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乃木坂散歩道・第151回「蛙、『虹のプレリュード』で大海を知る」

 先日、天王洲銀河劇場で行われた生田絵梨花さん主演の舞台「虹のプレリュード」を観てきました。この舞台の素晴らしさは、僕には表現しきれません。ですから、先にレポートではないことを断っておきます。

「井の中の蛙」

 僕は井の中の蛙です。元々、芸能界にはさほど興味がありませんでした。舞台も観たことは無いし、映画ですらほとんど観ませんでした。そんな人間ですから、ライブと舞台を初めて体験したのは乃木坂46主催のイベントです。一昨年に乃木坂46に興味を持ってからは、乃木坂に関わるものばかりを観てきました。

 その中でも、「16人のプリンシパル」公演は僕の中では衝撃的なイベントです。メンバーが準備期間から悩み苦しんで、連日の公開オーディションに辛い思いをしながらも、舞台の上ではやはり輝いている姿に、感動し涙を流したりしていました。そして、そんなプリンシパルやライブなどを参考に、歌の上手いメンバー、演技の上手いメンバーを見定めていました。

 Un、Deux、Trois、全てのプリンシパルで圧倒的な存在感を示していた一人が、生田絵梨花さんです。その生田さんが主演する舞台ということで、僕はプリンシパルを基準にして、「虹のプレリュード」はプリンシパルとどんな違いがあるんだろう? そんなことを思いながら井戸の外に身を乗り出し、観劇に向かったのでした。

「井の中の蛙大海を知る」

 開演してすぐ、自分の場違いさに気がつきました。舞台上に生田さんは確かに存在していました。でも、プリンシパルで見た影はどこにもありません。何故ならば、周りのキャストの圧倒的な力量が乃木坂46の影を完全に吹き飛ばしてしまう程のものだったからです。とんでもない所に生田さんは放り込まれたんだなとその時気がつきました。

 キャストの皆さんの力量は素晴らしいものでした。演技力、歌唱力が素晴らしいのは言うまでもなく、一番感じたのは『自信』です。自分自身、あるいは自分の演技、歌などに対する圧倒的な『自信』です。多くの観客の前で自分を表現することに対する『自信』は、キャストの存在感を大きくします(人はこういったものをオーラと呼ぶのかもしれません)。それゆえだと思います、「生田さんを観に行こう」、そんな当初の僕の思いは数分と経たない内にもう無くなっていました。僕は舞台「虹のプレリュード」を観ていました。

 そして入れ替わるように、そんな凄い人達の中に入って、生田さんが埋もれてしまわないか? 格の違いを見せつけられてしまわないか? そんな心配もやって来ましたが杞憂でしかありませんでした。生田さんがもともと持っている実力なのでしょうか、それとも、共演者やスタッフに刺激され表出した潜在能力なのでしょうか。いずれにしても、生田さんは主演として、しっかりと舞台上で存在感を発揮していました。

 これが舞台か……、僕は初めてプリンシパルではない『舞台』というものを観させてもらった気がします。

「すべてが『革命』に集約される」

 この舞台を思いっきり要約してみると、生田さんが最後に弾く、ショパン作曲の「革命」(「12の練習曲 作品10」の第12曲)を聴かせるための舞台です。

 いくら乃木ヲタとは言え、何の前置きも無しに生田さんの演奏による「革命」を聴いたところで、凄いとは思うかもしれませんが、感動まではいきません。しかし、19世紀のポーランドの時代背景、時代の波に翻弄される音楽家の姿、「革命」が作られる過程が舞台上で描写され、演じられる中で、「革命」の持つ意味がどんどん重くなってゆきます。舞台の始まりから、中盤、終盤、すべてが伏線となって、最後の演奏に集約してゆくのです。

 例えば舞台の途中、何度か生田さんがピアノを演奏するシーンがありました。本当に演奏していることもありましたが、『演奏している演技』の時もありました(当て振り、歌でいうところの口パクです)。演技はやっぱりわかるんですよね、迫力が違うので。でも、そんな『演奏する演技』があるからこそ、最後の「革命」の持つ力強さに気付かされるのです。一見、手抜きに思えてしまう『演奏する演技』ですら、最後の「革命」のための伏線なのです。

