乃木坂散歩道・第57回「聖地巡礼『指望遠鏡』」後編

 この記事は「指望遠鏡」のMVの撮影現場である伊豆大島を自ら巡った体験談の後編になります。前編はこちらをご覧ください。合わせて乃木坂散歩道第5回「指望遠鏡からのメッセージ」も良かったら御覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=_V7OAp5PPxo
 次の紹介ポイントはこの聖地巡礼の記事のメインです。”1:11”から始まる、メンバーがスタンドマイクを使って隊列を組んで歌っているシーン。この場所は裏砂漠と呼ばれている場所です。島の中心地、元町から車で30分、主要道路から道をそれ、車がすれ違えない細い道を10分ほど走り、さらに車から降りて10分ほど山道を歩かなければいけません。

 伊豆大島に着いた直後の印象は「岩手のリアス式海岸に似ているな」でした。海と山が近いからそう思うんだと思います。ただ、その印象は最初だけです。鬱蒼と木々が茂る山道を登り続けると、急に視界が開けます。視線を上げたその先に広がる世界、そこはとても日本には思えないような場所でした。違う国という枠組みにも入らないかもしれません、むしろ、『違う惑星』位がぴったりなくらいです。

 MVで映っている景色がこちらです。

 この場所からの風景がとにかく凄いです。MVでもこの場所の風景の壮大さはわかるとは思いますが、MVの主役はメンバーなので、風景の壮大さは十分には出ていません。僕の写真でもその壮大さを伝えるのは難しいのですが、とにかく圧倒されます。

 そして、”1:52~”や”2:00~”で始まる、殺伐とした山を登るシーンがあります。この山も裏砂漠と呼ばれる場所にあるのですが、ちょうどスタンドマイクで隊列を組んで歌っているときに、この山の稜線を見ながら歌うことになります。実際には山というより斜面と言った方が良いのかもしれません。下の写真の尾根のように見える部分(中央からやや左上の部分)がMVでメンバーが立っている場所になります。

 この写真の斜面をズームすると下の写真の様になります。初めまして、筆者遠影です(笑) わかりますか? この写真はメンバーの右前方に見える景色になります。


 
 今回の聖地巡礼では、『メンバーが見ていた景色』を見ることが出来ました。MVの撮影中にメンバーの瞳に映っていたもの、それはとんでもなく壮大な景色。それを知ってMVを見直すと、彼女達の姿に神々しさが加わると思うのは決して言い過ぎではないと思います。

 この裏砂漠から見える『メンバーが見ていた景色』をもう少し載せます。

 ”2:45~2:48”で星野さんが岩に座っているシーンは、やはり裏砂漠で、スタンドマイク隊列のシーンのメンバーから見て左後ろを見るとこんな景色になります。

 

 同じく”3:39~3:40”のシーンはメンバーから見て左手です。奥に見えるのが三原山です。


 
 同じく”4:04~4:06”のシーンはメンバーから見て左前方です。


  
 今回の取材のために三原山登山口から山頂、裏砂漠へ抜け、樹海を巡るコースを6時間程度かけて歩いたのですが、さすがにしんどかったです。最初は景色を見る余裕もあったのですが、次第に足元だけを見て歩くようになってしまいました。
 しんどくなると、坂を登る時にはどうしても足元しか見ることが出来なくなります。どんな坂でもそうなってしまうのではないかと思います。乃木坂という上り坂を登るメンバーたちも、しんどい時は足元しか見ることが出来ない時もあるでしょう。
 でもある時、視界が開ける場所に来て、視線を上げた時に広がる景色、その景色は素晴らしいものであってほしい。メンバーのブログによく書いてありますよね、『サイリウムが』、『みんなの笑顔が』、『みんなの声援が』。僕達乃木坂ファンは彼女達の『景色』でありたい。しんどくて足元しか見えていない時に、ふと視線を上げた先に広がる『圧倒的される景色』。どれだけ辛くても、疲れていても、思わず歓声を上げて走り出してしまう、そんな『景色』に僕はなりたい。

 

おまけ

 「指望遠鏡」のMVには映っていないので、多分メンバーは行かなかったんじゃないかと思う場所、それは三原山火口です。ここに行くにはMVの撮影場所である三原山山麓からだと往復で3時間ほどかかってしまいます。撮影スケジュールに余裕がないと思うので、きっとメンバーは行ってないと思うんです。でも、その場所もやっぱり素晴らしい景色が待っています。最後にメンバーは見ていないけど素晴らしかった景色を載せて「聖地巡礼 指望遠鏡」を終えたいと思います。

