリンシパルのあり方です。
千秋楽につながる大事な結果です。珍しく感情を大きく表現したのは松村沙友理さん。涙とともにガッツポーズを見せてくれました。
立候補者がいなかったベル役、参加者全員から一人投票して選ぶシステムなんですが、「ベル役の台詞を覚えていないので投票しないでください」と言った星野さんが選出。泣きくずれてしまうものの、周りから、「台本持ちながらで良いよ」と慰められる。
覚えている限りのピックアップです。
生駒里奈さん「面子的に無理」。
橋本奈々未さん「2幕には自信がある」。
中元日芽香さん「得意技があるんですけど、やってもいいですか?」
川村真洋さん「んー、ろてぃこまる」。
斎藤ちはるさん「次が最後で、終わりよければ」。
伊藤万理華さん「BBA言い過ぎた、裏で全力で謝った」。
衛藤美彩さん万理華さんの発言を受けて「私が怖い人みたいじゃん、私も『この丸顔』くらい返せればよかった」。
伊藤万理華さん「(衛藤さんと)二人でなんかやれたらいいな」、中元さん「あたしもやるー」。
堀未央奈さん「(仲良しの)純奈が入って良かった。夜もポリンに立候補します」。
斉藤優里さん「千秋楽立候補してほしい役ありますか?」、(会場からの声を聴いて)「ポリン、マキア、ルイーダで検討します」。
賛否両論だったかもしれません。一方であれは舞台じゃないという意見も聞きましたし(あまりに台詞が飛び過ぎている)、一方で確かに松村ポリンだからこその舞台という意見もありました(アドリブが半端ない)。
客観的に見て、ポリン一行は、まあいろんなところに寄り道をしていました。それとは対照的に生田ルイーダは正統派です。シナリオ通りに進めつつ、アドリブもちゃんと入れつつです。王道のルイーダです。
もし、この最終日昼の部が最初で最後のプリンシパル観覧だとしたら、ちょっと『うーん』な舞台なのかもしれません。何度もリピートする中の一つであれば、逆に『大絶賛』かもしれません。『プリンシパル』に何を求めるかで、大きく評価の分かれる舞台だと思いました。カッコ良い言い方をすれば、良くも悪くも『問題作』です。
『個人的見解』を書きます。僕自身は、乃木坂のメンバーが『なんかやってる』だけで、『ワー』ってなる『都合のいい』乃木ヲタです。そんな僕的には、松村ポリンは大絶賛です。もっとはっちゃけてもいいと思うくらいです。『いやー、面白かったなー、はははっはー……』です。非常に記憶に残りやすい舞台でした。
松村さんの言う「私にしかできないポリン」は何だったのか? 一つは『大阪弁』でした。台詞を極力(完全ではない)大阪弁に変更しているようでした。『パパ、ママ』→『おとん、おかん』などです。
もう一つは『アドリブ』です。アドリブは流石に前もって決めるものではないですから、出たとこ勝負でしょうけれども、松村ポリンの良い所は、松村さん以外の周りのメンバーも思い切ってアドリブが出来るという所です。
2幕序盤のアドリブをピックアップします。まずはキャサリン役の若月さんからエルザ役の能條さんに『倖田來未』さんのモノマネのむちゃぶりが入ります、「~~やんかー」。
アンサンブル①メグ役の中田さん、1幕で不発だった日村さんをマネする大和さんのモノマネ「どーん!」を披露。1幕では大和さんに敗れたという事もあり、『どーん』に恨み節も。
マキア役の大和さん、「三日三晩、飲まず食わずで」の後の台詞、「リンゴしか食べなかった」と。りんご姫「やったー」と喜ぶも、そこは「トマト食べろよ」とっツッコミ。でも、大和さん「トマトよりポテトの方が……」。
さて、少し話を変えます。この公演でのパム役は高山さんでした。腰をクネクネしながら演じるパムは、なんだかトイレを我慢しているような感じでした(表現が不適切ですいません)。そんな高山さん、この2幕ではさほど目立ちませんでした。あの笑神さまとでも言うべき高山さんが存在を消しているかのように見えました。僕はここが高山さんの凄い所だと思いました。松村ポリン一行ははっきり言って『カオス』です。予定通りには動かない主役に加えて、後述する『台本のベル』も擁していますから。僕は、高山さんはこの回ではサポートに回った様に見えました。高山さんが目立たなくても、十分に笑いは取れる、それよりも、迷走しそうな船の舵取りを、裏で支えたという印象です。
高山さんが2幕に出られなかったのは1回、アンサンブルが2回あります。高山さんが10役に入れなかった回しか観ることが出来なかったファンもいると思います。『高山一実を観ずして、プリンシパルtroisを観たというべからず』。極論ですが、そこまで言わせるものを、高山さんは持っていると思います。
『本日のエリザベート』
最終日昼の部のエリザベートは西野七瀬さん。僕の中ではベスト・オブ・エリザベートは西野さんです。その西野エリザベートを初日と今回とで2回見ることが出来たのは幸運です。初日の西野さんは『ストーカー的精神不安定さを内包した小悪魔』という印象でしたが、今回のエリザベートはもっと『可愛らしさ』にシフトしたキャラに変化していました。西野さんも松村さん同様、関西弁でエリザーベートを演じました。関西対決となった状況に合わせて、松村さんは「推し変されそう」と西野さんのエリザベートを絶賛するアドリブは流石だなと思いました。
