今回の散歩道は、ただただ、聴いて欲しい。そして、僕が受けた衝撃を皆さんにトレースして欲しいのです。
僕がある動画に出会ってしまったのは、去年の「乃木坂46 真夏の全国ツアー」の頃でした。ツアー中、『乃木坂らしさ』の表現として、ピアノ伴奏での「何度目の青空か?」と「君の名は希望」がライブのセットリストにありました。僕はこのパフォーマンスを観て思ったのです、乃木坂ファンの中で、乃木坂46の楽曲をピアノで弾いてネットに投稿する方がいるんじゃないか、と。そして、YouTubeで検索をかけたところ見つけた動画がこちらです。
「太陽ノック / 乃木坂46 (ピアノ・ソロ) 」
演奏者は「Presso(プレッソ)」さん。歌声の無い曲なのに、しかも、ピアノだけなのに、こんなに豊かな表情が出せるなんて。初めて聴いた時は、本当にゾワッと鳥肌が立ちました。
その時思ったのは、『スピード感』があるという事と、『音の多さ』です。楽譜通りに弾いただけでは、Pressoさんの演奏の様にはいかないんじゃないか? それが、僕のファースト・インプレッションです。
先へ進む前に、ここで皆さんに一つ選択してもらいたいと思います。Pressoさんの全演奏を先入観なく聴いてみたいと思われる方は、以下の記事を読む前に、PressoさんのYouTubeチャンネル「Piano Lounge Presso」へお進みください。
そして僕は、次の動画を見てしまうのです。感想を一言で言うならば『衝撃』でしょうか。
「命は美しい / 乃木坂46 (ピアノ・ソロ Alive and Kicking Beat Mix) 」
演奏開始から29秒~、僕の言う『衝撃』の意味がわかってもらえると思います。まさかの『ビート』。そして、この動画の真骨頂は、1分48秒~、『ビート』だけでも刺激的なのに、間奏でジャズ風のアレンジです。『ビート』で『ジャジー』な「命は美しい」です。元々カッコいい楽曲ですが、異次元にカッコいい!
この動画で『音が多い』=アレンジなんだと気付かされるわけです。そのアレンジの極みが次の動画です。
「【アグレッシブに】制服のマネキン / 乃木坂46 【弾いてみた】」
とにかく、ピアノだけとは思えない、音の多さです。そして、かなりアレンジが多い。これがPressoさんの『個性』と僕は感じます。乃木坂のCDに入っているoff vocalバージョンとは違う、Pressoさんにしか出せない『音色』です。
『アグレッシブに』という演奏で、off vocalで感じる物足りなさが、この演奏では一切ありません。そして、2分23秒~は一転して陰性の音色となるのですが、一曲の中でみせるこの対比が、素晴らしいアクセントになっています。
そして、『真打』登場です。今まで紹介した動画も素晴らしいものですが、僕はこの動画を最大級の敬意をもって紹介したいと思います。出来ることならば、PCで動画を見ていただきたい。そして、YouTubeには『全画面モード』という画面設定が有ります(画面右下のボタンをクリック!)。この『全画面モード』で、音だけでなく、映像もお楽しみください。
「【メドレー】ハルジオンが咲く頃【REMIX】 乃木坂46 (ピアノ+α) 」
どうでしたか? 何度見ても、僕は圧倒されます。『圧倒的Remix』、そんな風に表現したいと思います。まるで『宇宙』です。「ハルジオン(春紫苑)」という、大地に根差した花を歌った曲ですが、PressoさんのRemixでは、瞼の裏に広がる風景が大地から宇宙に変わります。
「ハルジオンが咲く頃」のMVを観ていると、乃木坂メンバーの声と表情がある分、どうしても、楽曲に爽やかさとか切なさを感じてしまいます。Pressoさんの動画では、楽曲自体を除けば乃木坂要素が一切ないので、その分、メロディーの本質に迫れているのではないかと思います。ストリングスのアレンジによる爽やかさ、壮大さ、そんなイメージが先行している『ハルジオンが咲く頃』には、カッコいいポテンシャルが存在しているのです。
『ハルジオンRemix』には、不思議な力があります。僕の表現では『高揚感』としか書けませんが、その感覚はライブ開演時の『Overture』に感じるものに近い感覚があります。この動画を皆さんに紹介したかったのは、僕が感じた『高揚感』を皆さんと共有したかったからです。
例えば、朝、通勤通学の電車から降り、この曲を聴きながら改札を目指してみて下さい。例えば、朝、通勤の車から降り、この曲を聴きながら職場に向かってみて下さい。例えば、朝、通学のバスから降りて、この曲を聴きながら、校門をくぐってみて下さい。いつもとは違う朝が始まることを、皆さんにお約束します。
ここからは、今回紹介した4曲の、Pressoさんのコメントを載せていきます。
