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乃木坂46のアンダーライブが三部作の物語だとしたら

アンダーライブO-EASTの模様
●中田花奈のブログ「アンダーライブO-EASTレポカナ?767」より

 大盛況の内に幕を閉じた『気づいたら片想い』発売記念アンダースペシャルライブin渋谷TSUTAYA O-EAST。本来であれば、レポートとして記事を書くつもりだったものの、どうやらはしゃぎ過ぎてしまったようで、細かい内容を忘れてしまうという失態を犯してしまった。そこで、今回はコラムという形で「アンダーライブ」について考えてみたいと思う。

 なお、5月17日のポートメッセなごや公演が残っているため、あくまでも5月3日の公演を終えた時点での感想ということをご理解頂きたい。

アンダーライブという存在について

 選抜メンバーとアンダーメンバーを隔てる大きな壁の一つに「メディア露出の格差」がある。選抜メンバーに選ばれれば、より多くの楽曲制作・披露、販促キャンペーンに参加することができ、さらに冠番組である「乃木坂って、どこ?」にほぼ毎週出演することができる。こういった様子を尻目に、メディア露出が極端に限られた状況で活動せざるを得ず、それでいて選抜メンバーと同等かそれ以上の評価を得なければ選抜入りの目が見えないというのは、アンダーメンバーにとってあまりに大きすぎる試練であると思う。だからこそ、今回のアンダーライブは8thシングルの販促という一面はあるものの、アンダーメンバーにとっては待ちに待ったチャンスであったはずだ。

 選抜という制度がある限り、アンダーという括りも消えることはない。自分のこと、仲間たちのこと、後輩たちのことを考えれば、アンダーライブがあるかないかは、今後の活動において文字通り天と地の差がある。アンダーメンバーとしての活動期間に差はあれど、全員がその重要性を理解していたに違いない。そして、今後もアンダーライブが存続していくためには、今回のライブを成功させることが不可欠だ。

 Overtureが終わり、ステージに現れたメンバー達から伝わってきた緊張感と気迫には、そんな背景があったように思う。そして、まさに「一所懸命」の奮闘でライブを成功させたのだ。今回は応募方法や二次募集の件など、逆境と呼んでもいいような状況にあったと思う。苦しい状況に立ち向かい、それを跳ね除ける様は彼女たちの活動をそのまま象徴しているような気がして、ただ心を打たれるばかりだった。

アンダーメンバーによる表題曲とユニット曲

 いわゆるアンダー楽曲中心だった「楽天カード×乃木坂46アンダーライブ@幕張メッセ」とは打って変わって、今回のライブのセットリストの大半は今までの表題曲と選抜メンバー中心のユニット曲で構成されたものだった。普段見られない光景は、ファンにとって非常に嬉しいサプライズとなった。

 さらに重要なのは、この試みが楽曲に「深み」と「新しい視点」をもたらしたという点だ。これは単に歌っている人間を入れ替えたという話ではない。恐らく、リハーサル毎に議論を重ねて自分たちの特性を活かせるような独自の解釈を付け加えていったのだろう。同じ楽曲でも、ここまで雰囲気や見せ方が変わってくる。メンバー同様、楽曲も原石のままで未だに底が見えないといったところだろうか。これは我々ファンにとっても乃木坂46のメンバー全体にとっても、大きな発見だったに違いない。

メンバー手づくりのライブ

 今回のライブの見所のひとつは、やはり「メンバー考案の演出」だろう。衛藤美彩が歌う「水玉模様」では、彼女の歌唱力が存分に発揮されたのだが、こちらも単に歌う人を入れ替えただけではなかった。曲中のセリフ、川後陽菜と永島聖羅の乱入などはファンの笑いを誘い、演出の面でも会場を大いに盛り上げた。

 今回は、セットリスト、ユニット曲の人選、MC、そして曲中の演出などに関して、ライブの規模が小さかったこともあると思うが、メンバーの意見が演出に大きく反映されていた様子だ。個人的な経験に過ぎないが、ライブには「出る楽しさ」と「つくる楽しさ」があると思う。観客の期待をいい意味で裏切るためにあれこれ試行錯誤を繰り返す過程は、なんとも言えない充実感に溢れている。