 まずは山頂から麓を見下ろす場所にある「ゴジラ岩」。溶岩がこんな形に固まったんですね。

 これは三原山の火口です。湯気が上がっている場所もあり、また、僕は高所恐怖症なので、ほぼ崖に近いこの場所は、かなり怖いです。

 この写真は三原山山頂から裏砂漠(前出のMVの撮影場所の一つ)を写したものです。ちょうど”3:39~3:40”のシーンの逆から撮影した感じになります。

 最後に三原山の別角度です。黒い筋は溶岩流の跡です。

 「聖地巡礼 指望遠鏡」前編では2枚目と3枚目の写真に三原山が写っていて、後編では5枚目の写真に三原山が正面に写っています。見比べてみると全然印象が違いますよね。ほんの少し歩くと全然景色が変わってしまう。山だけでなく、木々の印象も、大地の印象も、全部変わります。角度を変えて見てみると、全く別のものに見えてくる、やっぱり伊豆大島って、指望遠鏡のMVの撮影場所にふさわしいですね。

【過去の聖地巡礼】
乃木坂散歩道 第7回「聖地巡礼 乃木神社」
乃木坂散歩道 第15回「聖地幕張巡礼」
乃木坂散歩道 第25回「聖地巡礼 横浜ベイサイド」

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筆者プロフィール

Okabe
ワインをこよなく愛するワインヲタクです。日本ソムリエ協会シニアワインエキスパートの資格を持ちます。乃木坂との出会いは「ホップステップからのホイップ」でした。ファン目線での記事を書いていきたいと思います。(ツイッター「Okabe⊿ジャーナル」https://twitter.com/aufhebenwriter

COMMENTS

  1. 乃木坂散歩道・第57回「聖地巡礼『指望遠鏡』」後編、本日、はじめて拝見しました。
    秋元康氏よりずっと年上の男性の乃木坂ファンです。もともとアイドルグループには、まったく興味がなかったのですが、今年の7月に、たまたま「おいでシャンプー」のMVを見てからすっかりハマってしまいました。
    「指望遠鏡」は、私も好きな曲のひとつです。わざわざ伊豆大島まで「巡礼」され写真を公表されて、ありがとうございます。やはり大島でしたか。雄大で荒涼たる別世界の風景と、その中で真剣な眼差しで歌う彼女たちが、この曲のイメージをすばらしいものにしていると思います。冒頭の星野の「海辺の逆さブランコ」も、ただ逆さにしただけなのに不思議な感興を与えてくれます。
    秋元氏の歌詞は、この曲でも、豊かな暗喩を示しています。歌詞の解釈は、聴く者の自由な解釈の面もあるとは思いますが。「常識の地図広げても道に迷うだけ」というところが特に好きです。
    また、10thのアンダーのセンターが井上に決まったそうで、このウエブではじめて知りました。楽しみですね。さゆりんが、どんなセンターダンスを披露してくれるか。
    乃木坂は、ヒットをねらったシングルカット曲よりカップリング曲・アンダー曲の方がいいものが多いような気がします。

  2. ここが、伊豆大島だと言われないとわからないな
    大陸のように見える

  3. レポありがとうございます。文章もとても素敵ですね。メンバーブログにもぜひ報告して下さい。

  4.  読んでいただき、ありがとうございます。質問にお答えします。

     夏休み期間な割に、人がいません。裏砂漠と呼ばれる場所では景色を独り占めできる時もありました。簡単に行ける場所ではないので、3回訪れて、すれ違ったのは10人にも満たない位です。オフシーズンには怖い位、人がいないかもしれませんね。

  5. この記事を読んでMVの魅力もさらにあがりました、それに乃木坂46とゆう名前も確かによくできているなと感じさせてもくれました 
    あとせっかくなのでききたいんですがこうゆう部分を巡ってる間、人はいましたか 別に答えなくてもいい事ですが

  6. レポおつかれ坂です
    なかなか気軽に行ける聖地ではありませんので
    大変興味深く読ませていただきました
    私もいつかこの美しい場所を訪れてみたいと思います

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