「この曲のイメージがストレートに伝わるように演奏してみました。ピアノの演奏の楽しさもこの動画からお伝え出来たら嬉しいです。自分としては1:56あたりの虹がかかったようなイメージで弾いたグリッサンド(注:隙間無く流れる様な弾き方)からサビに入る部分がとても気に入っています。」
「原曲のイメージは大事にしながらも、何か違うアプローチをしてみたいと思って途中に(1:48あたりから)アドリブを入れてみました。ひとつの生命が一生懸命生きて輝き、燃えつきて、ハラハラと散っていく…そんなイメージでアドリブをとってみました。最後の和音も原曲とは変えて、「生きている意味とは?」と問いかけるような終わり方にしてみました。」
「原曲のEDM(注:Electronic Dance Music)アレンジも物凄くカッコいいですが、16ビートのロックサウンドでも意外とカッコいいかもしれない…と思ったのがアレンジのきっかけでした。疾走感のあるドラムや、クールだけどグイグイくるベース、頭の中で想像したそのサウンドをピアノに置き換えたのが、このアレンジです。やたら難しくアレンジしてしまったので、練習に時間を取られ、撮影する時もNGを連発で本当に大変でした。(苦笑)」
「深川麻衣さんが卒業ということで、お祝いの気持ちを込めてアレンジしました。
乃木坂46時間TV『4th Anniversary 深川麻衣 selection songs』で披露された14曲が「ハルジオンが咲く頃」の裏でメドレーになっています。14曲のメロディーをパズルのようにはめていく作業が思いのほか大変で、コード進行を変えたり、色んな音色を使ったりしていくうちに収拾がつかなくなってしまって、ちょっと諦めかけたのですが、なんとかやりあげました。
春の爽やかなイメージはもちろんですが、これから新しい道を歩いていく深川さんを想う、どこかアンセム(応援歌)のような雰囲気も出したくて、このようなアレンジにしました。」
来る4月12日(火)23時より、Pressoさんのツイキャスにて、『Presso Live in Piano Lounge』を開催します。YouTube動画とは、ちょっと違う、遊び心たっぷりなPresso Worldを体験できます。事前にPressoさんのツイッター(https://twitter.com/pressomusic)のフォローをお勧めします。
いつも、Pressoさんのツイキャスを観ている方も、是非、ご来場ください。いつもよりも『Live感』を出してもらうようにお願いしました。ガチなPressoさんを観ることが出来るチャンスです!
そして、このツイキャスライブで、ボクは新作のリクエストをしています。乃木坂史上最強のあの名曲をリクエストしました。あの日、僕は心が震えたことを、今でも忘れられずにいます。あの名曲の『MVの世界観』をPressoアレンジで再現してもらいます! 乞う御期待!
そして12(火)23:00〜23:30にツイキャスします!この日はオール乃木坂ナンバーです。いつもと違ってちゃんと演奏します(笑)
— Presso (@pressomusic) April 6, 2016
よければ観てくださいねー!
詳細は改めてお知らせさせてください(^o^)
震えました。小室哲哉氏のパフォーマンスを見たときの衝撃に似ています。
こんなピアニスト、いやサウンドクリエイターがいたことを今まで知らなかったなんて…
ヴィジュアル重視の乃木坂が多くの絵師に愛され、描かれているように、楽曲重視の乃木坂はミュージシャン、アーティストの心を動かすところがあるんでしょうね。
いつも素敵な記事、ありがとうございます!!
ヤバいですね。聴いていて涙目になってしまいました。正直「ハルジオンが咲く頃」はそんなに好きな楽曲では無かったのですが作り手の想いの大きさでこれだけ雰囲気が変わるのかと改めて考えさせられました。
よく思うのですがアンダーの楽曲のほうがいつも良い曲だと思えるのは、もしかしたら作り手の想いの大きさなのかもしれませんね。
なんとしてでも選抜楽曲に負けないアンダー楽曲を提供するんだという作り手の意気込みが感じられるのは自分だけでしょうか?
そんな想いと符合する今回の記事でした。
4月12日、是非来場したいと思います。
乃木坂散歩道・番外編「ツイキャスライブ in Piano Lounge Presso レポ」
2016年4月12日に行われたツイキャスライブのセットリストを載せておきます。
1:制服のマネキン
2:気づいたら片想い
3:悲しみの忘れ方
4:あの日 僕は咄嗟に嘘をついた
5:何度目の青空か?
6:ハルジオンが咲く頃 Remix
アンコール1:サイレントマジョリティー
アンコール2:君の名は希望
皆さん、如何でしたか?