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乃木坂散歩道 第173回「透明な色 Wiki2015」

 楽曲を振り返るWikiシリーズ2015、今回は乃木坂46の記念すべきファーストアルバム「透明な色」です。

 この記事では、既出であるシングル表題曲およびカップリング人気投票で選ばれた10曲を除いた新曲(8曲+α)に焦点を絞って振り返ってみたいと思います。
 バースデーライブで少しでも想い入れをもって楽曲を聴けるように、そんな想いでこの記事を書いていきます。

 なお、1st~10thシングルの『Wiki2015』は「乃木坂散歩道」アーカイブスから御覧になるのが便利です。

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「OVERTURE」

 このアルバムの「OVERTURE」を初めて聞いた時、「物足りない」と思ったのです。理由はすぐに気が付きました。「OVERTURE」が流れても、乃木坂メンバーが出てくるという期待感が無い(CDだから当たり前)。もう一つ、ファンの声援が無い。「透明な色」Type-Aの特典DVDに収録されている代々木ライブに期待したのですが、途中から『うりゃおい』がズレてきて、酔いそうになっちゃいます。ファン的には「うりゃおい」がズレてない「OVERTURE」を希望したいです。

 やっぱり「OVERTURE」は会場で聴くのが一番なのかもしれません。

 皆さんは「OVERTURE」にどんな想い入れがありますか? 聞かせてください。

「誰かは味方」

 乃木坂演劇部の3人とでも言いましょうか? 昨年から今年にかけて、舞台、ドラマに活躍する衛藤美彩さん、桜井玲香さん、若月佑美さんの3人からなるユニットです。そんな3人が歌う曲ですから、何か舞台を用意してみたいと思い、曲を聴いてみました。

 ゆったりとしたメロディーに、「大地」、「地平線」など、雄大な景色が広がります。イメージとしては日本ではなさそうです。少し荒涼感も感じます。例えば、「走れメロス」などはどうでしょう? とはいっても、登場人物は主人公のメロスではなく、その親友、メロスを城で待つ『セリヌンティウス』です。彼は磔の柱に縄を打たれてどんな気持ちでいたのでしょう。タイムリミットは三日後の日没。沈みゆく夕陽は彼の目にどんな風に見えたのでしょう? 沈みゆく夕陽をどんな気持ちで見ていたのでしょう?

「夕陽が西の地平線 真っ赤に染めて沈むよ」
「母親のようなぬくもり残して 暗闇と夢を引き換えに…」

 だけど、セリヌンティウスはきっとこう言うのです。

「やさしさを求めるだけではだめだ」
「自分がそう与えなければ 一人きり」

 いつかこんな舞台が実現したら素敵です。

 皆さんは「誰かは味方」にどんな想い入れがありますか? 聞かせてください。

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 写真は「透明な色」の発売を記念して、乃木坂駅に掲示された乃木坂46メンバーのパネルを、僕が写真に撮ってきたものです。画像のクオリティが低いことをお許しください。また、全員載せるわけにもいかず、少人数ユニットのみ画像を載せます。

 このパネルについては2月10日に発売された「CM NOW 2015年3月号」で6ページの特集が組まれているそうです。鮮明なものが見たい方はそちらをご覧いただければと思います。

「革命の馬」

 「革命の馬」は秋元真夏さん、白石麻衣さん、高山一実さん、橋本奈々未さん、深川麻衣さん、松村沙友理さんの6人からなるユニット曲です。

 ぶっちゃけてしまうと、この歌の中にあるメッセージは「何度目の青空か?」と一緒です。一言でいうと「今の自分を無駄にするな」です。ただし、ターゲットが違う。『何空』はすべての人へのあたたかいメッセージですが、「革命の馬」は、『渋谷界隈にたむろする輩』がターゲットです。

 冴えないおっさんに言われます「お前ら、それ楽しいの?」
 「はぁ? うっせぇ じじい!」
 「いや、それで本当に楽しいの?」

 「難民」という言葉が意味するのは、蔑みの視線です。冴えないおっさんに蔑まれていることを自覚した時、その『輩』は立ち上がれるか? 行動できるか? 立ち上がり行動する、それが『革命』です。

 『革命』とは自分自身を変えること。

 皆さんは「革命の馬」にどんな想い入れがありますか? 聞かせてください。

「僕がいる場所」

 この曲が発表された当時、ツイッターでこんなつぶやきを見かけました。

もしも僕が乃木坂ファンを辞めたとして、あの娘は泣いてくれるだろうか?

