AKB48の皆さんが課題図書の中から一冊ずつ担当して読書感想文を書くという、集英社文庫のキャンペーン『ナツイチ』。実に羨ましい企画ですね。芸能人といった広いくくりでも同じことが言えますが、本に限らず、推しメン(好きな芸能人)の好きなドラマ、映画、ゲームなどをチェックすることは、ファンとしてはよくある行動です。推しメンがどんなことに興味を持って、どんな感想を抱いているのか? ファンとして、ただ単純に知りたい、『ナツイチ』はそんな気持ちを満たしてくれる企画です。同じ話題を共有することで、ブログのコメントや握手会での会話に活かしたりもできますし、一石二鳥です。読書してその作品の面白さに気が付けたら、一石三鳥ですね。
この企画、個人的にはいつの日か乃木坂46でやってほしいと思っていたのですが、7月12日の樋口日奈さんのブログ『日だまりのお部屋*23 8ひなちま』で、『ナツイチ』の中からいくつかの本を挙げて「1冊1冊読み終えてから、また、感想書きますね」とブログに書いてくれました。今読んでいる本は、谷瑞恵さんの『思い出のとき修理します』だそうです。さっそく僕も購入して読み始めようと思います。
『ナツイチ』からは少し離れますが、乃木坂メンバーのブログに登場して、その影響で読んだ本を一冊紹介します。有川 浩(ありかわ ひろ)さんの『図書館戦争』です。筆者の名前は一見、男性のように見えちゃいますが、女流作家です。有川さんの作品は近年多くドラマ化、映画化されているので、『図書館戦争』のほかにも、『フリーター、家を買う。』『空飛ぶ広報室』『県庁おもてなし課』といったタイトルを聞けばなんとなくイメージがわくかと思います。最近、メンバーの間でも流行っている作家さんで、伊藤寧々さん、川後陽菜さん、川村真洋さんなどが、ブログで有川さんの作品について書いています。
『図書館戦争』では「検閲」という言葉がクローズアップされています。これは乃木坂46のメンバー、ファン、どちらにも関係する言葉です。メンバーはブログを書いても、それはすぐにはアップされません。不適切な表現がないか、文章や写真に情報解禁日前に明かしてはいけないものが入っていないかなど、必ずスタッフのチェックを受けます。そして、ファンのコメントも書いてもすぐには反映されません。こちらも、同様にスタッフのチェックがあります。これらの行為が「検閲」です(ちょっと強すぎる表現かもしれませんが)。
公式ブログにおける「検閲」の意味は、メンバーを守ることです。少し前に日本テレビの朝の生放送で「放送事故が起きた」とニュースになっていました。詳しく見ていくと、どこが問題なんだ? と首をかしげてしまうような内容でした。詳しい内容は割愛しますが「ロンパリ」という言葉がいけなかったようです。ちょっとした表現の違いからでも攻撃対象となる世の中だという事を再認識したニュースでした。こういう事からメンバーを守るための「検閲」です。
『図書館戦争』を読んでいくと、意外なことがわかってきます。例えば「床屋」。この言葉は放送禁止用語だそうです(あくまでも自主規制という事なので、メディアによって違うかもしれませんが)。普通に暮らしていると気が付かないことです。でも、ファンの中にも思い当たる節がある方がいると思います。自分のコメントが反映されないことありますよね? しかも、自分ではひどい事を書いたつもりはないのに、メンバーのことを思って書いた事なのに。「自主規制」という言葉が、コメントが反映されなかった際の説明になると思います。
メンバーに嫌な思いをさせないために、また、公式ブログに載る文章として不適切な表現が無いように、運営側は独自の基準でコメント認証に線引きをしていると思います。乃木坂46の運営陣がどの様な自主規制をしているか、僕にはわかりませんが、もしかしたら、一例として「床屋」、「八百屋」、「肉屋」といった、ごく一般的に使われていながら、一般に知られていない禁止用語も対象にしているかもしれない、『図書館戦争』はそんなことを気付かせてくれました。
ファンのコメントは公式サイトに載ります。企業が運営する“公式”サイトです。ファンのコメントを「検閲」するのは仕方のない事だと思います。ただ、一方で「検閲」には否定的な意味合いも含まれています。自分に都合の悪いことを握りつぶすという意味も。
なんだか怖い事ばっかり書いたので、最後はフォローのつもりで、『図書館戦争』の素敵な部分を。
本書に出てくる登場人物は、それぞれに個性的で魅力的ですが、その人間関係が劇的に変化していく様が、この小説では表現されています。友達、親友、仲間、こういった関係は「作る」のではなく「なる」もの。この小説を読むと、乃木坂メンバーの仲の良さを「戦友」と表現したくなるのです。
最後に、本の話からは少しずれますが、樋口さんのブログの写真、とても素敵な表情なので、表題写真にさせていただきます。読書感想文、大変だと思いますが、ファンとして楽しみに待ちたいと思います。
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乃木坂浪漫。大好きでした。
たしかに本の話からずれるけど、ひなちまのこの写真はいいなぁ。