 約2時間半という舞台で繰り広げられたすべてのことが、生田さんが最後に演奏する「革命」に命を吹き込むのです。この「革命」は作曲者ショパンの祖国への想いだけではなく、この舞台のキャストが演じた音楽への想い、祖国への想い、そして、この舞台に関わるすべての方々の「虹のプレリュード」に対する想いまでもが込められた曲でした。僕はここまで様々な想いが込められた曲を聴いたことがありませんでした。想いが込められた曲だからこそ、生田さんの演奏も鬼気迫るものでした。

 僕は最後の「革命」を聴いた時、自然と涙があふれました。

https://twitter.com/niji_pre/status/519081802569236481
 

「気づいて欲しいこと」

 この舞台を観終わった僕は、シンプルに「羨ましい」という思いを抱いていました。大勢の前で、自分自身の技量で『表現』し創り上げた舞台は、とても輝いていました。『表現』するということ、それを多くの人に見てもらえるということ、そして、見た人の心を動かせるということ。そんなことが出来る生田さんが羨ましいと僕は思ったのです。

 一方で、この舞台を観劇した乃木坂メンバーのブログやモバイルメールを見て思ったことがあります。確かに素晴らしい舞台でした。この舞台にあこがれる気持ち、よくわかります。でも、僕から見たら、メンバーの皆さんも既に同じような舞台に立っているんです。例えばブログ一つにしても、一体何人の人が見ているでしょう? おそらく数千から万の単位で見られているはずです。そのブログがファンに色々な影響を与えています。癒し、笑い、喜び、感銘、動機、時に悲しみ、嘆きなどなど。
 僕は「虹のプレリュード」と同じくらい、ブログやメールやライブや握手会も素晴らしいものだと思っています。そのことを乃木坂メンバーに伝えたいなって思いました。自身を『表現』したものが多くの人の目に留まり、影響を与えられる、そんな乃木坂の活動はどこを取ってもやっぱり素晴らしい『舞台』なんだと思います。

「井の中の蛙大海を知る、そして…」

 とんでもないものを観てしまった、それが今の僕の正直な気持ちです。自分の知らなかった、広く輝く世界を見させてもらいました。こんな素晴らしい舞台に導いてくれた生田さんには感謝の念しかありません。

 そして、僕はまた井戸の中に戻ります。

 でも、もう今までの僕とは違います。井戸の中にはいるけれど、見上げた先に広がる空の下には、輝く世界が広がっている事を知ってしまいました。次、あの外の世界を見せてくれるのは誰なんでしょう? 僕はそれを楽しみにしています。

 僕は井戸の中が好きです。また井戸の中に戻ってしまうのは、もったいないかもしれないけれども、僕にとってはまだまだ刺激的でワクワクする世界です。この小さな世界を、僕は大好きであり続けたいと思います。

筆者プロフィール

Okabe
ワインをこよなく愛するワインヲタクです。日本ソムリエ協会シニアワインエキスパートの資格を持ちます。乃木坂との出会いは「ホップステップからのホイップ」でした。ファン目線での記事を書いていきたいと思います。(ツイッター「Okabe⊿ジャーナル」https://twitter.com/aufhebenwriter

COMMENT

  • Comments ( 3 )
  • Trackbacks ( 0 )
  1. そう、あの生田絵梨花の演奏する革命は思わず涙させるものでしたよね。
    いい舞台だった!

  2. 「生ちゃん」目当てで行ったつもりが、いつの間にか、舞台そのものに引き込まれました。良かった…(ノ_・。)。

    圧倒的な舞台。ラストの鬼気迫るピアノ演奏に収斂する鋭い磁力に痺れました。

    生ちゃん推しとか、そういうレベルでは語れない感動がありましたね。良いものを観ました(*´-`)♪

  3. 乃木坂メンバーが出演した舞台。
    若月の2LDK
    さゆにゃん、ひなちまの帝一の國
    今回の虹のプレリュード

    これから始まる、若月の生きてるものはいないのか
    桜井、みさみさのMrカミナリ
    も、期待しています。

    どれも、プロの劇団の方との共演で、乃木坂メンバーはまだまだ足りないところも
    たくさんあるけれど(生ちゃんももっと感情を乗せられる表現ができたと思うし)
    舞台の素晴らしさを肌で感じて、ますます成長していくことでしょう。
    皆さんの頑張りに期待します。

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