先日の明治神宮野球場ライブで、2週間にわたる「乃木坂46 真夏の全国ツアー2014」がすべて終了しました。実際に仙台、神宮のライブに参加してみて、思うところを書き連ねていこうと思います。
全国ツアーの会場が発表された当初は何の疑問も持たずにいましたが、神宮のライブが近づくにつれて、「なぜ神宮球場という会場を千秋楽に選んだのだろう?」という疑問を感じるようになりました。皆さんもご存じのとおり、今年は天候が非常に不安定で、夏は台風や大雨といった理由により、大きなイベントも中止される事態も起こっていました(例えば東京湾大華火祭など)。乃木坂46でも、ツアーの地方公演で雨の降らない日はありませんでした。会場を押さえるために早くからブッキングする必要があるとはいえ、例え予備日を設けたとしても野外ライブというのはリスクを負うことになります。
もう一つ、僕は仙台と神宮のライブに参加したのですが、この二つを比べると、『会場としては』仙台のゼビオアリーナの方が優れていたと思いました。モニターの見やすさ、レーザー、照明の使い方、音の響きなど、仙台の方が僕は良かったと感じています。神宮では野外な上に会場が大きすぎて、見づらいばかりか、曲中のコールやアンコールの声が、どうしても一つにはなりませんでした。それゆえ、例えば、観客の一体感を考えるならば神宮球場ではなく、昨年のツアーで行った追加公演と同じ『代々木体育館で昼夜2回公演』か、観客動員数、興行収入も考えるならば、『最大3万人を動員できるさいたまスーパーアリーナで1回公演(あるいは席数を調整して昼夜2回公演)』でも良いじゃないかと思うわけです。
しかし、乃木坂46は神宮球場でのライブを選択しました。そこにどんな意味があるのでしょうか? リスクを負ってまで神宮を選んだその意味とは何なのでしょうか?
今回の神宮球場でのライブは、ある種、賭けの部分もあったと思います。前述したとおり、天候というリスクがありました。それでも敢えて運営陣は神宮球場を選択したのではないかと思っています。その理由は『乃木坂46初の大型単独野外ライブ』開催による話題性と『力の誇示』です。会場の発表と同時に話題を呼ぶとともに、『1回』のライブで観客動員数3万人、それを成し遂げられるという力を誇示したかったのでしょう。その為には例え3万人クラスでもよく利用されている会場や、1万5千人クラスの会場で2回公演ではダメなのです。
ライブ中の生田絵梨花さんの『茶番』で悪役を演じた手塚とおるさん(7thシングル「バレッタ」MVでのマエストロ役)が言っていた言葉です。「乃木坂が売れていることを、よく思わない人もいる」。勿論これは『茶番』の中の『台詞』ではありますが、事実でもあると思います。
例えばCDに付属する『握手券』という初回特典システム。今では特別珍しくないこのシステムを、乃木坂46も採用しています。何らかの特典を付けること自体は、アイドルでなくてもずっと前からあることですが、目立つがゆえに、これをよく思わない人がいることは事実です。想像してみれば当然のことで、特典を付けているCDと発売日が重なれば、特典を付けていないCDは各チャートで上位を狙うのが難しくなります。そこに僻み、妬みという感情、あるいはそういうやり方は認めないという考えが入ってきても仕方ないと思います。なので、乃木坂が8作連続オリコン1位、累計セールス50万枚という実績があっても、その数字のとおりに評価されないことも往々にしてあるのです。
しかし、今回、乃木坂46は神宮球場でのライブで3万人を動員しました。この事実はぐうの音も出ない、現在の乃木坂の力の誇示です。今の日本の音楽シーンにおいて、『1回』のライブで3万人動員できるアーティストはどのくらい存在するでしょう? 確かに、特典付きCD商法は邪道かもしれません。でも、神宮球場ライブの成功は、乃木坂を認めないとする評価への痛烈なカウンターパンチです。
こういった『力の誇示』はやや強引で、乃木坂の雰囲気には似合わないかもしれませんが、次のステップに向けて、やらなければいけない事でした。
「今回は勝負になる」、10thシングル選抜発表を受けての白石麻衣さんの言葉です(公式ブログ「次へ(o^_^o)」参照)。おそらく、年末の『紅白』を意識した言葉ではないかと思っています。天候というリスク、大きな会場ゆえのライブのやりにくさ等あったと思いますが、乃木坂46は神宮球場という『賭け』に勝ちました。あとは『人事を尽くして天命を待つ』。年末の念願の『紅白出場』、神宮球場という『賭け』に勝った乃木坂は、僕は大丈夫だと思っています。
神宮球場ライブの成功は、乃木坂46のターニングポイントです。そういう大きな意味があったと僕は思っています。
商業的な、運営的な意味における神宮球場の意味は上記のとおりです。では、メンバーにとって神宮の意味とは何でしょう? それはやはり『景色』だと思います。
登り坂を登っていくうえで大事なことだと思うのですが、いつも同じ景色を見続けてはいけないと思います。『同じ景色』には『満足』、『慣れ』、『飽き』、時に『諦め』といった感情が入り込みます。ライブ後に更新されたメンバーのブログに見受けられる『課題』という言葉、上を目指すために必要なものです。同じ景色だけを見続けたのではやがて停滞していきます。登り続けるための新しい景色、神宮でのライブは、まさにその新しい景色が広がっていたと思います。
