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乃木坂散歩道・第191回「映画『ここさけ』~人と人とを繋ぐ言葉」

 乃木坂46が主題歌を歌っているという、ただそれだけの理由で映画「心が叫びたがってるんだ。」を観てきました。この記事では、映画「ここさけ」を観て感じたことを書いていきたいと思います。映画の内容に多少触れますので、まだご覧になっていない方はお気を付けください。

「心に残った言葉」

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映画『心が叫びたがってるんだ。』公式サイト

 おそらく、この映画には沢山のメッセージが込められていると思うのですが、その中で、僕が一番心に残った言葉は「~のおかげ」です。

 自分の殻に閉じこもった一人の少女の世界が大きく変わります。その変わりゆく時の中で、人と出会い、音楽と出会い、そして、その世界がさらに広がっていきます。
 世界が広がると、そこにあるのは決して心地良いだけの空間ではありません。時に立ち止まり、俯き、しゃがみこんでしまうこともあります。それでも、踏み出した先に広がる世界は美しかったのです。

 殻を破ろうとするその少女の姿に、周りが影響を受け始めます。『面倒臭い』、『無理』、『どうせ』、そんなマイナスな言葉が、『~のために』、『共感する』、『応援したい』というプラスの言葉に変化していくのです。

 ところが、少女は裏切ります。クラスメイトの期待、想いを裏切ってしまいます。その時その少女に向けて、クラスメイトが発した言葉が「~のおかげ」でした。
 『~のおかげ』という言葉は、人と人を結び付けます。少女の裏切りは自分勝手な行為でした。でも、「おかげ」という言葉は、その過ちを温かく包み込む言葉でした。「~のおかげ」、「~のおかげ」、その言葉が沢山発せられるその集団には『団結力』が生まれていました。

 再び殻の中に閉じこもろうとしていた少女の世界は、「~のおかげ」という言葉に救われたのです。

「世の中にあふれる『~のせい』」

 少し、話を変えます。

 今、世の中には『~のせい』という言葉があふれています。これは人と人との関係を断ち切る言葉です。何か過ちを犯したときに、その責任を追及する言葉です。ですから、この言葉を発した結果としては『辞任』、『解雇』、『処分』などといった方向に向かってしまいます。
 もしも、「ここさけ」で少女に「~のせいで」という言葉を投げかけてしまったらどうなったか? おそらく、少女はまた殻に閉じこもってしまったでしょう。

 『責任』というのは大事なことです。責任感無く行動されても困りますし、本来やるべきことをやらず、あるいは、守るべきことを守らずに犯した失敗は、責任を問われて当然です。

 一方で、最近の世の中の流れとして、『過度』に責任の追及があるように感じています。その流れは社会を『萎縮』させます。

 例えば、責任を過度に追及される教育現場は『萎縮』している印象を受けます。例えば『原発事故』。東京電力や政府への批判ばかり目立つこの問題も、危機意識を欠いて声をあげてこなかった人々にも一様に少なからず責任があると考えます。

 反省は大事です。同じ過ちを繰り返さないために行われるものです。どんどんやればいい。でも、『責任をとる』ことは一度しか出来ません。反省ではなく責任を追及される時、そりゃ誰だって抵抗します、人生がかかっているから。責任を持つというのは大事なことです。でも、それと責任の追及は別物です。そして、その責任の追及が『過度』であれば、そこには反省も生まれないし、ただ忌避されるだけ。それが社会の萎縮へと繋がるのです。

 以上の話はデリケートな問題で、ここではとても語り尽くせません。が、この記事の本題ではなく、あくまで世の中にあふれる「~のせい」を提示したかっただけなので、この位で納めさせてください。

「現代社会へのアンチテーゼ」

 何故、『~のせい』という言葉を持ち出したのか? それは、あまりに世の中に溢れすぎる『~のせい』に僕自身が嫌気を感じていて、尚且つ、危機感を覚えているからです。何か問題が起こると、後出しじゃんけんの様に、「もっとこうした方が良かった」、「こうなったのは~の責任だ」という言葉が出て来ます。結果が悪いと『犯人』探しが始まります。
 『~のせい』が広がる社会=出る杭を打つ社会=何事も萎縮する社会=人々がつながらない社会です。

 映画「心が叫びたがってるんだ。」は、単に『青春群像劇』が描かれているだけの作品とは思えませんでした。『~のおかげ』という、人と人とを繋ぐ言葉を提示し、現代社会に足りないものを表現したのではないか? 人と人とが繋がった時に生まれる、その団結力の素晴らしさを表現したのではないか?