 僕等は乃木ヲタです。だから、乃木坂の楽曲を自分に当てはめて聴いてしまいます。「僕がいる場所」の『僕』を自分に置き換えて聴いてしまうのです。

 歌詞にはこうあります。

君はきっと泣くだろう
僕のいない現実に…

 もしも、僕(筆者)が乃木ヲタを辞めたとして、まず、推しメンはそのことに気づくこともないでしょう。何万人の中の一人にすぎません。だから、泣いてくれるわけがありません。

 「僕がいる場所」を乃木ヲタとして聴く時、僕はその辛い現実を目の当たりにします。でも、それでも僕は乃木ヲタを辞めません。それは『僕がいる場所』を見つけてしまったから。例えば僕なら『乃木坂散歩道』。ある人はツイッター、ある人はYoutube、ある人はラジオの投稿。少しずつ交流の輪が出来て、少しずつ仲間となり、大きな存在へと変わってきました。だから、もう辞められない。

 「人は永遠じゃない 誰も去る日が来る」

 だけど、想いだけはずっと残る。

 皆さんは「僕がいる場所」にどんな想い入れがありますか? 聞かせてください。

「あなたのために弾きたい」

 先日の「乃木坂46 SHOW!」(NHK)第5弾で披露されました。予想通りというか、当然のごとくピアノ弾き語りでした。僕はこの曲の歌詞を素直に受け止めようとすると、『結婚式』を思い浮かべます。生田絵梨花さん自身のでも良いだろうし、乃木坂OGの結婚式で生田さんが結婚式の余興として披露する。そんな場面にピッタリです。

「今あなたに 私のピアノを聴いてもらってる」
「それだけで 華やかなステージよりもしあわせと思った ありがとう」

 ガチでそんなシーンがテレビで公開されたら、泣くだろうな。その時、周りに誰もいないで欲しいな……。

 皆さんは「あなたのために弾きたい」にどんな想い入れがありますか? 聞かせてください。

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「傾斜する」

 『こじ坂46』の楽曲です。乃木坂のCDに他のグループの方の声が入るのは初めてのことです。とはいっても、デビューシングルのカップリングにある「会いたかったかもしれない」は完全にAKB48の「会いたかった」をモチーフにしてますし、そのミュージックビデオには元AKB48の前田敦子さんも参加しています。他には『まゆ坂46』があったと聞きます。僕はこのころを知りませんが、こちらは渡辺麻友さんのCDの方での企画です。
 個人的にはこういう企画は好きです。素敵な『遊び心』だと思います。
 ほんの思い付きで出たちょっとした考えを、『面白い!』とすぐに実現させてしまう力が、僕は羨ましい。

 そんな遊び心で作った『こじ坂』かもしれないけど、楽曲に何ら手抜きは有りません。『心が傾斜する』、凄い表現だと思います。非常に『僕』の心の中がイメージしやすい言葉です。心が傾斜することで、今まで心の中にあった世界観、人生観、価値観、恋愛観、そんな全てが滑り落ちようとしている、その危うさが『傾斜する』です。
 この曲の世界観をダンスではどう表現するんだろう? それが僕は楽しみで仕方がありません。

 さて、『こじ坂』といえば「風の螺旋」も『こじ坂』ですが、こちらはAKB48のシングル「希望的リフレイン」のカップリングで、どこで取り上げたらいいか迷いましたが、この場を借りて一緒に紹介します。
https://www.youtube.com/watch?v=yAYA80eQ5Yk
こじ坂46「風の螺旋」Short ver. / AKB48[公式]

 アンダーライブ2nd seasonでサプライズ披露がありました。
 アンダーメンバーや研究生推しの方には特別な曲です。「風の螺旋」のMVにはメンバーの『想いの吐露』が込められています。あの言葉はフィクションなのでしょうか? フィクションだとしてもリアリティーを感じてしまい、僕はちょっと怖くなってしまうのです。

 皆さんは「こじ坂46」とその楽曲にどんな想い入れがありますか? 聞かせてください。

「なぞの落書き」

 「なぞの落書き」を歌うのは、齋藤飛鳥さん、星野みなみさん、堀未央奈さんの3人です。

 この曲は僕には強烈なインパクトがありました。完全に忘れていた過去のあの日を思い出すことになったからです。

小学生だったある日。朝、学校に行くと、僕の机の上に鉛筆で落書きがされていました。傘マークの下に僕と女の子の名前が。僕にはその時、「恥ずかしい」という想いしかなくて、咄嗟にその落書きを消しゴムで消してしまいました。

