「乃木恋」という恋愛ゲームアプリがリリースされた記念で、乃木坂46のメンバーが理想の彼氏に求める条件ベスト5を発表する、という企画が5月1日放送分の「乃木坂工事中」#54(テレビ東京系)で行われた。
まず見てて思ったのは、ホントに人間の好みは多種多様で面白いな、ということ。見た目や考え方や趣味趣向など、そんなところを見るんだ、と思わせるような条件がいっぱいあって面白かった。
もちろん、すべての条件を満たすような人間はいない(万が一いても、一生のうちに出会えるかはわからない)。だから人は、その条件すべてが満たされていなければダメ、という判断はしない。ある程度の理想条件を満たした人を好きになって、その人の様々な面を後から受け入れていくことになるわけで、その条件がすべてではないのは分かる。けど、その特定の誰かというのがいない段階での理想条件の幅広さには、やっぱり驚かされるなぁ、と思うし、個々の個性が現れるので興味深い。
いきなり話は飛ぶが、「NOGIBINGO!6」#4(日本テレビ)の企画「ねぇイイとこ見せてよ♥春のベストカップル決定戦」の中で、星野みなみの可愛い反応を見た齋藤飛鳥が、「みなみのあんな可愛い感じを見てたら、私は一生独り身だって思った」という反応をしていたことを思い出した。自分はあんな可愛い反応が出来ないことを悲観しての反応だろう。どこまで本心かは分からない。でも乃木坂46のメンバー内であれだけの多様性が生まれたのだから、男の側だって相当多様性があるし、全員が星野みなみのような可愛さを求めているわけじゃない、と信じてもいいんじゃないか、と思ったりした。
さて、僕は齋藤飛鳥が推しメンなので、「乃木坂工事中」内で齋藤飛鳥が挙げた5つの条件を書いてみる。
■うすっぺらい体(ガリガリは嫌だけど、筋肉質はちょっと苦手)
■ボソボソ喋る人
■さりげない人
■家計の管理が出来るひと
■大人なのにスキップ
この中で、「さりげない人」の話の中で出てきた、「サプライズが好きじゃない」という話が僕は一番いいなと思った。
この「サプライズが好きじゃない」という意見、別の人が発言していたことがある。「ガッキー」の愛称で知られる新垣結衣だ。
確か「情熱大陸」(TBS系)だったはずだけど、その番組の中でガッキーが、「サプライズが好きじゃない」という話をしていて、その瞬間、ガッキーっていいな、と思った。「サプライズが好きじゃない」理由は、「うまく驚ける自信がないから」。すげー分かるなぁ。
僕もサプライズが得意じゃない。理由は、ガッキーとまったく同じ理由だ。
サプライズって、仕掛ける側が「相手はこれぐらい驚いて、喜んでくれるだろう」という想定をして色々準備をしてくれているはずだ。でも僕は、間違いなく、その想定に達しないぐらいの反応しか返せない。人生の中でそんなにサプライズをしてもらったことがない気がするから、実際に反応が返せなかった、という経験がたくさんあるわけじゃない。けど、これぐらいの反応はした方がいいよな、と自分でさえ思うレベルの反応をしているイメージが出来ない。
また、なんというのか、自分なんかにそんなことしてもらうのは悪いなぁ、という気持ちもある。この「自分なんかに」というのには、「うまく反応を返せないのに」という理由もあるが、それだけじゃなく、「別に大した存在でもないのに」「別に何かしたわけでもないのに」みたいに感じる。基本的に自己評価が低いので、他者からの評価が過剰に感じられてしまうことが多い。いや、そんなことしてもらうのには値しない人間っす、みたいな思いがどうしても湧き出てしまう。
齋藤飛鳥がどんな理由で「サプライズが好きじゃない」のかは語られなかったから不明だが、恐らく似たような理由ではないかと思う。同じように、「さりげない人」の話の中で語っていた、「記念日とかじゃない時に、買い物に行って、なんか良いのあったから買ってきた、みたいなさりげない感じでモノを渡して欲しい」みたいに言ってたのも、わかるわー、という感じだった。
あと齋藤飛鳥については、「食べ物とかモノをくれるとチョロいので」って言ってたのが面白かった。確かに以前、番組内で「しくじり先生」風の企画をやってた時に、齋藤飛鳥は、初期の頃「いちごミルクをくれるとすぐ懐く」というキャラで行こうと思ってたという話をしていた。だから「モノをもらうと嬉しい」という感覚はあるんだろうと思う。でもたぶん、この「モノ」っていうのが曲者なんだろうなぁ、と。たぶん、何でもいいわけじゃないだろうなぁ。自分のストライクゾーンに入ってくる「モノ」をくれたらチョロい、っていう話だと思うんで、実際にはたぶん、全然チョロくないんだろうな、という気がした。
この回で他に面白かったのは、高山一実だ。理想の彼氏に「バカか天才」っていう条件を挙げていた。とにかく普通は嫌で、動物園に行ったら、「あれってゴリラなの?サルなの?」というレベルのバカか、あるいは、「あのサルは今日本に何頭ぐらいいてね…」って何でも説明してくれる天才かがいいらしい。僕も普通は嫌なので、感覚的には分かるけど、でもやっぱり「ゴリラなの?サルなの?」っていうバカはちょっと嫌だなぁ、と思う。
橋本奈々未の「冷たそうな目」っていうのも分かるなと感じた。「鋭く情熱的な感じで見られること」が苦手だそうで、「何を考えているんだか分からないような目」がいいと言っていた。その方が自分も、相手のことにずっと興味を持っていられるだろうから、と。
そう、この理由の部分の方に僕は共感したのだ。僕は、他人への興味があんまり持続しない人間だという自覚がある。だから、いくら喋っても底が見えない、相手の価値観がイマイチ掴めない、何を考えているのか分からないような人だといいなと思う。僕は、人との関係において、相手を理解しきりたい、という気持ちは薄い。相手のことは理解したいけど、でも永遠に理解しきれないままでいたい、という感覚がとても強い。そうじゃないと、その人に興味を持ち続けられないからだ。そう思うからこそ、僕自身も、なるべく他人から理解されきらないように振る舞おう、という意識がある。
橋本奈々未が同じことを言っているのか、はっきりとは分からないけど、僕はそう受け取ったし、共感できるポイントだった。
やっぱり僕は、メンバーの価値観が浮き彫りになるようなこういう企画は面白いな、と思う。
(文・黒夜行)
※本稿は、筆者が2016年5月に投稿した記事を再編集したものです。
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