西野さんの演技力、特に『可愛らしさ』を演じる時の西野さんに勝てる人はいないと確信しています。演技じゃないのかもしれませんけどね。
『生田ルイーダ登場』
生田ルイーダの登場で、舞台上が急に引き締まります。今までの舞台の軌跡が曲がり道で、デコボコだらけだったのに対し、生田ルイーダ劇場の進行は極めてスムーズ。急に進行のスピードが上がった感じです。かといって、アドリブが無いわけではないのです。白石麻衣さん演じるアンサンブル④は『ラララ、ライ』(藤崎マーケット)。恥ずかしそうではなく、嬉しそうに演じて、(おそらく前日松村さんが演じたアンサンブル④をネタにして)、「さゆりん、凄く痩せそうだよー」と。
松井玲奈さん演じるアンサンブル⑤は『そんなのかんけーねー』(小島よしお)。とても恥ずかしそうにするM的キャラを演じて笑いを誘います。
アンサンブル⑥は伊藤純奈さん。緊張のせい(?)か、ヘラヘラしている感じを、生田ルイーダに突っ込まれます、「緊張感をもってやれ!」。
良い悪いではなく、対照的なポリンとルイーダ。でも、この二つが融合する時、『ハジハジの実の能力』が生田ルイーダを襲うのです。
『聖母エステル』
後から気付いたのですが、10役達成の記念すべきエステルだったようです(オーディションではそういうアピールは無かった気がします)。
「ハンコック」のポーズで深川麻衣さん登場です。エステルにホレホレの実の能力を使われたポリン一行。エステル役の深川さんを褒めるアドリブで、ベル役の星野さん「うーんと、うーんと、ステキ!(中身無し)」。パム役の高山さん、「『ソニレコ』って言う番組があって、そこに出ているカズっていう人が、いつも助けられて感謝してると思う」と言ったところ、深川さんは「カズがいない回の収録は寂しかった」と返します。松村さんはそこにのっかって、「チャーリーというキャラも出演したんだけど、たこ焼きが美味しかった」。深川さん「また、たこ焼きパーティーしようね」、「ソニレコ観てね」とちゃっかり。
そんなエステルを、ボーっとしてばかりの、やまトマトマキアが倒します、「こいつ聖母だって!」。
『ベル役星野、真価を発揮』
ジュピター石油のシーンまでは、何とかベル役をこなしていた星野さん。それでも松村さんがアドリブを入れすぎるもんだから、どこをやっているのかわからなくなってしまう様です。続くルイーダの城のシーンで、ついに台本を手に持って登場(笑)。星野さんは劇途中でダンスシーンがあったりすると、その後、台本をめくりめくり、今どこを演じているかの確認に余念がありません。
松村ポリンと星野ベル、そして、笑神高山パムと勢いの大和マキア、珍道中絶賛公開中です。
『松村ポリン一行珍道中』
劇中、ポリン一行の心を乱す存在として『やすす』のかぶりものをしたが4人登場します。総合プロデューサーの秋元さんのパロディーです。この4人もアンサンブルのメンバーが演じています。今回の公演では、『やすす』も自由です。やすす同志で手をつないだり、ダンスを踊ったりします。完全にカオスです。そして、松村さんのアドリブ「メガネで小太りで、ぱるるを推しメンと公言した男」で締めです。
『屈強な警備員』
エステル派生の警備員役で深川さん再登場です。左のほっぺには『聖母』、右のほっぺには『マイペース』と落書きされている、眉毛がつながった変なおじさんです。立ち去る間際に観客席に向かって「(皆さんも)入館証持ってますか?」は深川さんらしいアドリブでした。
深川麻衣さんブログ「プリンシパル千秋楽!*628歩」より引用。
『生田ルイーダの辱め』
ポリン、ルイーダの対決シーン。本来は「足元にゴキブリ!」の台詞を、「足元にハトが!」と生田さんの苦手なものに変えて動揺を誘った松村ポリン。既に克服済みでしたが、珍しく生田ルイーダの台詞が飛びます。しかし、生田さん、台本を持って演じている星野さんの台詞が飛んだものと勘違いをして「台本持ってんならちゃんと言えよ!」、と星野さんにつっこむのですが、実は生田さんの台詞の番だったという。自分のミスを人のせいにしてしまうというハプニング。生田ルイーダのキメ台詞は「おのれ、辱めにあわせおって」に変更されました。
ラストシーン、侍女たちはラララ・ライダンスで戦闘ポーズ。生田ルイーダはポリンの剣を「間一髪かわしたけど、心の傷が……」。で、エンディングを迎えました。
最終日から、最後のスタッフロールの映像が変更されました。公演の模様、初日の舞台直前の桜井キャプテンの「のー、ぎゅっ~」の掛け声、そして、ラストの『完』は「おしまい!」に変更されていました。「そんなバカな」のMVをモチーフにした形です。最終日に参加できたことに感謝したくなった瞬間でした。
https://www.youtube.com/watch?v=QburF0JkORY
良くも悪くも、最大の『問題作』。プリンシパルに何を求めるのか?で評価が分かれる舞台だと思いました。”個人的に”、今回のプリンシパルに求めたものは「笑い」と「挑戦」。だから、何度も言いますが、僕は今回の公演は『大絶賛』です。
ただ、この回しか観なかったファンの方、しかも、プリンシパルdeuxを観ていないファンの方がいたとするなら、プリンシパルは学芸会か?と思われても仕方がないかもしれません。そういう方にとってはチケット7000円というのは酷だろうと思いました。これが7000円の舞台か?