ふと後ろを振り向くと、その名前の女の子が僕を見ていました。そして、悲しそうな顔をして、僕の背中を一度だけ叩いたのです。

 ずっと心の奥にしまっていた、『恋』なんて言葉を知らなかった頃の想い出です。

 皆さんは「なぞの落書き」にどんな想い入れがありますか? 聞かせてください。

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「自由の彼方」

 『自由』

 この言葉の難しさに、今、世界は直面しています。表現の自由と信仰の自由の問題です。『自由=何をしても良い』ではありません。『自由』の裏側には必ずあるものが付きまといます。それは『責任』と『犠牲』。『自由』を押し進めることで引き起こされる事象にも目を向けることが、『自由』を行使する側には求められます。

 「自由の彼方」というタイトルですが、『自由』という言葉がなかなか出てきません。その言葉を出さずに表現して、そして最後の最後に『自由の彼方』です。こういう言葉の使い方に、僕はしびれます。

 そして、この楽曲にはとんでもないストーリーが隠されていると思います。『逃げた鳥』をどうイメージするか? 色々な解釈が有っていいと思います。例えば本当に鳥でも良いですし、恋人でも良いです。でも、僕は『逃げた鳥』は『卒業したメンバー』のように思えてならないのです。そう思って歌詞を一度観てみてください。

なぜ、君は乃木坂を卒業してしまったの? 優しくしていたのに。
今まで、皆で肩を寄せ合ってこの世界で生きて来たんだ。

君はメンバー、スタッフ、ファンのありふれた愛じゃ満たされないの?
乃木坂での日々は平凡で退屈だったの?

卒業後の世界は夢が広がるように見えたけど、
すぐに色褪せてしまうじゃない。

 ちょっと見る角度を変えるだけで、随分『緊張感』のある楽曲に変化しました。

 そして、『自由の彼方』の言葉の意味を考えます。
 僕がイメージするのは『複雑な二者択一』です。現状を打破するために、あるいは自分がやりたいこと、夢を求めて『卒業』なのか、それとも、肩を寄せ合い、今のメンバーと歩いて行くのか? 『自由の彼方』とは、『庇護のない自立』。『自由』を求めるのならば、そこには『責任』と『犠牲』があることを知らしめる言葉なのです。

 皆さんは「自由の彼方」にどんな想い入れがありますか? 皆さんは『自由』を選びますか? それとも『庇護』を選びますか? 聞かせてください。

「ひとりよがり」

 西野七瀬さん初めてのソロ曲「ひとりよがり」。歌詞の中に「大事な人と別れた」とありますが、乃木坂メンバーはきっと、色々なものを犠牲にしています。勿論、犠牲にした代償としてそれ以上の経験が出来るのも乃木坂46だとは思いますが、そこにたどり着くまでの辛さはどれほどのものなんでしょう。

「いつか 夢がやっと叶った時 私は思い出すわ
ひとつ捨てて ひとつ手にした
これで これで よかったか教えて
ひとりよがり」

 「ひとつ捨てて ひとつ手にした」
 この言葉を聴かされたら、僕達はもう応援するしかないでしょ?
 『応援する』、僕にはもうその言葉しか思いつきません。

 皆さんは「ひとりよがり」にどんな想い入れがありますか? 聞かせてください。

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「あとがき」

 膨大な量の文章を書いてきました。無事に最後までたどり着けてホッとしています。この記事の準備のために年明けから資料を集め始めました。でも、まったく辛い作業ではありませんでした。楽曲に対する新たな発見もありました。楽曲の発表当時には気が付かなかったけど、今振り返ってみると気づくこともありました。そして、忘れてしまった想いを再び思い出すことも出来ました。

 こうやって記事を書いてみて、そして、改めて乃木坂の楽曲を聴くと、明らかに以前よりも鮮やかに聴こえてきます。
 だから僕は幸せ者です。22日の「3rd YEAR BIRTHDAY LIVE」では、披露されるすべての楽曲に対して想い入れを持って聞くことが出来ると思います。
 記事で明かした通り、想い入れの少ない曲もありました。でも、皆さんからのコメントで気づかされました。それに、やっぱり想い入れが少ないままの曲も、そのことに気が付いていれば、このライブで想い入れを増やそうって思えます。