 今後も乃木坂46は今まで以上に大きな会場でのライブに挑むはずだ。少しずつでもいい。メンバーもライブの演出に積極的に参加できる機会が増え、この楽しさ、難しさをメンバー全員で共有することができれば、乃木坂46のライブはさらに充実したものになるに違いない。

アンダーライブが三部作の物語だとしたら

 「楽天カード×乃木坂46アンダーライブ@幕張メッセ」ではアンダー楽曲中心のセットリスト。つまり、今までのアンダーメンバーの活動の歴史を振り返る内容だ。そして、今回のO-EASTライブでは、選抜メンバーが中心となる楽曲に真っ向から挑戦し、ある種の「独自性」のようなもの(どちらが優れているかという話ではない)を示した。アンダーライブが三部作の物語であると仮定するならば、最終章にあたるポートメッセなごやでの公演は、そして「物語」の結末はどのようなものになるのだろうか。

 残念ながらその内容を予想することは難しい。それほどまでに、彼女たちにはこのライブに懸けるものがあり、内容を練りこんでいる。しかし、8thシングルのカップリング曲「生まれたままで」でセンターを務めた伊藤万理華の言葉、「アンダーに対しての概念ぶっ壊してやる」に対する答え、そして彼女達が切り開いた未来の一端を示してくれるのではないだろうか。最終章を目撃する皆様には、その様を見届けて頂きたいと勝手ながらに思う次第である。

筆者プロフィール

助六
音楽が大好きでバンドを組んだりしています。乃木坂は楽曲も大好きです。今のところ「他の星から」が一番です。ファン歴はそこまで長くないですが、皆さんと一緒に楽しめる記事を書けたらと思っています。

COMMENT

  • Comments ( 6 )
  • Trackbacks ( 0 )
  1. 名古屋のライブの招待券届きました
    整理番号はイマイチでしたが今から楽しみです
    渋谷以上の内容と盛り上がりを期待します!

  2. レポートありがとうございます。
    握手会にはまったく興味ありませんが、アンダーライブは本当に行きたかった。
    レポートを見ていると、グループ全体のライブよりも心惹かれますね。
    行ける方々がうらやましい。 健康で時間とお金があってチケット当たって。すごいことですよ。 
    楽しんで、アンダーメンバーと共に良いライブを作り上げてください!

  3. 1度でいいので
    選抜と対バンしたら面白いと思います

    あと2期生ももっと出して欲しいです

  4. アンダーライブとは話題が外れてしまいますが、
    川村・高山・衛藤・桜井・生田+ピアノでのクリスマスディナーショウなんてかっこいいと思います。
    乃木どこで出来ないのかな?
    乃木坂46にはまだまだ可能性が

  5. 今回のアンダーライブで感じたことは、選抜メンとアンダーメンとの間にポテンシャルの差はないということ。
    違うのは与えられた機会の数であり、それは大変さ格差であって、無駄にアンダーメンを自己嫌悪に陥らせてしまっていたんじゃないかと思います。
    アンダーライブを通して、メンバー・ファン・運営がウィンウィンウィンの関係となるよう乃木坂らしい道を構築してもらいたいものです。

  6. 素朴な疑問と個人的見解。。。。。。

    アンダーがライブとかがメインで選抜がメディアとかがメインだと、今後メンバーの中にはライブやりたいのに「選抜になってしまった」みたいな感情が生まれてきたりはしないのだろうか。。。。。

    今の選抜でも川村なんかは8thだけに関して言えば選抜よりアンダーの方が活動内容としては良かったとか思ったりしないんだろうか。。。。

    乃木坂全体での「武道館でのALL生歌ライブ」とかを目標にはできないんだろうか。。。。

    おいらは一ファンとしてアンダーの活躍の場があることは嬉しい事だけど選抜とアンダーでの活動内容がかけ離れすぎていて乃木坂全体としての方向性が見えない気がするんだが他のファンには乃木坂としての方向性が見えるんだろうか。。。。

    アンダー主導でライブ(セトリ、アレンジ、ポジション)などを構成しながらスケジュール的に参加できる選抜メンバーも参加するとかのほうが同一方向性で良い気がするが、例えば選抜常連のメンバーがアンダー楽曲で後列に配置されるとか、表題曲でもいつもとは違うポジションを担うとか、可能性は無限だけど、乃木坂としての方向性は統一して欲しい気がするなぁ

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