この辺の評価は分かれるでしょうし、メンバーの耳にも届くかもしれませんが、どちらにしても、今後の活動が委縮しない様にと、それだけは願います。小さくまとまったものなら観るのは一度で十分。
僕はとにかく、今回の舞台は好きだから、これからも、思いっきり行け!
レポ読んで思い出し笑いするくらい、『問題作』を観れて満足でした!
推しのかなりんも2幕で観れたのでなおさらです!
さすがに一回フツーのを観に行ってなかったら楽しめなかったとは思いますが・・・
内容が薄っぺらい全役制覇なんて意味があるんだろうか
量より質だと思うけど
丁寧なレポありがとうございました。
私は観に行けませんでしたが、まいまい推しなので、まいまいの10役達成のことばかり気を取られている回でした。
「オーディションではそういうアピールは無かった気がします」と書かれていますが、
「私もプリンシパルでゴールを決めたい」という発言が10役達成を意味していたと思います。
その場で聞いていないのでニュアンスが分からないのですが、いかがでしょう?
たった5人しかいない全役達成なのに、それをアピールしない奥ゆかしさがまいまいらしいな、とも思いほほえましいですが。
私は筆者の書かれていた、まさにこの公演一回しか観られなかった者です。ちゃんとしたものも観てみたいのも正直なところです。でも損したとは思いません。なぜなら「面白かった」から。惜しいのは、かずみん推しなので、本人が何の憂いもなくはっちゃけて爆笑をさらう舞台が観たかった(他の回はそういう時もあったようなので)この回の高山さんは体調悪いか気持ちが乗ってないのかなと思ってしまったくらいでした。やっぱりもう一回くらい観たかった〜!
できました
投票システムについて聞きたいんですが、例えばベルが立候補者無しの場合、ポリン姫に立候補しているメンバーAにポリン姫で投票し、なおかつ、ベルでもAに投票するということは出来るのですか?
セリフを覚えてる人のアドリブと明らかにお覚えてない人のアドリブでは心象が違うんだろうね
推しの代わりに選ばれた人がセリフも覚えずめちゃくちゃやってたら苛つくのはしょうがないよ
いろいろプリンシパルの感想を長文で書かせていただいてきました。
途中、松村ポリンをdisるようにみえることも書かせていただきましたが、
結局後半、メンバーはセリフの入っていない役にもチャレンジし、
乃木坂女学園らしい舞台をつくることに力を注ぎ始めたので、
まっつんはその先鞭をつけたことになりました。かませ犬で気の毒でした。
確かにまっつんは中盤とてつもない落ち込み方でした。
そんな風になるんなら、チャレンジングなことはやめとけよといいたくなるほど。
だが、回復後はどこまで確信犯だったのかわかりませんがやり遂げました。
その勇気には拍手をおくりたい。
ただしかし、その(舞台の?笑いの?)センスについては別の話です。
マジメなんです、結局彼女は。それがどうしても災いする。
そういう意味で、コトに向かってはいい意味でマジメだけど、
根がそうでもない高山がこういう舞台では一番輝きました。
どうなることかと思ったこの#21の旅の御一行様でのパムは
筆者殿お書きのように全体を考慮した演技にみえました。
なにより、1幕コントの集大成は、ホワイトハイと、このキャップとの
タクシー2連発。 丸腰で臨んでは見事な軌道修正、斬り返し。
いくちゃんも、わかつきも、それに続いてさゆにゃんとじょーさんも
それぞれの存在価値を示してくれましたが今回のプリンシパル、
かずみん抜きには語れなかったように思います。