 ここまでお付き合いいただいた皆さん。どうもありがとうございます。おかげさまで、僕はライブを楽しめそうです(笑) 皆さんも、このWikiシリーズをきっかけに楽曲を振り返り、新たな魅力の発見の場となって、ライブを楽しめることを心から祈っています。
 そして、僕は宣言します。来年の今頃、また『Wiki 2016』の記事を書けるように、この一年も乃木活に精を出します(笑)。もしも本当に『Wiki2016』を書くことが出来ているならば、その時の僕はきっと幸せだろうと確信しています。

 
 そして、最後に。
 どうやら2月の西武ドームは相当の極寒の地のようです。なんでファンがそんな辛いところで、まるで苦行の様な事をしなければならないのでしょう? 僕はこう思っています、「11thシングルヒット祈願」なんじゃないかと。
 「乃木坂って、どこ?」(テレビ東京)で、メンバーは様々な苦行に挑戦してきました。滝行! スカイダイビング! バンジージャンプ! 富士登山!などなど。本当に過酷なヒット祈願でした。

 『極寒の地でファン3万人7時間半の応援』
 こんなにすごいヒット祈願はそうないんじゃないでしょうか? そう考えれば、極寒の地も大して辛いとは思えません。それに、僕達の前には大好きな乃木坂メンバーがいるわけですから。

筆者プロフィール

Okabe
ワインをこよなく愛するワインヲタクです。日本ソムリエ協会シニアワインエキスパートの資格を持ちます。乃木坂との出会いは「ホップステップからのホイップ」でした。ファン目線での記事を書いていきたいと思います。(ツイッター「Okabe⊿ジャーナル」https://twitter.com/aufhebenwriter

COMMENT

  • Comments ( 7 )
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  1. 西武ドー厶極寒7時間半ライブは…僕たちの「11枚目シングルヒット祈願」…なんて素敵な考え方なんでしょう! 何かライブへのモチベーションにもう一段“血が通った”気がします。ありがとうございます♡

  2. 風の螺旋、井上小百合さんが握手会か755であの言葉は演技ですよねと問われ、すべてではないと言ったと聞きましたが、
    「生駒はいいじゃない」という言葉が内心の吐露であるならば、やっぱりメンバーの心の奥底にはこんな感情もあるんだろうな、と思ってしまいます。僕はメンバーに対する所謂「アンチ」の人の発信する言葉に触れるのが怖く、悲しい。そんなところとは
    無縁のグループであってほしいと自分の中の夢想郷のなかで感じます。

  3. いつも素敵な投稿をありがとうございます。私もライブを楽しめそうです。誰かは味方の解釈が素晴らしいですね。セリヌンティウスの視点には驚かされました。さすがです。

    あなたのために弾きたいは、佐久間正英さんを頭に浮かべて聴きます。これは生田さんから佐久間さんへのメッセージなんだと。音楽の素晴らしさを教えてくれた佐久間さんに、音楽で恩返しをしているように思えます。

    今あなたに 私のピアノを 聴いてもらってる

    長々と失礼しました。

  4. オールライブニッポンに参加した者としては、「自由の彼方」に思い入れがあります。

    初の研究生も含めた10thアンダーライブメンバーの集大成とも言える楽曲で、何より綺麗に揃ったパフォーマンスで魅せてくれるので、大きな西武ドームでも映えると思います。

  5. 佐久間さんのことを持ち出すのは、単に卑怯ですよ
    明らかな有名人に、それも先が長くないと分かってから仕事したようにしか見えない
    ヲタが思っている以上に、世間の目は冷たい

  6. 私が透明な色を聞いた時、ちょうど私を愛してくれる人から離れて、私に恋し私が恋している人の元へ向かおうかと迷っていたときのことでした。だからこそ、自由の彼方は歌詞の言葉のとおり心臓に刺さります。ありふれた愛じゃ君は満足できないのか? 当時は満足できませんでした。
    結局、恋した人に裏切られ、私は今一人で佇んでいます。自由の彼方は私にとって、戒めの曲です。

  7. 西武ドームは11thヒット祈願の場という発想は素晴らしいですね。メンバーばかりにつらい思いはされられない。ファンも一体になって背中を押しましょう。
    でもきっと目の前でメンバーの笑顔を見れたら寒さなんて吹っ飛ぶだろうな。いや流石にそれは無いか。
    とにかくBDLを楽しみましょう!

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