 『~のおかげ』という言葉が持つ『圧倒的な力』を提示した映画。
 今、現代社会を覆い尽くしている『~のせい』という言葉を払拭し、人々が繋がる『~のおかげ』を提示した映画。

 映画「ここさけ」は『~のおかげ』という言葉を使って、『~のせい』が蔓延(はびこ)る現代社会へのアンチテーゼを提示した映画なのです。


 せっかく主題歌を担当しているので、少しだけ乃木坂のお話も。

「映画の主題歌経由でお越しの方へ」

 映画「ここさけ」の主題歌「今、話したい誰かがいる」を乃木坂46が歌っています。その主題歌経由で、乃木坂を知り、そして、このサイト、この記事にたどり着いた方が、もしかしたら、もしかしたらいるかもしれません。そんな方に是非聴いてもらいたい曲があります。それは「君の名は希望」です。

https://www.youtube.com/watch?v=JbAgeuQQQ1c
(乃木坂46 OFFICIAL YouTube CHANNELより。)

 この楽曲を映画「ここさけ」の主人公『成瀬順』の視点で聴いてみて下さい。

「透明人間 そう呼ばれていた」
「僕が拒否していた この世界は美しい」
「真実の叫びを聞こう さあ」
「こんなに誰かを恋しくなる 自分がいたなんて」

 順と重なる部分が多い楽曲です。
 この曲も「~のおかげ」が溢れていて、人と人とを繋いでくれる名曲です。


 最後に皆さんにこの言葉を提示して、記事を終わりたいと思います。

「言葉で表現できなくなったとき、『音楽』がはじまる」
 byドビュシー

 この言葉がここに書かれる意味がわかる方は、多分僕と話が合うはず(笑)

関連映画『心が叫びたがってるんだ。』公式サイト

筆者プロフィール

Okabe
ワインをこよなく愛するワインヲタクです。日本ソムリエ協会シニアワインエキスパートの資格を持ちます。乃木坂との出会いは「ホップステップからのホイップ」でした。ファン目線での記事を書いていきたいと思います。(ツイッター「Okabe⊿ジャーナル」https://twitter.com/aufhebenwriter

COMMENT

  • Comments ( 2 )
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  1. 公開初日の0時0分、最速上映とやらを観てきました。

    「君の名」「何空」が場面場面にピタッとハマる映画でした。
    制作陣が乃木坂、秋元先生を選ぶのも頷けますよね。

    アイドルに興味のないアニヲタの友人も、主題歌良いよね、と言ってくれました。
    この手の作品にアイドルが絡むのを毛嫌いする方もいますけど、こうして評価してくれる人もいました。
    新たなファン獲得につながるといいなあ。

  2. Okabe様
    いつも素敵な記事、ありがとうございます。

    自分はまだこの映画を見てません。アニメはまず見ないという理由と金銭的に厳しいという理由です(^^;)
    ただ予告等を見て概ねそのような内容だということは想像していました。

    確かに自分を含めて他者に対する感謝の気持ちより非難することの気持ちのほうが多い世の中になっていますね。
    感謝というのは意外と難しいもので、すすんで行動を起こさないと表現しずらいものです。
    非難することは簡単です。相手の欠点というものはすぐに目につくし、直接相手に言わなくても誰かに愚痴れば気持ちがスッキリするものですから。

    この記事を読んで、日頃から感謝することの難しさと大切さを改めて感じました。

    まずは大切な人への感謝の気持ちから始めたいと思います。

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