伊藤万理華さん公式ブログ「火薬くさい。597回目」より。 ©乃木坂46LLC
実際に参加されたファンの皆さん、神宮3万人の光景を覚えていますよね? 僕達に出来ること、それは神宮の光景を伝えていくことです。実際に目にした僕達が「乃木坂46は神宮球場ライブに3万人を動員した」という事実を何らかの形で発信していくのです。友達との話の中で、ツイッターで、ブログでなどなど。この記事もその一つです。
もしも、何かの機会に、誰かが「乃木坂って、だれ?」って言うことがあったなら、こう答えてあげましょう、「ああ、神宮球場ライブ3万人動員のグループね」と。
歌って踊りたいと願う美しき人魚たちに、僕達はサイリウムという海を用意しました。神宮球場の光景は次につながる光景です、もっと輝く、もっと眩しい舞台に。
その為に、僕達が出来ることは、海を作り続けること、そして、海を広げてゆくこと。世界の果てはきっと崖で終わってはいないのです。彼女たちが望むならば、真摯に臨むならば、終わりはないのです。
いつも いい記事をありがとうございます。
神宮はアリーナBで花道脇で観戦しました。が 当たり前のことで仕方ないことなのでしょうが9割の口パクには 正直?でした。
数名のメンバーのブログやモバメのニュアンス 「めいいっぱい踊った」とか 彼女の本心 前後のブログなどから 彼女は歌いたい、って気持ちが 感じられました。
被せで音しぼってもいいから、唄いたい❗って。
まあ ああいう会場では仕方ないことなのでしょう。
今度は倍率高くなるでしょうがアンダーライブで彼女たちが思い切り唱える姿みてきます。
またいい記事楽しみにしてます。
いつも楽しい、あるいは考えさせる記事をありがとうございます。
乃木坂46による明治神宮球場でのライブ。僕はそこに(半分こじつけで)呪術的な意味を見出していました。
明治天皇を祀る神宮の名を冠した場所で、乃木大将に因んだ地名を冠したアイドルグループがライブをするということにです。
もちろんそれは単なる偶然でしょうけれども、乃木大将が明治天皇に殉じたことを思うと、不思議な運命めいたものを感じてしまうのです。
久しぶりに乃木神社へ乃木坂46のますますの活躍を祈願しにお参りしてこようかな。
客席いっぱいのサイリウムと涼しい夜風は忘れられない。
大正解だね。
もともと、雨でもいいなって思ってたんだけどね。
地方公演と神宮との酷い格差
まだ国民的歌番組に出るには相応しくないと思う
出ても素直に喜べない
紅白は、国民的歌番組であると同時にNHKへの貢献度も加味されるNHKの興業でもありますから、よっぽどのことがない限り、今年は出られるんでしょう。NHKも積極的に乃木坂関係者をキャスティングしている感じがします。
見合った規模でコツコツというのも一つのやり方でしょうが、結局、やらないとうまくならない。練習したり、他のグループの大箱公演を見たりしても、どこかで挑戦しないと、成果も課題も見えない。松井玲奈さん不在の、純粋に乃木坂を見たい人があれだけ集まったのは成果の一つ。野外の大箱で、一体感が出ない部分があったのは、メンバーもいう課題の一つでしょう。その課題を全体で克服する場がないのが、メンバーにとっても歯がゆいところかもしれません。
もっとホールで地方回って欲しいです。
まだ地方で名前を売らないと
知らない人まだいます。
知ってって四天王ってとこです。
もうちょっと地道にやってくれたらいいのになあ
なかなか示唆深い記事ありがとうございます。
昼空・夕焼け空そして夜空へといった情景の変化(とそれに応じて映えてくるサイリウムの海)は屋外会場ならではの稀有な体験でしたね。一般的なアイドルのライブと違った「夏フェス」的な要素ともいえるでしょうし。(AKB48の東京ドームも行きましたが、こうした感覚は全くありませんでした。)
>ゆきひらはるさん
「9割が口ぱく」は何が根拠かはわかりませんが、少なくとも被せて歌っていたのではないでしょうか。
「ロマいか」で最後誰か飛びだしましたよね?(メンバーの名前を挙げて指摘している人もいましたが、私には誰かははっきりとわかりませんでした)
神宮公園は見所も多くかったようで、様々な演出も高い評価を得ており、運営の気合いの入りようがうかがえます。
一方で神宮に注力するあまり生まれた公演内容の差には少し疑問を抱いてしまいました。地方公演はもちろん楽しかったですし、神宮に行けなかった者の個人的な不満でしかないのですが。
地方と神宮の格差
仙台と明治神宮野球場の両方に参加しましたが、
どちらも甲乙つけがたく良かったです。
仙台は箱の小ささから来る一体感と
パフォーマンスの全てを肉眼でしっかり見ることができる楽しさ。
神宮の演出の規模は確かに大きかったしイベントとしては
凄かったけど、半分くらいモニター見ていた気がします。
(アリーナ前方でしたのでメインステージ以外はあまり見えませんでした)
どちらも体感できて本当に良かったです。